ルメールだからと簡単ではない?「目から鱗」のお宝ネタがてんこ盛り【天皇賞秋の展望】

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ルメールだからと簡単ではない?「目から鱗」のお宝ネタがてんこ盛り【天皇賞秋の展望】

今年最もレベルの高いレースかもしれない

東京11R天皇賞・秋(G1)芝2000

アーバンシック   牡4 プーシャ 58
エコロヴァルツ   牡4 三浦皇成 58
クイーンズウォーク 牝4 川田将雅 56
コスモキュランダ  牡4 津村明秀 58
ジャスティンパレス 牡6 団野大成 58
シランケド     牝5 横山武史 56
セイウンハーデス  牡6 菅原明良 58
ソールオリエンス  牡5 丹内祐次 58
タスティエーラ   牡5 レーン  58
ブレイディヴェーグ 牝5 戸崎圭太 56
ホウオウビスケッツ 牡5 岩田康誠 58
マスカレードボール 牡3 ルメール 56
ミュージアムマイル 牡3 Cデム  56
メイショウタバル  牡4 武豊   58
ロードデルレイ   牡5 西村淳也 58

※フルゲート18頭

この秋最大の注目を集める天皇賞・秋(G1)。飛び抜けた実績の馬はいないものの、登録馬はG1馬が7頭という超豪華な顔触れが揃った。今年行われたG1でこれほどハイレベルの争いがあっただろうか。

一応、宝塚記念(G1)も6頭が出走していたが、激戦を制したのはG1初勝利のメイショウタバルだった。今回は受けて立つ立場での出走となりそうだ。精密なラップ刻みに定評のあるレジェンド武豊の華麗な手綱捌きに期待したい。

一昔前なら菊花賞(G1)と天皇賞・秋は別物の認識が強かったものの、近年は長距離軽視の傾向も相まって3歳馬の参戦に拍車が掛かった。それもかつてのような記念出走でもなく、勝ち負けを意識しての出走が増えている印象である。

近年の天皇賞・秋で馬券に絡んだ3歳馬

今年の3歳馬ミュージアムマイル、マスカレードボールは、古馬相手にどこまで通用するだろうか。

過去10年の結果

強い馬は強いと証明してきたのも天皇賞・秋の伝統と格。穴馬の激走はほぼ見当たらないに等しいといえる。

穴馬の激走があっても2着まで。馬券は3番人気以内の馬を軸に買うのがベターだろう。

某キチガイ掲示板の予想オッズを参考にすると、マスカレードボール、ミュージアムマイル、メイショウタバルの3頭が上位人気を争う想定となっている。この3頭すべてが馬券圏外に沈むシーンは想像しにくい。

マスカレードボール(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)

G1勝ちもないので1番人気にはならずに済むかなと考えていたが、残念ながらそうなりそうな雰囲気が色濃い感じ。

当方は姉のマスクトディーヴァどころか母母ビハインドザマスクまで推していた人間なので、本馬に関しては冷静な論評は出来ないと先に弁明しておく。穴党なのでディープインパクトはアンチだったが、切れを増すにはディープの血が必要不可欠ともいえる。

さらにエアグルーヴ信者としてドゥラメンテは大好きなのだから無理。ドゥラメンテ産駒のエネルジコが菊花賞を勝った翌週でルメールまで同じ。もう予想すらする気がなくなっている。

ただ、そんな馬にも紆余曲折があった。

なんつうか本当に期待されている馬を新潟の戸崎圭太で卸すのかという入り口からだ。良血馬とは言え、そこまで大きな期待を掛けられていなかったようにすら映る。こちらは某メディアで姉のデビュー戦で大物登場という記事を書いたし、弟も同じく書いていた。

だからこそ、上に行くためには「戸崎圭太では困る」というのが悩みの種だった訳。

アイビーS(L)で期待が確信へと替わり、クロワデュノールを負かすならこの馬しかいないとすら思っていたほど。ホープフルS(G1)で4番人気の評価に留まったのを見たときには、競馬民は分かっとらんなあと一人ニヤニヤしていたけどあの結果。なんか知らんけど返し馬からまともに走れる精神状態ではなかったことが後々、戸崎圭太の独白で判明した。

そんな経緯もあってか坂井瑠星に乗り替わった共同通信杯(G3)で輝きを取り戻して挑んだ皐月賞(G1)も大いに期待したのだが、幸か不幸か横山武史への乗り替わり。レースもスタートしてすぐ川田将雅エリキングにぶつけられる最悪の不利。再びガシマンに戻った東京優駿(G1)でリベンジを期すも天運味方せず。前残り馬場に急変した府中で外枠を引いてしまい、先に抜け出したクロワデュノールを捕まえることが出来なかった。

はい、ここまでがおさらい。

どちらかというとツキのなかった馬に転機が訪れたとしたら、この天皇賞・秋。ようやくルメールという最強助っ人と出会った。それはまさに三顧の礼で諸葛孔明を迎えた劉備玄徳のような水魚の交わりの如しだろう。

