アノ騎手は「消し続ける」ことに意味がある?権利取り成功キングスコールも皐月賞は厳しいか【スプリングS】

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アノ騎手は「消し続ける」ことに意味がある?権利取り成功キングスコールも皐月賞は厳しいか【スプリングS】

直線に行われた阪神11R米子城S(OP)は、9番人気カルチャーデイの激走で波乱。金鯱賞(G2)終了時点で3万を超えていた残存票もわずか772票まで激減した。文字通り最終関門として立ちはだかったスプリングS(G2)を制したのは、祖父ブラックタイド、父キタサンブラックに続く3代制覇を達成したピコチャンブラックだった。

昨年暮れのホープフルS(G1)で予想外の大敗を喫していたものの、調教師が「一から立て直す」と発奮した甲斐もあって初重賞勝ちという嬉しい結果。G1の騎乗機会だけ川田将雅に奪われた石橋脩も皐月賞(G1)での継続騎乗に太鼓判の勝利となった。

12頭立て皐月賞トライアルで好発を決めた2番人気ピコチャンブラックは、外から手応えよく先団に取りつく。果敢にハナを奪ったのは3番人気の戸崎圭太とダノンセンチュリー。これに内からクモヒトツナイが続いて2番手、その直後の内ににニホンピロデヴィン、外にピコチャンブラックの隊列となった。

その気になればスピードの違いでハナを奪うことも可能だったが、鞍上の石橋脩は自分でレースを作るタイプの騎手でもない。それに強引なレースをせずとも、この日の折り合いは問題なし。後はいつ先頭に躍り出るかだけだったはずだ。

レースに動きがあったのは向こう正面から3コーナーにかけてのタイミング。スタートで出遅れたキングスコールが一気にポジションを押し上げ、マクるような格好でピコチャンブラックに並び掛ける。そしてこれに反応した石橋脩もペースを上げて応戦したのだが、キングスコールの藤岡佑介はついていけない。

石橋脩としては予定より早いタイミングで先頭に立ってしまったが、こうなったらもうパートナーを信じるのみ。勢いそのままダノンセンチュリーに並び掛け4角先頭の強気な競馬で押し切りを狙う。

ここまでは大方の予想通りだったが、外から伸びてきたのは7番人気フクノブルーレイク。なんとかクビ差で凌いだ一方で、キングスコールに急かされた分だけゴール前の脚が鈍っていた。危なげないように見えて、残していたのはわずかにクビ差。着差以上に強さだったことは間違いないが、ホープフルSに比べると明らかに相手が弱かったことも引っ掛かる。

何しろフクノブルーレイクは、初勝利まで4戦を要し、前走のフリージア賞(1勝)すら3着に敗れていた相手だからである。2勝2勝のマテンロウバローズ、素質馬キングスコールを破ったとはいえ、この相手なら2馬身や3馬身くらいはつけておきたいところだ。

★クロワデュノールが圧勝したホープフルSで敗れた馬が、すべてのトライアルで快勝

共同通信杯(G3)  マスカレードボール(ホープフルS11着)
弥生賞(G2)    ファウストラーゼン(ホープフルS3着)
スプリングS(G2) ピコチャンブラック(ホープフルS13着)

もちろん、好騎乗で勝利した石橋脩もよく頑張った。同騎手の重賞勝利は2023年12月のステイヤーズS(G2・アイアンバローズ)以来。WIN5対象レースにおける連敗も「139」でストップした。騎乗内容もケチをつけるほどでもなく、綺麗に乗れていたと思う。

ただ、本番を見据えた場合に怖いのは、むしろ1番人気で3着に入ったキングスコールかもしれない。デビュー戦のレコード勝ちで評判になった期待馬も脚元の故障で復帰が長引いた。何とか出走にこぎつけたというのが実際のところで、中間の追い切りもまだまだ反応が鈍かった。それは陣営も「七分~八分くらい」と認めていたくらいだ。

そんな状況ながらも皐月賞に出るためには3着以内が絶対条件。にもかかわらずスタートで出遅れたのだから藤岡佑介も肝を冷やしたに違いない。強引にポジションを上げていったのも、陣営にやる気を見せるためには必要な作業だった。それでもきっちり3着に食い込んだのは評価したい。

もし権利が取れなければ無理をさせないというのも選択肢に含まれていたはずであり、この3着は非常に価値があったと思う。個人的に「オッ」と感じたのは、ピコチャンを焦らせるだけ焦らせて自分は少し待ったこと。ただ単に勝ち馬の加速に後れを取っただけかもしれないが、結果的にあの追い上げでピコチャンはゴール前で止まりかけたことは思い出したい。

正直、レースレベルは馬場を度外視しても低かったと感じるスプリングS。ピコチャンブラックにしろキングスコールにしろ、本番までに相当な上積みがないと勝ち負けどうこうは言えない気もする。それにしてもクロワデュノールの圧倒的王者感ばかりの目立つトライアルだった。

3番人気で10着に敗れたダノンセンチュリーは、馬場の巧拙もあるだろうがまだまだこれからの馬という感じ。新馬戦は超スローペースを逃げてアールヴィヴァンの追撃を首の皮一枚で凌いだが、内容的には向こうが上。勝ちタイム的にも同時期の他レースより下回っており、ここでも強調できるような材料はなかった。単純に相手が強かったということかもしれない。

★コメント

1着ピコチャンブラック 石橋脩
「中間も厩舎と話し合って一生懸命やってきたことで、上手に走ってくれてそれが一番よかった。馬場的にあまり速くなければ前に利があるだろうと感じていて、あとはこの馬のリズムを崩さないようにした。最後はしんどくなりましたが、馬場に助けられた面もあったと思います」

2着フクノブルーレイク 松岡正海
「今日は前が残っている馬場ですが、位置よりリズムで折り合いだけを気にしていきました」

3着キングスコール 藤岡佑介
「ゲートが開く直前で頭を下げてしまい、少し出遅れた。馬場的にもスローペースのよーいドンで外を回されてしまうとさすがに厳しいと思ったので、向正面で自分から動いていきました。決して重馬場が良いといいタイプではありません」

4着マテンロウバローズ 横山典弘
「上手に走っていたのではないでしょうか。頑張っています」

反省会

金鯱賞に続いてまたまた土下座案件である。あーしに騙された皆さん。どうもすみませんでした(笑)。ただピコチャンブラックは皐月賞(G1)でも買うつもりはありません。

石橋脩君については、別に当方だけが下手くそと思っている騎手でもないはず。WIN5をやり続けているからこそ、買いか消しなら「消しが正解」の人物である。この勝利も2022年10月のテレビ静岡賞(3勝・ダ1400)以来のもの。

それからWIN5で139連敗もしていたなら2年半もの間、石橋脩が乗るからという理由で点数を無駄にしなくてよかった訳だ。対象レースが5つもあるWIN5で1頭削れるのは、全体点数の節約という意味で十分に意味がある。毎週、石橋脩にビビるより精神的にもいいと思う。

以前と違って堀厩舎に絶縁されたこともあり、それまで以上に勝てなくなっている事実もある。※石橋脩でも堀厩舎の馬なら例外というケースも過去にあった。

ルーレットの出目みたいなもので赤と黒の二択を予想すると、裏を引いて余計に当たらない。それならいっそ毎回買わなくてちょうどいいのではないか。

手応えのあった先週の2827万は悔しい思いをしたが、ファクトの取れなかった今週の366万は、よほど難しかった。これもまた競馬の悩ましいところだね。