アルマヴェローチェに一抹の不安…「超速馬場」を見据えた有力馬の比較【桜花賞】
史上最弱世代疑惑のあった現5歳世代だが、クラシック未勝利のベラジオオペラが大阪杯(G1)の連覇を達成。G1昇格後は9年と歴史は浅いものの、昨年よりメンバーが強化された今年も勝利したのは評価したい。
前が残りやすい高速馬場で内枠を引いたラッキーもあったとはいえ、「運も実力の内」をモノにできるセンスの良さが際立った。高い能力を持っていても折り合いのつかないデシエルトとは対照的な2頭だろう。
ただ芝2000mで1分56秒2(良)の勝ちタイムについては少々やり過ぎの感。レースレベルに関係なくレコードが頻出するのは馬場造園課の仕業だが、従来のレコード1分57秒2から1秒も短縮したのだから、現在の阪神がいかにおかしなことになっているかの証明ともなる。
当然ながら翌週に行われる桜花賞(G1)も傾向は続く。週末に雨予報が出ているが、当日までチェックを怠らないようにしたい。
WINB5対象レースでも芝のマイル戦で好時計が連発していることには触れていた。高速馬場のサインは1分32秒台前半が出るかどうかといったところ。こりゃ良で開催されたら1分31秒台突入まであるかもしれない。
年によって世代レベルの差はあれど、近年の傾向的に外枠は買いたくない。上がり最速が出るに越したことはないがマストでもない感じ。
持ちタイム勝負では2頭がリード
時計勝負で分があるのはエンブロイダリーとエリカエクスプレスの2頭だ。前者は1分32秒2でクイーンC(G3)を優勝した。同時期に行われた東京新聞杯(G3)の1分32秒6(良)を0秒4も上回ったのは価値がある。
2番目に速いエリカエクスプレスはフェアリーS(G3)を1分32秒8(良)で制したが、ニューイヤーS(L)のトロヴァトーレが1分32秒3(良)。東京新聞杯と比べてどうかというところだが、そのトロヴァトーレはダービー卿CT(G3)も制覇。勝ちタイムも1分32秒4だった。
古馬重賞を上回ったか否かは差があるものの、レースレベルそのものに一定の信頼は持てそうだ。
阪神ジュベナイルフィリーズはどうだったのか
割とアテにならないのは阪神ジュベナイルF組。2歳冬という意味では、成長の余地を残しているが、リゲルS(L)との比較が目安。シャドウフューリーがそこまで強くないことを考えると、昨年は牡牝ともにタイムで後れを取った。この辺がどう出るか。
まあ枠については内に越したことはない。大阪杯にしても枠の内外がベラジオオペラとロードデルレイに差が出たと思うし、3着に突っ込んできたヨーホーレイクは内から伸びた。これ外を回していれば間に合わなかったはず。
時計の価値のみならエンブロイダリー優勢って感じだが、型にハマると強くてももろさも感じるタイプ。なかなか難しい3頭の比較である。