ルメール、横山典弘に強力外国人も参戦…だからこそ妙味がある国立特別の予想【WIN5】
クリスチャンは不気味だけど
東京09R国立特別(2勝)芝1600
今週は秋天が最終関門の2場開催。5週連続で開催されていたのが、2週前に新潟を加えた3場開催へと戻ったものの、来週からの福島開催前に空白の1週間である。
秋天ウィークの2場開催はもちろんWIN5史上初の珍事ではあるものの、もっと凄い日があったことを覚えているだろうか。
それはWIN5元年の2011年10月のこと。この日の開催は、なんと東京のみ。南部杯(G1)も東京で行われたレア中のレアケースだった。
ちなみに筆者はカリスマサンスカイをチェックしていたにもかかわらず、デビュー2年目の若手だった高倉の慣れない東京を不安視して最後に切ってしまった。
今なら1倍台が2勝もしたら37万円なんてつかないと思うけど、これは割と痛恨の極みだったなあ。そういやピンナって今どうしてるんだろうか。
とまあそんなわけで「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」をおさらいしようか。
1場開催の話で脱線してしまったが、今年の東京からスタートする京都との2場開催を抽出してみたい。
ローカルメインが荒れやすいこともあり、2場開催でそこまでおかしなことにはならないはずなのだが、なんだか思った以上に荒れてるなあこれ。
特にどえらいことになったのは、キャリー祭りで沸いた10月初週だ。
トリガーとなったのは、いずれも1レース目の大波乱。土曜は09R八ヶ岳特別(2勝・芝1800)の10番人気サトノヴィレ、日曜は09Rtvk賞(2勝・芝1400)の16番人気ジュドー。前者は荻野極、後者は嶋田純次が波乱の使者となった。
今週の国立特別は芝のマイル戦で、先述したレースほど意味不明のメンバーが出る訳でもない。この1週だけを度外視すれば、まあそこそこ穴狙いが面白い秋天ウィークとなりそう。
前提傾向を見ても二桁人気を除けば4568番人気あたりがホットゾーン。狙いたい馬が10番人気以下くらいなら割り切って削るのもありだ。
なぜ度外視するのかというと、大波乱に終わった両レースはルメールなどのトップクラスが不在だったからでもある。
いてもせいぜい圭太ちゃん。圭太ちゃんは人気馬を飛ばして配当を跳ね上げる役割で重宝する側のジョッキー。土曜なんて1倍台のゴ三浦師匠がいた訳であり、当てにならない騎手が実際に当てにならなかっただけのことかもしれない。
そして今回の国立特別は、ルメールどころかクリスチャンにダミアン君まで参戦。人気馬に乗る圭太ちゃんやゴ三浦師匠もいないのだから荒れそうにないよな。
こことこのWIN5で東京芝のマイル戦は、サクラトゥジュール(東京新聞杯7人気)、テンハッピーローズ(VM・14人気)、パンジャタワー(NHK・9人気)が目立つくらいで、例外中の例外にレガトゥス(秋色S・9人気)の師匠がいる程度か。
なんかピンかパーかって感じで、荒れないときは4番人気以内で収束している。出オチの即死は避けたいところだけど、使える点数は3点ほどが目安になりそう。
本稿を仕込んでいる金曜現在で某キチガイ掲示板の予想オッズはこんな感じ。※金曜夕方現在
万全を期すなら上から5頭くらいフォローしておけばいいけど、後ろを考えると避けたいところだねえ。
中間でジョッキー起用の追い切りをこなしているのは、アンパドゥ(杉原)、コリカンチャ(団野)、ストレイトトーカー(大野)、ヒロノゴウカイ(菅原隆)、マテンロウバローズ(横山典)、上位人気馬で騎手が乗ったのはアンパドゥとマテンロウバローズの2頭。シンプルに狙うならこの2頭でいいか。
前走後のコメントで前向きだったのもこの辺。
アンパドゥ ルメ「これからが楽しみ」
コリカンチャ 団野「これからだと思うので楽しみ」
マテンロウバローズ 幹夫「これからに期待」
後はエンペラーズソードのサウスポー明良が「いずれチャンスがある」と前向きだったこと。ワンモアスマイルよりは明良の方が不気味さがあるかなあ。
ここまでは大体の雰囲気だが、実際に馬の強さの方もチェックしたい。
アンパドゥの新馬戦は時計こそ速くはないが、驚異的な切れで楽に突き抜けた勝利。2戦目の前走は1年2ヶ月ぶりの休み明けで22キロ増の馬体に関係なく快勝した。
2着に退けたダノンセンチュリーはなかなかの好素材であり、負かした相手を考えると評価せざるを得ないか。L3も11秒2→11秒0→10秒9の加速ラップを32秒4で差し切った。時計面でも一定の基準をクリアしており、普通に勝ち負け可能だろう。
懸念があるなら休養が長かったように体質面の不安だ。大事に使われてきたからこそ故障のリスクも考えなければならない。最悪、競走中止になっても返金しないJRAだけが儲かる理不尽さがあるからだ。
素材で見劣らないのは横山典弘のマテンロウバローズ。前走はトップハンデ56キロを背負っていたとはいえ、直線だけしか本気を出さない残念な位置取りが敗因。アイサンサンが52キロと恵まれたとはいえ、これは積極策を取った石川裕紀人と消極的だった典との差だった。
今回は1キロ増えるけど定量戦で他馬の多くが58キロ。本から背負い慣れている斤量だから気にしなくていい。前走でミスをしたからこそ典も考えて乗ってくれるはずである。
穴で狙いたい菅原明良エンペラーズソードだが、完璧に乗って1キロ重いマテンロウに捕まった。
同菌の57キロになるため、額面以上の逆転は期待薄でも展開の味方はありそう。
前走はメタルスピードが引っ張る展開を2番手につけたアイサンサンが残す46秒0-46秒0の綺麗なラップ。今回のメンバーは積極策を取る馬が不在のため、出し抜けるならこの手のタイプだ。ストレイトトーカーは休み明けが理由にならない負け方で評価しない。
となると不気味なのは天才クリスチャンが乗るコリカンチャの方。未勝利卒業に7戦も要した遅咲きだが、アロマティコ産駒で血統的な裏付けもある。そもそも期待していなければクリスチャンを乗せてこないだろう。お約束のノーザンファーム生産馬だ。
横の比較を取るために8月中京の芝マイル戦を抽出。レース映像を見ても楽勝でもなく、1分33秒7より速い決着が多数存在した。2歳未勝利より遅い時計では苦しそう。あくまで先を見据えた場合に楽しみがあるという意味と見たい。
当方は敬虔なクリスチャンのため、騎乗馬がいるだけでも押さえたい方だが、走るのは馬だから見送る。
一考の余地があるならまだワンモアスマイル。同時期の京都芝1600で2番目の好タイム。これだけだと物足りないが、ミニトランザットの1分33秒3を上回ったのは好感だ。
本馬はきさらぎ賞(G3)でも狙った逸材。母イチオクノホシが現役時代の頃も見ていた。
重賞3着2回を誇る相手を0秒6上回ったのは気になる。後はこのメンバー相手に足りるかどうか。【2.5.1.2】の成績を考えるとWIN5には向かない気もしてくる。全体点数を考えると3点くらいかなあ使えるの。
メンバーや騎手人気を考えれば、割と馬鹿にされそうなエンペラーズソードに旨味がある。前走ほどペースが流れないメンバーなら、思い切って逃げてみる手もありだ。東京の明良を買わない理由はない。
◎アンパドゥ
○マテンロウバローズ
▲エンペラーズソード











