「ディープボンド2世」に天皇賞・春の確定ランプ点灯!?残念騎乗の武豊にネットは大荒れ【阪神大賞典】
1→3→4→9→2番人気の決着で366万1820円の波乱となった先週に続き、1→1→10→4→6番人気と荒れた今週のWIN5も409万3540円と高配当が飛び出した。
毎週のようにファンの悲鳴がやまない魔物は、今年ここまで13度の開催で平均配当が約1700万円。そのうち一度は的中者なしのキャリーオーバーなのだから、もはや夢より悪夢が待っているとさえいえる券種である。
対象5レースで重賞は愛知杯(G3)と阪神大賞典(G2)の2レースが行われたが、本稿では注目度の高かった後者についてのレース回顧と分析をしてみたい。
年々存在感が薄れていく長距離戦だが、伝統のG2は6週後の本番に向けた最重要ステップ。来週の日経賞(G2)に昨年の菊花賞馬アーバンシックが出走を予定しているものの、それ以上に興味を惹く内容だったかもしれない。
11頭で争われた芝3000m戦。好発を決めたのは川田将雅のヴェローチェエラだったが、距離を意識してハナに立ちたくはなかったのだろう。積極策で先手を取った岩田望来マコトヴェリーキーを外から池添謙一サンライズアースが交わし、横山和生ワープスピードが2番手につける。
これに対し、1番人気に支持された武豊ショウナンラプンタは、まさかの最後方。先行タイプでもないため、ペース次第で途中から動けばいいという作戦だったかもしれない。そのまま隊列に大きな変化もなく1週目の4コーナーを過ぎ、1000m通過のタイムは63秒1。さすがにペースが遅過ぎると感じたのか、浜中俊ゴールデンスナップが外から徐々に進出していく。
ただ浜中もそれ以上前に行くわけでもなく一旦キープのまま。むしろ先に動いたのはインの3番手でロスなく進めていた望来だ。サンライズアースのスローペースに付き合っていられないという勢いで先頭に立ち、池添からレースの主導権を奪い取った。
マコトヴェリーキーに合わせて他馬もペースアップし、各馬が一斉に動き始める。まだショウナンラプンタは1頭交わしたくらいで前との距離がある。
その一方で併せ馬の状態で競り合うマコトヴェリーキーとサンライズアースの脚色は抜群。懸命に追いすがるゴールデンスナップを2馬身3馬身と置き去り、このままマッチレースになるかと思ったのも束の間、ライバルを競り落としたサンライズが瞬く間に独走体勢に持ち込んでしまった。
それもそのはず。スローで流れていたはずのレースだが、ゴールから逆算した残り1000mのラップはなんと57秒8。これは過去10年の阪神大賞典で最速だったのだから、後続がついていけなかったのも仕方ない。
途中までのセーフティーリードが功を奏してマコトヴェリーキーが2着を死守。3着に後方から脚を伸ばしたブローザホーンが上がり、直線8番手のショウナンラプンタはハナ差4着までが精一杯。最終コーナーでも物理的に届くはずのない位置にいたのでは無理な話である。
各騎手の功罪
サンライズアースの池添は、どちらかというと完璧に作戦を成功させたとは言い難い騎乗にも映った。本人も話していた通り、これといって行きたい馬がいないメンバー構成。今回はスタートも普通に出られたため、押し出されるように逃げたというのが本音ではないか。
逃げる競馬をイメージしていたなら、マコトヴェリーキーが動いたタイミングでハナは譲らない。置いて行かれるくらいならついていくぞという感じだったため、思った以上にパートナーが強かったというところか。
それに2000m通過が2分5秒5の超スローで前を交わしに行かなった他の騎手もよくない。3000mを分割したラップが63秒1→62秒4→57秒8という異質な展開。これはラップ全体の数字を見た方が分かりやすい。
13.2-11.9-12.6-12.7-12.7(63秒1)
12.7-12.4-13.0-12.6-11.7(62秒4)…11秒7の手前が望来の動いたタイミング
11.2-11.5-11.5-11.5-12.1(57秒8)
とはいえ、こうしてラップ構成を確認していると、サンライズアースがいかにおかしなレースをしていたかも分かる。過去10年の同レースで最速だったと先述したが、これってステレンボッシュが勝った去年の桜花賞(G1)のL5が57秒7だった訳で、0秒1しか違わない。
ね?ゴールデンスナップが置いて行かれた理由もなんか察しが付くでしょ。その証拠にL5をほぼ逃げていたサンライズが上がり最速35秒0なんだわ。は?なんだそれ。参考までに昨年と一昨年の結果も確認するよ。
2023年 ジャスティンパレス(ルメール)、3分6秒1良(34秒2)、57秒9(1馬身3/4差) 2024年 テーオーロイヤル(菱田裕二)、3分6秒8稍(34秒8)、57秒9(5馬身差) 2025年 サンライズアース(池添謙一)、3分3秒3良(35秒0)、57秒8(6馬身差)
3頭の共通点はL5とL3で上がり最速。2頭の共通点は天皇賞・春(G1)で優勝。これもうデータ的にサンライズアースに確定ランプが点滅しつつある、ってこと?