これで足りなかったパズルの最後の1ピースが見つかった。短期免許でダミアン君やクリスチャンといった曲者が来日するけども、騎乗馬の優先選択権はルメールが持っているはず。まずルメールが乗りたい馬から決まって、残りは外国人騎手と考えれば、初めて陣営が勝つ気で鞍上を用意したタイミングかもしれない。

菊と秋天はルメールを買え

おじさんはもう冷静さを欠いているのでおしまいです。

ミュージアムマイル(牡3、美浦・高橋大輔厩舎)

春二冠が終わった際、この世代の3歳牡馬はジオグリフ、ドウデュース、イクイノックスの再現に近いよねと話題になった。確かに朝日杯FS(G1)で負けたり前哨戦を取りこぼした経歴は、本馬とジオグリフで通じるものがある。

この馬が本物かどうかの試金石となったのはダービーだが、乗り方は特別悪くなかった割に6着。これまたジオグリフの7着と似たような結果。先輩は天皇賞・秋で5番人気9着に敗れているが、2代目候補はどうだろうか。

ジオグリフとの違いはセントライト記念(G2)をしっかりと勝ち、上り調子で出られること。ここをもし勝つようならジオグリフルートから外れる。

頼みの綱はやはりクリスチャンの存在。モレイラも凄いが個人的にクリスチャンが最強助っ人の認識に変わりはない。クリスチャンが乗るだけでノーマークの穴馬でも買わざるを得ないほど怖くなる。昨年のエリザベス女王杯(G1)でルメールのレガレイラを負かし、有馬記念(G1)でも不利とされる大外からシャフリヤールを連れてきた。いやマジですげえ。

しかし、そのクリスチャンにも弱点がない訳でもない。

C.デムーロのG1入着実績

人気でも穴でも持ってくる手腕はさすがだが、彼が特攻効果を見せるのは、さり気なく関西圏と中山が中心なのだ。

C.デムーロのG1騎乗成績(コース別)

最も騎乗機会の多い東京で未勝利の事実を知っていたファンはどれくらいいただろうか。そりゃまあ東京で勝ち負けするほどの馬に乗っていたかというと疑問は残るが、阪神や京都の手綱捌きと比較すると物足りなさは否定できない。

コーナーワークや進路取り、仕掛けのタイミングで他騎手の追随を許さないタイプだけに、単純に馬の力だけで勝負する東京でマジックが炸裂しにくいのではないかとも推察する。

少なくともこの舞台ならルメールにアドバンテージがあるといってよさそう。

メイショウタバル(牡4、栗東・石橋守厩舎)

切れるゴールドシップ産駒も稀に見掛けるが、本馬はいかにもという感じのタフな馬。3歳時から能力の一端を垣間見せていた馬ではあるものの、逃げ馬に浜中俊は「うなぎと梅干し」のようなもの。

馬場がハマればビックリするような巧さを見せる一方、彼のラップ感覚は常軌を逸している。もはや浜中俊自身が暴走王なのだ。

それを考えればラップ刻みの天才・武豊との出会いは、故・松本オーナーからの最後のプレゼント。あれほど美しいラップ刻みは、レジェンドにしか不可能に思える。当時の回顧記事でも絶賛しているので興味がある人はどうぞ。

宝塚記念

かといって、府中の芝2000mで同じ競馬ができるのかとなると疑問が湧く。宝塚の行われる阪神芝2200mは直線の短い内回りコース。しかも雨で渋った得意のコンディションという追い風も忘れてはならない。

そもそも本馬が注目を集めたきっかけも、3歳時に制した毎日杯(G3)だった。

毎日杯

同じ阪神コースで7番人気の宝塚記念。これに気付けていた人なら狙えるだけの根拠は十分にそろっていたということ。

勿論、天皇賞で好走するなら馬場の援護射撃は欲しい。改修後の京都と東京はバカみたいに水捌けもよく、土曜に少しくらい雨が降っても日曜が晴れならあっという間に良まで回復する。好走のカギを握るなら相手関係よりも天気と馬場かもしれない。

また、良でもパンサラッサが見せたようなハイラップの大逃げをするようなら怖い。けども、その時パンサラッサを差し切ったのは3歳馬のイクイノックスとルメールのコンビ。そう、あの馬も当時はまだG1未勝利だった。

シランケド(牝5、栗東・牧浦充徳厩舎)

デビュー戦は6番人気で9着と、名前の通りそんなん知らんけどだった。

当方は小倉の1勝クラスで魅せた鬼脚に惚れて紫苑S(G2)でも狙ったくらいだが、強行軍を考慮した陣営は回避を決断。その後も勝ったり負けたりを繰り返していたけれど、昨夏から今春の3連勝で完全に本格化。G1初挑戦のヴィクトリアマイル(G1)でも、ミルコが進路ミスをしていなければ勝てたような3着に好走した。

これはいよいよ本物かと期待した新潟記念(G3)も素質馬エネルジコ相手に差し切り勝ち。

新潟記念

このシランケドの勝利を高く評価していたからこそ、菊花賞のエネルジコに迷いなく◎を打てたわけだ。

シランケドを物差しにしたエネルジコの先週から、今週は菊花賞馬になったエネルジコを物差しに本馬の評価も相乗効果で上がる理屈。東京の芝2000mはベスト。後は鞍上次第といったところ。

