ショウヘイ凌ぐパフォーマンスに赤丸急上昇!優駿牝馬で目が離せない爆穴3頭【WIN5】
一発の期待ならこの3頭に期待
東京11R優駿牝馬(G1)芝2400
25日、東京競馬場で行われる優駿牝馬(G1)は牝馬の頂点を決める大一番。翌週の東京優駿(G1)と同じ東京の芝2400mが舞台となるだけにダービーの参考にもなるレースだ。
当サイトでオークス、ダービーではなく優駿牝馬や東京優駿と記載しているのは、これらが正式名称であるため。オークスもダービーも実は副称というわけだ。でもまあ漢字の方が日本らしくていいよね。
個人的に割と好きなレースでもあり、ダービーばかりがピックアップされるのは少し寂しい気分。何しろ牝馬限定G1で最長距離は本レースのみ。秋以降はエリザベス女王杯(G1)の芝2200mくらいしかないのだ。自分で言っておいてなんだが言われてみればそうである。
今年の優駿牝馬は実力上位馬が優勢
惜しむらくは週末の天気が非常に怪しいところ。金曜現在で東京地方の天気は80~90%で雨。先週のヴィクトリアマイル(G1)は何とか良まで回復して開催されたが、今週は稍重や重まで想定しなければならない。
かといって最近何度も指摘してきたカラクリ馬場の傾向は是が非でも駆使したい要素。ヴィクトリアマイルで本来なら絶望的な位置からの競馬だったアスコリピチェーノやクイーンズウォーク、シランケドの激走と無関係ではない。
良だろうが不良だろうが馬場造園課が仕込んだ罠は発動すると決め打って予想を組み立てようと思う。
まず、改めて今年の3歳牝馬の勢力図を整理してみると、トップに君臨していたのが2歳女王アルマヴェローチェ、そして桜花賞(G1)で本馬に土をつけたエンブロリダリー。そして牝馬ではなく牡馬相手のステップレースで潜在能力の高さを見せていたリンクスティップの3頭が他馬をリードしている。
この時期の3歳馬は比較的強い馬と弱い馬の差が明確に出ており、距離が一気に800m延びる優駿牝馬だったとしても、そこまで驚くような大波乱は期待しにくいだろう。
ただ、賞金不足や中間のトラブルで桜花賞に出られなかった組が勢力図を一変させるケースもなくはない。そういうときはキャリアの浅いカワカミプリンセスのような素質馬、ミッキークイーンらの忘れな草賞組、サンテミリオンなどのフローラS、桜花賞で実力を発揮し切れなかった中距離馬たちだ。
伏線となるのは桜花賞が波乱に終わった年が荒れやすいということ。桜花賞で激走した人気薄が引き続き何かの間違いと思われて好走したり、完全にスピードの勝ったタイプが距離延長に泣いたり、大敗した素質馬が実力を発揮したりなどもある。
面白そうな爆穴候補は3頭
では今年の場合はどうだろうか。
結論からいえば、おそらくそこまでは荒れないと考える。かつてローブデコルテが優勝したこともあるが、こちらは古馬になって短距離戦を中心に使われたような馬。ワンダーパヒュームやファイトガリバーなんかも秋以降は凡走続きしたタイプだったがオークスは馬券に絡んだ。牡馬と違って多少アバウトでも許されるのが牝馬といったところだ。
そういう意味では血統面で不安のあるエンブロイダリーやアルマヴェローチェにしても必要以上に気にすることはないかもしれない。ただ血統はそんなに詳しくないと自認する当方でもダイワメジャー系の産駒が中長距離の重賞を勝つイメージはない。2頭の比較なら父そっくりのアドマイヤマーズ産駒のエンブロイダリーは疑問符がつく。
距離延長が最も強調されるなら、やはりリンクスティップとなるのだが、こちらはこちらで鞍上のミルコが全盛期と違って明らかにミスが増えている点が懸念材料。ヴィクトリアマイルは本当にもったいないレースだった。
リアルタイムで結果のみ見ていると、実力を十二分に発揮したクイーンズウォークをねじ伏せたアスコリピチェーノの強さばかりが目立ったものの、映像を見直してみるとシランケドの方が強い内容で走っていた。これ昔のミルコなら勝っていた気がする。
前置きが長くなってしまったが、そろそろ本題の穴馬3頭について触れようか。
ブラウンラチェット(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)
デビュー2連勝でアルテミスS(G3)を制し、暮れの阪神ジュベナイルF(G1)で1番人気の支持を集めたが後方のまま見せ場もなく16着に大敗。減っていた馬体重を16キロ増まで戻した桜花賞で注目したが、こちらも9着と振るわなかった。
しかし、阪神JFと桜花賞の敗戦では中身が異なる。
前者はレース後のルメールが「小柄な馬で自分のリズムで走れなかった」「3~4角も馬場が悪かったこともあり、進んでいかなかった」とコメントしていたが、力のいる馬場に小柄な牝馬で力を出せなかった。
これに対し、後者は武史が「ゲートでもムチを入れたけど出ませんでした」「ついていくのがやっとで外に切り替える余裕もなかった」「馬場は問題なかったけど距離はあった方がいいですね」と出が悪かったことより距離延長に含みのある言葉を残している。
