「ドウデュース級」の切れレイニング…関東の大御所はラストダービーに夢【プリンシパルS】
戸崎圭太もダービーを視野
東京11RプリンシパルS(L)芝2000
天皇賞・春(G1)の週に行われる東京の裏開催といえば、オークス(G1)を目指す3歳牝馬のスイートピーS(L)が定番。今年もそうだと思いきや、プログラムを確認したところプリンシパルS(L)が組まれていた。
じゃあどこいったのってなる訳だが、日曜ではなく土曜に移動。今年は土日で入れ替わるレースが多数あり、WIN5民としても看過できないほど大きな影響が出ている。日程を変更しても土日で入れ替えるのはやめてくれよ。
我々に拒否権はないため、なっちゃったからにはしょうがないよねってところだが、プリンシパルSかあ。
そういえば、このレースってNHK杯(G2・芝2000)がNHKマイルC(G1)に生まれ変わった関係で創設されたんだっけ。初年度はダンスインザダーク、2年目はサイレンススズカが勝ったように、なかなか魅力的なレースだった。
その後も2010年ルーラーシップ、12年スピルバーグが古馬になってG1を勝ったけども、こことこ12年は大物の出走はなし。せいぜい18年コズミックフォースが、16番人気のダービーで3着に粘り込み、大波乱を演出した程度か。
ラストダービーの国枝師が期待馬を繰り込む
そんなわけで基本的に超大物が出走することがないレースだが、今年はちょっとした怪物候補が出走を予定している。それがレイニング(牡3、美浦・国枝栄厩舎)だ。
父サートゥルナーリア×母クルミナルの良血馬は、昨年11月東京の新馬戦(芝1800)で32秒9という究極の上がりでデビュー勝ち。直線を馬なりのまま上がっていき、ゴール前では内の馬の手応えをチェックする余裕があるほど大楽勝だった。
これ割とマジで凄い内容。前後半3F38秒5-33秒5(後傾5秒0)、5F通過も64秒2という有様だったが、大外をスルスルと上がっていき、馬なりのまま前の馬を交わしてしまった。
これってフローラS(G2)を勝ったカムニャックのデビュー戦と似てる。どうせ大したメンバーも出てこないし確勝級かもしれない。少し気になるのは、負かした相手がどれもこれも弱かったくらい。
その一方、見逃せないのはレイニングを管理するのが関東の大御所である国枝栄厩舎という点。牝馬で結果を残している名伯楽も牡馬クラシックとは無縁。競馬界でも例年で定年引退する国枝先生に何とかダービーを取らせようと、素質馬が多く集められたとか。
その割に皐月賞(G1)に1頭も送り込めなかったのだから、ラストダービーに賭けるレイニングは必勝態勢。何しろ1着を取れなければ出走すら叶わない。この手の見えない力は案外働くものであり、変に疑うより空気を読んでみる手もありだろう。
鞍上の戸崎圭太ちゃんもマスカレードボールを降ろされ、カラマティアノスも皐月賞で10着。本番に参加するにはレイニングで勝たなければならない。
デビュー戦の2歳馬がドウデュース級の切れ味
一応、推せるネタがない訳でもない。こちらは昨年11月東京の芝中距離戦以上の結果だが、外差し馬場だったことを考慮しても、32秒台の上がりを使ったケースはわずか。最速32秒7のドウデュースさんは別格だとしても、2番目に速かったウインエーデルの32秒9と同じ上がりをマークしている。
しかもレイニングがムチも入らない馬なりだったことを考えれば、もし本気で追われていたらドウデュース級の上がりを使えた可能性まである。うん、煽り記事的には「ドウデュース級の破壊力」を持った良血馬が、名伯楽のラストダービーに確勝を期すってところ。1番人気の圭太ちゃんは信用できないといっても、ここはいい意味で信じてあげたいね。
以下はデビュー勝ちの際のコメント。
1着レイニング 戸崎圭太
「追い切りから時計が出たし、能力があるなと思った。ただ硬さがあって、子供っぽさもありましたがレースでは速い脚。直線では走りを矯正するような感じだったので、バランスが良くなってきたらもっと良いと思います」国枝栄調教師
「良かったです。道中力むところがなかったですし、この感じなら距離が延びてもと思います。まだまだ子供っぽく、5月生まれでまだ小さくてキ甲も抜けていないですから、変わり身は十分あるでしょう」
ダービーを盛り上げるためにも頑張って欲しい馬である。