川田将雅「いい舞台ではない」横山武史「中山は合わない」北村友一「欠点がない」【皐月賞】
正直者たちが三者三様のコメント
16日、皐月賞(G1)に出走を予定している馬たちの追い切りが行われ、各陣営による共同会見の動画も上がった。
過去の無敗の皐月賞馬もクロワデュノールを後押し
最大の注目を集めるクロワデュノールについては、会見中に北村友一の表情も緩んでいたように順調そのもの。やはりホープフルS(G1)で負かした馬たちが、後の重賞で快勝したことにより、力関係でのアドバンテージを掴んだということだろう。
近年の皐月賞にホープフルSから無敗で直行した馬は、サートゥルナーリア(2019年)、コントレイル(2020年)の2頭が該当するが、いずれも難なく勝利した。エフフォーリア(2021年)、ソールオリエンス(2023年)、昨年のジャスティンミラノもローテーションは違えど皐月賞を無敗で勝利している。傾向的にもクロワデュノールの勝利に追い風となりそうだ。
共同会見でも北村友一から「不安はない」と自信満々のコメント。テンよし中よし終いよしの三拍子の揃った素質馬だけに鞍上の手腕を選ばないのもクロワデュノールの武器といえる。
これに対し、エリキング、マスカレードボールといったライバル陣営からは、川田将雅が「とてもいい舞台とは言えない」、横山武史が「中山は合わない」と慎重なコメントも出た。既にコメントの段階で分が悪そうである。
歯に衣を着せないコメントに定評のある両者だが、どこまで信じていいかは分からない。
エリキングには嫌な前例
エリキングは野路菊S(OP)、京都2歳S(G3)でジョバンニを破った馬。そのジョバンニがホープフルSで2着に入ったのだから、未対戦のクロワデュノールと勝負付けは終わっていない。質の違いこそあれ、本馬も3戦無敗で重賞を制している実力の持ち主だ。むしろ骨折で休養が長引いたため、ヴェールに包まれている分だけ不気味さを感じる。
懸念があるとすれば、ほぼ同じ臨戦過程だったマイラプソディーが、共同通信杯で敗戦後に別馬のような敗戦を繰り返してしまったケース。まさに期待半分不安半分といったところか。
マスカレードボールについても正直走ってみないと分からない。
横山武史を信じるか、馬を信じるか
確かにホープフルSで惨敗したものの、このときはまともに走れる精神状態じゃなかったということで戸崎からゲートに先入れリクエストがあってのもの。立て直した共同通信杯(G3)を楽勝して復調をアピールした。着差に物足りなさを感じたとはいえ、見た目以上に強かった。
武史が実際に追い切りに騎乗した感想のため、「中山は合わない」という見立てに一定の信頼性はあるが、手塚調教師は悲観していなかった。たった1回の敗戦も武史がレース映像を見ただけであり、鵜呑みにするのもどうかという疑問は残る。ただ、過去にもエフフォーリアやウインマリリンにダメ出しして、結果が伴わなかったこともあるので、信じるも信じないもあなた次第といわれればそれまでだ。
全体の感想としても北村友一が自信満々なところばかり伝わる共同会見だったかもしれない。