愛知杯「荒らした」北村友一はなぜハマった?人気裏切ったルメールにアクシデントか【WIN5結果分析】
はい、今週のWIN5も終わりましたねってことで、恒例のレース回顧と結果分析のコーナーです。そんなに盛り上がるレースもなかったため、ちゃちゃっとやっちまいしょう。
前半2つの対象レースを単勝1.6倍ジャスティンアース、単勝4.0倍アドマイヤマツリが勝っていずれも1番人気。ガチ勢としてはジャスティンアース次第かなと考えていたこともあり意気消沈。こりゃ大して配当つかねえなと思いつつ、こういうときって必ず罠を仕掛けているのがWIN5ってことも重々承知していた。
このパターンは、、、3つ目から突然荒れる奴だ。奴だ、奴が来たんだってね。
案の定、訳の分からなかった愛知杯(G3)で10番人気ワイドラトゥールが穴を開け、阪神大賞典(G2)で1番人気ショウナンラプンタ、千葉S(OP)で1番人気サンライズアムールが飛ぶというオチだった。
ねえ、見てくれよこれ、、、11連敗していた対象1レース目の1番人気の連敗がストップした途端に今度は3連勝。1番人気の連勝も昨年11月土曜のステイヤーズS(G2)の週以来となる出現さ。やだねえ、ホントやだよねえ。
対象3レース目が最も荒れるのはお約束だが、これといった傾向ももうひとつ決まっていない。この腹の探り合いがしんどいね。2025年の平均配当は1700万円(うちキャリー1回含む)です。
まあそんな話はこの辺にして具体的なレースの話に戻ろう。最初はまず大本命があっさり勝った阪神10R鳴門S(3勝)から。
阪神10R鳴門S(3勝)ダ1400
プラチナジュビリーが逃げ、これをホウオウスーペリアとメイショウヒューマが追い、断然人気のジャスティンアースはスタートを決めて4番手につける。初ダートだった前走は出遅れて後方からの競馬となったが、今回は優等生のポジション取りで負けたら力負け以外ない雰囲気だ。
好位にいた馬が一瞬ポジションを悪くしたのは、レース映像を見ると克駿が行きたがる馬をなだめて引っ張っていたみたい。ただそれはもう大した影響もなく直線入り口で余裕の手応え。上がり最速タイで2着ペプチドタイガーに2馬身差をつけて完勝だから強い。
本レースの予想記事でも触れたように、同じ昇級でもヒルノドゴールより価値のあった馬が勝ったのだから当然の結果だろう。この内容ならオープンに入っても勝ち負け可能ではないか。敗れはしたがヒルノドゴールも悪くない内容。これならクラス上位として次走でも期待できる。
見どころがあったとすれば初ダートで4着のホウオウスーペリア。中距離を走っていた馬が、いきなりの距離短縮で2番手につけるスピードを見せた。これなら次走で狙えるし、距離だって延びていい。菅原明良の度胸もよかったよね。
★コメント
1着ジャスティンアース 克駿
「ゲートに課題がある馬ですが、ゲート練習にも付き添っていました。スローになりそうだったので、ポジションを取りに行きたいと思った。勝ちに行く競馬で勝つことができた」2着ペプチドタイガー 望来
「上手く行きましたが、勝ち馬が強かったが暖かくなって状態が戻ってきた」3着フェルヴェンテ 瑠星
「勝ち馬は強かったです。メンバー次第でチャンスがあると思います」4着ヒルノドゴール 康誠
「内回りで動きたい時にモタモタとしてしまいました」5着ホウオウスーペリア 明良
「ダートの走りは良かったが、一息で走っていた。溜めがきけばもっと走れそう」
中山10RスピカS(3勝)芝1800
おそらくはスローの前残り。中山芝1800のWIN5でこれまで1勝しかしていない田辺が、1番人気アドマイヤマツリを飛ばすかどうかという見立てのレースだった。
出番のない石橋脩と大差のない大知が乗るコスモフリーゲンだが、重賞で好走しているキングズパレスと接戦していた実力は証明済み。今回は長期休養明けながら馬体重はプラス8キロと動ける体。期待通りに逃げてくれて、十分に波乱を予感できる騎乗をしてくれた。
だが、勝ったアドマイヤマツリは強い馬。前走にしても圭太が下手に乗っただけで馬は一番強かった。それでもこの条件で勝率2%にも満たないエスパー田辺なら、取りこぼす危険があると警戒せざるを得なかった。