まあ残念ながら、WIN5で迷いが吹っ切れたのもその鞍上。エフフォーリアとのコンビでコントレイルに格の違いを見せつけた実績は素晴らしいのだが、近年の武史は明らかに伸び悩んでいる。

WIN5対象レース芝条件

WIN5対象レース芝条件(コース別)

皐月賞のマスカレードボールに武史でも我慢したのは、中山だけは大の得意だったから。不調の騎手というのは、勝てなくなるから2着の数が1着よりも増える。

穴馬に乗る騎手ならともかく、武史は相変わらず馬質で優遇されている状況。とても褒められたものではない。馬は好きだから馬券の買い目に入れるつもりでも、1着となると不安の方が上回る。

ここを勝てるようなら復活があってもよさそうだが……。

タスティエーラ(牡5、美浦・堀宣行厩舎)

福永祐一被害馬の会のメンバーでもある。まあ面白いように外国人騎手でしか勝てないタイプの馬だ。史上最弱とまで言われた現5歳世代のダービー馬だが、皐月賞馬ソールオリエンスよりは存在感がある。

今回も堀先生のアナルを掘り捲ってるダミアン君がスタンバイ。過去3回騎乗して2勝3着1回と申し分のない成績を残した。

しかも待望のG1・2勝目は香港のクイーンエリザベス2世C(G1)というおまけつき。直行でも海外でも好走する安定感は評価したい。

懸念があるなら、キャリアで一度も最速上がりをマークしたことのない切れ不足。現在の東京はやたらと上がりが速くなっているので、勝ちパターンに持ち込んでもドウデュースのような馬には敵わない。

そもそも最弱世代がここで勝つのも番狂わせのイメージ。メイショウタバル同様に馬場が渋れば上方修正したい馬だ。

クイーンズウォーク(牝4、栗東・中内田充正厩舎)

エリキングに続いて注目の集まる川田将雅×中内田充正のコンビ。ダートも走るキズナ産駒らしく、ズブズブの金鯱賞(G2)で激走を演じた。

金鯱賞

武豊デシエルトが腰を抜かすようなハイペースで逃げ。離れた2番手から交わしたホウオウビスケッツで決まりかというところをハナ差交わしたのがこの馬だ。お手馬プログノーシスをあっさり捨てたのもドライな川田君らしい判断かもしれない。

ホウオウビスケッツは昨年の天皇賞・秋で前残りのクソスローを味方に3着。これを物差しにすると楽しみがある。

個人的に度肝を抜かされたのは、むしろヴィクトリアマイル。あのズブズブの金鯱賞を勝つような馬が、キレッキレのマイル戦で間に合う訳がないと軽視したら普通に突っ込んできたのだ。

ヴィクトリアマイル

そのお陰でおじさんが◎アスコリピチェーノから流した馬券も1345着と台無し。酷いことするよなあ(笑)。という訳でシランケドを評価するならクイーンズウォークもセット案件。長距離と違って川田割引もなくなる。

新潟記念の除外は脚元などの問題ではなく放馬によるもの。特に心配するほどでもない。

結論はもう出ているんだけどね(信用ならない)

各馬の紹介から既に「マスカレードボールとルメールしか勝たん」勢いで書き殴っているが、馬券的には割と面白そうな一戦だ。

時間に余裕があるなら別記事で書いてもいいくらいに思っていたけど、案外忙しくなりそうだから展望記事でポイントを強調しておく。

ミュージアムマイル=ジオグリフ説

割と現実味のある仮説に信憑性を加えるなら、クロワデュノールとマスカレードボールの関係にも触れておく必要があるだろう。

皐月賞

1着ジオグリフ、2着イクイノックス、3着ドウデュース
1着ミュージアムマイル、2着クロワデュノール、3着マスカレードボール

ダービー

1着ドウデュース、2着イクイノックス、7着ジオグリフ
1着クロワデュノール、2着マスカレードボール、6着ミュージアムマイル

ダービー馬が凱旋門賞挑戦

ドウデュース ニエル賞(G2)4着、凱旋門賞(G1)19着
クロワデュノール プランスドランジュ賞(G3)1着、凱旋門賞(G1)14着

秋天

皐月賞2着、ダービー2着のイクイノックスがG1初勝利
皐月賞3着、ダービー2着のマスカレードボールは?

※共通点としてルメールが間に合った。

ね?なんか色々とドラマがあって面白そうでしょ?

普通に予想するのも楽しいけど、こういった再現シーンに思いをはせるのも競馬の楽しみ方。でもって豊のメイショウタバルがパンサラッサの大逃げまで再現したら、マスカレードボールに勝ってくれとなる訳だ。

最後に極めつけのネタも用意しているよ。

WIN5東京芝2000

国内トップの馬質を誇るルメールだが、馬質だけじゃここまでは勝てない。先週も今週もルメールなんだよ。もうね、仕方ないね。長距離以上に圧倒的過ぎるよ。

※徹頭徹尾、ただのマスカレードボール推しが偏向報道級に希望と願望ありきの台本を書いている展望でした。