いい意味でも悪い意味でも前進気勢を欠いている訳だが、これは積極策を採らなさそうという意味で捉えることも可能。近2走の内容を考慮すれば、おそらくオークスでも後ろからの競馬を試みる可能性が高い。今回は地元関東のレースで輸送を気にする必要もない。復活の匂いは十分ある。
何よりダミアン君が騎乗するだけでも期待値が高くなる。この馬のことをよく知らなくても外国人騎手が乗るからというだけで買い目に入れるファンも少なくないはずだ。
タイセイプランセス(牝3、美浦・池上昌和厩舎)
トライアルのフローラS(G2)に出る前は未勝利戦を勝ち上がったばかり。優先出走権を取らなければ参戦すら叶わなかった馬である。
しかも鞍上が関東随一くらい定評のある下手糞な石橋脩。彼が乗るだけで5馬身違う(悪い意味で)と思えるほど頭の痛くなるほどの迷騎乗が特徴だ。
その一方、頭を使わない逃げや追い込みを選択した場合はハマることも稀にある。それがフローラSだったといえる。
未勝利戦は2番手から抜け出す競馬で勝利したが、フローラSでは一転して後方待機策を採った。これがいつもの前残り馬場なら絶望的だが、現在の東京は差し放題の前が残らない馬場。正直、騎手たちの乗り方を見ていると馬場をそこまで把握していないように映ることも多いが、この追い込みは見事にハマった。
かといって馬に力がないと戦法を変えるだけで好走することもない。こちらについてはタイセイプランセスの末脚を引き出すいい作戦だったように思う。未勝利戦勝ちの際も「決め手を生かすことができました」と話しており、フローラSにおいても「末脚が切れるタイプだと思っていました」「この馬の良さを生かすために下げて運びました。凄い反応でした」と本人も手応えを感じていた様子である。
それだけに残念過ぎたのが直線における進路取りのセンスのなさ。あまりに酷過ぎたため、レース回顧の記事でも苦言を呈したほどだった。
もうね、まるでパチンコ玉のように右往左往してドン詰まってる。下手糞は馬群を捌く技術やスペースを見つける勘がないのだから、ポツンしてでも大外に出すしかない。勝ち馬のカムニャックの再評価がされているが、当方としてはタイセイプランセスが勝てるレースを取りこぼした扱いだ。
幸いにもオークスは3枠5番の前走から5枠10番と外にシフト。何も考えずに大外一気に持ち込めれば、3着くらいは狙えそうな雰囲気がある。とにかく問題は石橋脩だね。
タガノアビー(牝3、栗東・千田輝彦厩舎)
石橋脩のクソ騎乗ばかりが目立ったフローラSで5着に終わっていたのが本馬。向こうが直線16番手ならこちらも同じく16番手の後方待機策だった。つまり何が言いたいのかというと、下手糞とハゲの豪華な競演が見られたという話である。
先に載せたフローラSの映像でタイセイの内にいるのがタガノ。この2人仲良く行き場を失って脚を余している。
とはいえ、最低限の擁護をするならタイセイプランセスが3枠5番ならタガノアビーは1枠1番とどうしようもない内枠だったことだ。
我々はつい上手い騎手と比較ばかりしてしまうが、彼らだって一応一生懸命に乗っている。ミミズだってオケラだってアメンボだっての心意気だ。(こういうこと言ってるから性格が悪いといわれるんだよ)
で、佑介だってただのハゲじゃない。フローラSで「内枠の分、外に出し切れませんでした」「それでも直線は捌きながらよく伸びてくれました」と感触を確認し、フローラSで権利が取れなかったにもかかわらず、どうにか滑り込もうと使われた矢車賞(1勝・芝2200m)で満点騎乗を披露した。
レース後に「頭数が少なかったし、一番切れると思っていたので、慌てずに行きました」「前回も勝ちに東京へ遠征して、きついローテーション」「折り合いは問題なかったし距離は大丈夫。期待している馬です」とコメントしたことから、本馬に対する高い期待が見て取れる。そもそも前走も勝てると思って使っていたらしい。
だが、これだけで終わらせるにはまだ早い。ちょうどショウヘイの勝った京都新聞杯(G2)が同時期にあったため、参考までに比較しておく。
矢車賞(良)と京都新聞杯(稍重)の違いはあれど、勝ちタイムは0秒4速い。1000m通過のラップは前者が63秒4で後者が63秒3とほぼ同じ。
この超スローを直線最後方から上がり最速33秒3で楽に抜けたのがタガノアビー(レースラップ11秒5-11秒3-11秒3)。これに対し直線2番手から2馬身半抜け出して上がり最速33秒8(レースラップ11秒6-10秒9-11秒3)をマークしたのがショウヘイ。
切れる脚のある馬が大外から伸びたのと、優等生のレースで快勝した正反対の展開だが、現在の東京や京都の馬場イメージに合うのは完全にタガノの方だ。位置取りの違いはそれぞれの鞍上の違いもあるだろう。
かといって内枠を引いたら諦めるしかないと考えていたものの、タイセイプランセスより外の7枠13番を引いちゃったんだから狙わない理由はない。似たようなポジションの2人だが、AIの学習能力はハゲの方が上。酷いときは酷いけれど、石橋脩と違って上手いと感じることもある。
ダミアン君は騎手人気するだろうが、タイセイプランセスとタガノアビーはそこまで人気しないはず。勿論、追い切りもチェックしたがどちらも動きは抜群。狙って損のない爆穴候補としてピックアップしたい。