そんなこちらの心配をよそに田辺は好発を決めて横綱相撲の番手キープ。これじゃもうどうしようもないなと覚悟した割にコスモもよく頑張ってくれたと思う。5F通過59秒8と平均くらいのラップだったが、後半は11秒台が最後まで続くサバイバル。マッチレースを演じた1着2着は他より一枚も二枚も上の競馬をしている。
その証拠に他の好位勢はペースが上がるとついて行けずに後退。後ろにいたストロングウィルやキュクヌスが差していた。5着デコラシオン、6着ホウオウラスカーズも展開に恵まれたクチ。不可解だったのはミッキーツインクルの中井君だ。
スタートで下げたはいいがポツンに近い最後方からの追走。しかも道中のラップ的に緩むタイミングもなく、マクって行くには不向きな流れを強引に外から上がっていく。直線はもちろん大外ぶん回しではどうしようもない。
特に気になったのは映像を見ると馬がブレてしょうがない。馬上でわちゃわちゃやってて、とにかくうるさいのだ。馬乗りに関してこちらは素人だが、これは技術が足りていないんじゃないかっていえそうな御し方。川田が乗っていれば勝ち負けできたかもねって走り。ちょっとこれ中井君は今後も買いたくないなあ。
内容としてはアドマイヤマツリとコスモフリーゲンだけ強く、他は展開で着順が入れ替わるレベルだろう。キュクヌスの前走はルメールが完璧に乗りこなしての3着だったし、アドマイヤがよほど下手を打たない限り、逆転は期待できない感じでもあった。
★コメント
1着アドマイヤマツリ 田辺
「今日はインコースの方も粘っている馬が多いですし、こなしてくれないかなと思い正攻法で行きました。直線を向いた時の手応えも良く、完勝だったと思います」2着コスモフリーゲン 柴田大知
「力はありますね。次はもっとさらに上がって来そうです」3着ストロングウィル 石橋
「前には行きませんでしたが、インにこだわってロスなく最後は伸びてくれました」4着キュクヌス 武史
「正直、逃げも考えたが、スタートが上手く決まりませんでした。スタートだけが悔やまれます」
中京11R愛知杯(G3)芝1400
昨年まで芝2000の牝馬限定ハンデG3だったのだが、今年からいきなり芝1400の別定G3に変更。建前はヴィクトリアマイル(G1)の前哨戦らしいのだが、中京って芝1600コースもあるよね。なんで1400mなの?バカなの?死ぬの?ってところである。
案の定、マイラーというよりスプリンターが大量に出走して、内枠に入って行けるだけ行くしかないテイエムスパーダが32秒7で逃げるバカみたいなハイペースで始まった。完全に終わった感のあるリバーラが2番手につけ、2頭揃って後ろからワンツー。後半3Fも36秒0の差し追込み決着となり、直線外から突き抜けたワイドラトゥールがゴボウ抜きで勝利した。
2番人気クランフォードは2走前に同舞台で1分19秒0のレコードをマークした馬だが、今回はまさかの15着に惨敗。レコードで勝ったときは超速馬場だったのに対し、今回は先週の傷みが残って時計を要するまま。いや、それにしても負け過ぎだねこれ。
3番人気で2着に入ったシングザットソングは、前売りで5-6番人気くらいだったのに急浮上。見せ場十分の走りで応えたものの、勝ち馬の末脚が別格だった。斎藤新はよく乗った方じゃないかな。1番人気3着のカピリナについては、圭太ちゃんがどうこうって訳じゃない。元々人気先行タイプでもあり、少なくとも馬券に絡んだのだから頑張った方だと思う。
個人的に気持ち悪さを感じたのは、勝った北村友一という騎手の扱い方かなあ。この子はいつもこれといって何かを考えながら乗る騎手ではないけど、下手に頭を使わないからこそ展開が向いたときにドハマりするタイプ。このレースにしても出負けして後ろにいたらハイペースがちょうどよかった訳だし、アホだからこそ運も持っている。
こういう競馬って一時期の北九州記念(G3)で毎回のように穴を出していた。短距離でハイペースになるときは何もしないでボケーっとしているくらいでちょうどいいってことかも。今回も腕で持ってきたって騎乗はしていない。
クロワデュノールも馬は強いけど、頭を使う展開になると脚を引っ張りそうな予感がする。
★コメント
1着ワイドラトゥール 北村友一
「ペースは速くなりそうで、そんなについていかなくてもいいと思ったが、出負けしてしまいました。それでも4コーナー手前から動かしていった時の反応が良く、末脚も持続しました。おとなしくて可愛い馬です」2着シングザットソング 斎藤新
