カムニャック「1点勝負」はやめだ!欲望と執念に燃える男が怖い秋華賞の予想【WIN5】
ドラマチックな結末に期待
京都11R秋華賞(G1)芝2000
データ検証記事でも触れたが、点数が許すなら上から4頭押さえておくとハナホジで見れそうなレース傾向である。
ただ、今年に限れば同じG1馬でもエンブロイダリーとカムニャックなら断然カムニャック。これまでルメールの壁に苦しんだ川田とはいえ、相手に気性面や血統的な不安もあり、トライアルを快勝して上積みの見込める状態で臨めるのはアドバンテージだ。
確かG2限定なら川田君の勝率は5割くらいだったはず。トライアルなら勝つゴールデンジャックみたいな男だよなあ。いや、オールドファンから「そこはサンエイソロンだろ!」と突っ込みが入りそうだが。。。
今週の追い切りも元気一杯だったし、ローズS連対でオークス馬なら「倍率どん、さらに倍!はらたいらに全部!!!」なくらいで隙がない。え?ここまででもうついていけないって?おじさんが書いてる予想だから知りませんよそんなのは。
もうね、十中八九はカムニャックで仕方ねえとメーターが振り切りそうだったところ、「ちょっと待ったコール」が入ったのは枠順の発表だ。若い奴はわかんねえだろなあ。
過去の傾向から1枠や2枠でゴチャっと揉まれるよりは、多少のロスはあっても外からスムーズな競馬をしたいのは分かる。
ただね、「せめて7枠までにして欲しかった」のも本音。生姜君は京都の中距離G1で外枠を上手く乗るイメージってあまりないのよ。
今回はそこに付け入る隙が生まれるのではないかと我慢汁を垂れ流している訳であります。
だってこっちは「愛と正義のセーラー服美少女戦士」ならぬ「金とロマンのギャン中おじさん」なわけです。
どうせリーチになったら、大半がカムニャックと心中する訳でしょ。
カムニャックかカムニャック以外かで払戻も激変する。ならもう取りこぼす可能性はないのかと試行錯誤する必要がある。
しかし、この強い馬が勝っただけで一見何の変哲もないレース映像の中に底知れぬ違和感が残った。
オレンジ帽のセナスタイルの進路取りや追い出しのタイミングが、明らかに実力を発揮し切れていないのだ。
全パトとレース映像の両方を見比べてみて欲しい。
そりゃもう、おじさんは初めて裏ビデオをみたときやエロ画像でハミ毛や乳輪がはみ出ていないかをチェックするくらい見直したよ。それは故・清水成駿氏がダービー前にボールドエンペラーの映像を擦り切れるほど見直したかのごとくだ。
それはともかくとして、セナスタイルがまともに競馬をすることなく、終始前が詰まったり右往左往している間にカムニャックは既に追い出してトップギアに変わっている。ゴール入線前にヤスがカムニャックを避けているが、これはまだ脚色が残っていて接触しそうになっていたからに他ならない。
そこでひとつ閃いたのが「ドラマチックな因縁」だ。
まず、血統的に欧州馬のソットサス(凱旋門賞馬)の産駒が日本のG1を勝つようなら矛盾して面白いということ。ディープ産駒が欧州G1を勝ったのと同じく「氏より育ち」ってね。それぞれの馬場や環境で馬が育つのであって、欧州で通用しない日本馬でも向こうでデビューしていたら苦にしないだろうという確信めいたものもある。
そして最も注目すべきは母ヌーヴォレコルトだ。
これはもう説明するのも今更な2014年のオークス馬。戸崎圭太がいかに馬質で恵まれているかも伝わるね。
本馬は最強助っ人ヤスと出会ってから本格化。チューリップ賞(G3・当時)と桜花賞(G1)でハープスターに連敗を喫したが、オークス(G1)でリベンジに成功した。
ローズS(G2)を勝って挑んだ秋華賞でショウナンパンドラの2着に敗れたものの、相手は翌年にジャパンC(G1)を優勝した馬。そこまで悲観する敗戦じゃあない。
何より注目するのはオークスの結果。当時、あまりにも下手糞な騎乗にブチ切れた記憶しかないが、本当にこのときの川田将雅は酷かった。
道中の進路取りも追い出すタイミングもダメダメ。「ゴール前で落鉄していました」とか「川田将雅は言っていました」とかじゃない。
そんな未熟なコンビを相手に大金星を挙げていたのが、ヤスとヌーヴォレコルトのコンビだった。
全盛期にG1を勝ちまくった職人も、世渡りの下手さもあってノーザンが有力馬を回してくれなくなった結果、腕は衰えていないにもかかわらず、馬質は急激に下がり、G1の舞台から長く遠ざかる状況下。直近のG1勝利も2018年のレインボーライン(春天)まで遡らなくてはならない。
ヤスは常々「もう一度G1を勝ちたい」と並々ならぬ執念と意欲を持って乗っている。この舞台もトライアルで権利を取れなければ届かなかったはずだ。しかもあんなブサイクなレースをしても取れてしまった。秋華賞に乗る誰よりもG1勝利に渇望している男。それがヤスだ。でもって厩舎まで安田(笑)
競馬民なら「この手の偶然が割と馬鹿に出来ない」ことも知っているだろう。例えば2001年の秋天なんかもそうだ。
アグネスデジタルの参戦でクロフネが出られなくなり、クロフネに期待する競馬ファンからバッシングされたけど、しっかりオペラオーを倒して雑音を封じたアグネスデジタル。
秋華賞で言えば武豊ポルトフィーノの出走を阻んだプロヴィナージュ事件もそう。
前走のシリウスS(G3)で11番人気16着の大敗を喫した馬の参戦で1番人気候補が出られなくなり、心無い中傷も発生したが、小島茂之師は1着3着で雑音を封じた。
この手の偶然がもたらす奇想天外なドラマは他に多数ある。いちいち思い出せないだけ。
まともに走れなかった前哨戦で奇跡的に優先出走権を得て滑り込みの出走。8枠はともかく7枠までなら好走している過去のデータ。大本命馬に乗る川田将雅は母ヌーヴォレコルトに負けた相手でもある。
そしてG1獲りに執念を燃やすヤス。ロマン派のおじさんが応援しない理由はないんだぜ。
買いたい理由
・ソットサス産駒がそっと差す
・権利取りに成功した奇跡
・ヌーヴォレコルトの血が再び川田将雅に立ちはだかる
・G1獲りに燃えるヤス
・8枠のライバルに対し7枠
◎セナスタイル
○カムニャック
※追記
確かローズSの回顧でも指摘したと思うのだが、馬場が堅過ぎる超速決着ってのは、差しや追い込みが逆に利きにくいのも特徴。ハイペースのマイル戦で距離短縮より距離延長組の方が好走するカラクリと同じである。
ところがセナスタイルは「それでも届いてしまっている」のだ。これが当方の「こいつはタダモノじゃない」と感じた理由となる。