先輩2頭との決定的な差があるとすれば、それはやはり上がり3ハロンの数字。5ハロンで上回りながらも3ハロンで大きな後れを取っている。すなわち悲しいくらいに切れる脚がない代わりに、いい脚を長く使えるから5Fで逆転したのだ。
もちろん、優勝した2頭がステイヤーなのは確かであり、サンライズはそれよりさらにステイヤーだった。うーん、これはあれだ、ディープボンドさんちゃうか。仮にディープボンドさん2世だったとしても、本番の連対確保が約束されたようなもの。買える。
望来は頑張ったよ
では次に2着に敗れたマコトヴェリーキーの岩田望来について触れる。当サイトの読者諸兄は、筆者が望来を好意的に見ていないことはご存知だと思う。その反面、望来って酷いときは酷いけど、巧いときは巧い騎手でもある。
デビュー当時の下手くそな癖にエージェントのお陰でいい馬ばかり乗ってるイメージはあれど、ずっと下手な訳ではない。マスクトディーヴァみたいに致命的なミスを経験したが、なんだかんだで着実に進歩はしている。前日土曜のファルコンS(G3)にしてもヤンキーバローズで勝利した。
そりゃ強くてニューゲームみたいなスタートで恵まれていたのは確かだけど、今はもう技術も追いつき始めたと思う。実際、マコトヴェリーキーに◎を打ったのは、しっかりイメージした乗り方をしてくれる期待があったからである。
正直、割とマジにビックリもしたし感動もしたよ。だって「俺ならこう乗る」って騎乗を現実にしてくれたんだもの。ほら、G1ジョッキーやギャロップレーサーみたいにさ。外枠だけどもペースが上がらない内にインへ潜り込んで脚を溜めて、直線で内から伸びるっての。これは京都記念(G2)のヨーホーレイクも同じ乗り方で勝っていた。このときのマコトは北村友一が下手打っていた。
しかもチャンスがあるのは、展開に紛れがありそうなここだけで本番の春天では用がない。だからこそここで馬券にならなければ意味がないタイミングだったの。所詮、馬券オヤジなんてのは金になるかどうかが評価の決め手。コイツは金になるぞと思えるようになったら手のひらなんてグルグルひっくり返す。それは酷評しているゴ三浦師匠や石橋脩でも同じ。今日は120点の騎乗をしてくれた。
次に3着に入ったブローザホーンの菅原明良。明良は基本的に左回り専用だが、関西に遠征すると右回りでも結果を出す(試験に出ます)。関東の騎手なのに中山が苦手という致命的欠点が、こういう状況を作っている。
そして馬の方は意外と復調してる感じ。今日の展開で勝つのは無理だったろうし、59キロ背負ってショウナンに先着したなら悪くない。これなら春天までにもっとよくなる可能性もある。去年もここで3着から本番の2着に着順を上げた。なかなか良くならないって思っていたけど保留だね。
武豊は残念な騎乗
で、最後に触れなきゃいけないのはレジェンド武豊さん。ちょっと怪しいぞと疑っていたから、この結果に驚くほどではないが、さすがにあのポジション取りはいただけない。
だって浜中すら途中で動いたよね。展開が向くとか向かないとか、京都の方がいいとかそういうレベルじゃない負け方だと思う。ハッキリ言って最終コーナーまで何をしていたんですかってこと。豊さんが動いたのって既に11秒台に激変してからでしょ。無理よ無理。カタツムリ。
克駿から乗り替わりで国本オーナーもG1を見据えての決断。たとえ前哨戦でもやる気を見せて欲しかった。某キチガイ掲示板では、そらもう非難轟々よ。豊好きの俺ですら馬券買ってはずれた人に同情するほどだもの。
まあそれでも、この人京都はマジで鬼だからね。こうやって散々叩かれた方が、かえって本番で馬券になりそうな気もするのよね。あ、でもこの馬に乗るってことは、アドマイヤテラが春天間に合わないってことだよなあ多分。
ヘデントールがダイヤモンドS(G3)を楽勝し、日経賞のアーバンシックも気になるが、今日みたいなレース展開に持ち込めれば、末脚の切れるライバルよりサンライズアースにチャンスがある。
問題は俺が謙ちゃん好きじゃないってことだね(笑)
★コメント
1着サンライズアース 池添謙一
「先行馬がいないメンバー構成で、自然と先行する形のイメージ。2周目の向正面に入ってマコトヴェリーキーが前を走るようになってから集中して走ってくれた。スタミナには自信がありましたし、距離は全然心配していませんでした。とても楽しみにしていますので、順調に、無事に行ってほしいと思います」2着マコトヴェリーキー 岩田望来
「良いポジションで競馬ができた。初の3000mで、道中で入れ替わりがあってハミを噛んでしまいました。それでも2着でしたから頑張ってくれました」3着ブローザホーン 菅原明良
「もう少し前を取る予定でしたが、ゲートを出てから全然進んでくれませんでした。渋太く脚を使うようなレースの方が良い。天皇賞に向けてやるべきことを再確認できたし、次も楽しみ」4着ショウナンラプンタ 武豊
「展開も向きませんでした。それでもラストはそれなりに脚を使っていますし今日の感じなら京都の方が良さそうです」5着ヴェローチェエラ 川田将雅
「具合は前回よりはるかに良かったです。距離ですね」※川田君が距離っていうとどっちの意味でって思うよね。でも普通に乗ってた。
6着ゴールデンスナップ 浜中俊
「いつも通りの雰囲気で状態も良かった。スローの瞬発力勝負になる前に自分からエンジンをかけていこうと。対応できなかったのはスピードの差かなと思います」
おまけ
WIN5全力マンだから豆券しか買ってない(苦笑)