「理想通りの展開で、枠なりに上手に立ち回れた。あとは結果だけでした。申し訳ないです」3着カピリナ 戸崎
「外から被されて、3・4コーナーで馬場の悪い所を通らされてバランスを崩してしまいました。距離は大丈夫でした」4着グランテスト 団野
「内容は良かったが、距離は長いかもしれません。ただ、今日の競馬が今後に生きてくると思います」6着スウィープフィート 永島まなみ
「以前より少しエンジンのかかりが遅かったのですが、やはり終いは凄く良い脚で伸びてくれました。次はもっと良くなってくると思います」
愛知杯がこれといって見どころのないレースだから重賞は阪神大賞典(G2)だけ別記事で回顧します。
中山11R千葉S(OP)ダ1200
阪神大賞典のショウナンラプンタは怪しそうだから、絞るならこっちかなと考えてサンライズアムール1点にしたのがここ。終わってみればどちらも飛んでどうしようもない。
中山のダート1200が毎回速いのは周知の通り。今回もステラフィオーレが前半3Fを33秒3で飛ばしてブービーに惨敗。大野拓弥らしい玉砕だった。
前後半も33秒3-36秒7(前傾3秒4)の激流となり、差し馬が台頭する展開。それでも直線5番手から突き抜けたボナンザ、3番手から2着に粘り込んだメズメライザーは強い競馬をしている。
穴で期待したジャスパーゴールドは自身の持ちタイムである1分10秒2から0秒2落として8着まで。松岡正海も積極策で健闘したが、やっぱりこの馬は和生でこそかなあ。ラップ的には14番人気で勝った前走も前半33秒3で同じだった。しかも今回は1キロ軽くなってたのにね。
勝ったボナンザは中山コースが初めて。適性の求められる特殊なコースでいきなり順応した。それもゴ三浦師匠を乗せてだから価値がある。ただ師匠も馬場読みやコース取りの難しい芝は下手糞でもダートは力通りに走らせる。外枠に入って苦手な馬群を捌く必要もなかったし、スイスイスイーっと上がって行ったらちょうどよかったってところか。
2着メズメライザーは昨年に大野君なんかを乗せても2着に来ていたから警戒していた。このコースは得意にしており、この馬はデータを検証していれば、12番人気でも難しさはなかったように思う。だって去年も2着に来てるし。
4着グッジョブは最高に展開が向いてこれなら力負け。ミルコも上手く乗ったとは思うが、オープン初戦でこれだけやれれば次もチャンスがありそう。
勿体なかったのは3着バトルクライかな。一樹君も上手く乗れてたんだけど、直線さあこれからというタイミングで武史ジュンウィンダムと巧也レッドゲイルの間を抜けようとした際、一瞬挟まれそうになって追い出しを待たされた。あそこがスムーズなら、もう少し際どかったかもしれない。
横の比較や持ちタイムで上だったはずのサンライズアムールは、ハイペースを3番手で追走したものの、勝負どころで下がって9着に凡走。ながつきS(OP)やカペラS(G3)の内容からしたら、このメンバー相手にこんな大敗する馬じゃないんだけど、らしさのない結果だった。
コメントによるとどうやらゲートで前扉にぶつかったらしい。知らんがなそんなん……いやマジで知らんがな(笑)。知るかボケ!
★コメント
1着ボナンザ 三浦皇成
「状態は良いと聞いていましたが、返し馬で想像以上に具合の良さが伝わってきました。終始良い競馬でした。3・4コーナーで勝負をかけにいったときの反応も良かったです。着差以上の強さでした。これからダートのスプリントで高みを目指していける馬だと思います」2着メズメライザー 北村宏司
「内がゴチャついて、すんなりと3番手が取れて、スムーズでした。後肢の踏ん張りにまだ甘いところがあり、そこはサポートしながらでしたが、直線で真っすぐになると良いフットワークでした。勝ち馬によく食い下がってくれて、一生懸命走っています」3着バトルクライ 菊沢一樹
「初めて乗りましたが、すごく良い馬です。狭くなるところはありましたが、最後はすごい脚を使ってくれました」9着サンライズアムール ルメール
「3番手でいい競馬はできましたが、ラスト50mで疲れてしまいました。ゲートで前扉にぶつかる場面があったので、その影響かもしれません」