武豊「ダービー再現」で悔い残る…津村明秀「実はG2初勝利」の毎日王冠【レース回顧】
新聞を信じていたら当たらない
東京11R毎日王冠(G2)芝1800
天皇賞・秋(G1)やマイルCS(G1)を視野に入れた馬たちが集う毎日王冠(G2)は、津村明秀の5番人気レーベンスティール(牡5、美浦・田中博康厩舎)が、粘り込みを図る岩田康誠の2番人気ホウオウビスケッツをゴール前で交わして勝利した。
1番人気に支持された武豊とサトノシャイニングのコンビは直線で伸びを欠いて3着に敗れ、3連単の払戻しは1万3250円だった。
史上最弱といわれた5歳世代の逆襲だ。
年長世代に歯が立たないどころか、下の4歳3歳が重賞で存在感を発揮する状況。トウカイテイオーの血を後世に残していくためにも、レーベンスティールにかかる期待は大きかった。
また、予想記事でも触れたように、かつて追い切り替わりの新潟大賞典(G3)を任されて惨敗しながら、一変したエプソムC(G3)はルメールに替えられた津村明秀の応援をする意味でも、勝って欲しかったレースである。
毎日王冠全パト
京都大賞典(G2)ほど騎手の巧拙が着順に直結していないため、レーベンスティールおめでとうくらいしかいうことのない結果ではあるが、やっぱりエプソムCの走りがえげつなかったもんなあ。
59キロを背負って楽に突き抜けたのだから、陣営に天皇賞もと色気が出たのも分かる話。昨年は見せ場なくドウデュースの8着に凡走したが、上り調子で出られそうな今年は楽しみがありそう。
まあいつも言っていますが、あーしはマスカレードボールが勝つと信じています(笑)。
そういう意味合いでもサトノシャイニングがどこまでやれるのかは気になった。怪しいよなあとレース前に話した通り、追い切りと同じくうるさいシーン。この馬は坂路の追い切りでもバカついてたでしょ?
案の定というかやっぱりというか、ほぼ東京優駿(G1)と同じ乗り方で同じ負け方。アドマイヤテラではなくこちらを選択した武豊の動向も東西で影響した結末とはいえ、少々先が暗い感じの負け方をしてしまったかもしれない。
マイペースの逃げを譲りたくないヤスもハナを主張して、武豊も2番手に控えるレース。ハナに立てればガス抜きできたかもしれないが、番手で折り合えないのは明らかな弱点ともいえる。今後も格下相手のレースでもなければ折り合いに苦しむのではないか。
見方を変えれば、開幕週の府中で1000m通過が58秒6のスローだったのだから、目先の勝利だけを狙うなら逃げる手もあったと思う。大先輩が譲らなければヤスだって引いたかもね。
マスカレードボール信者の当方からしても、サトノシャイニングがどこまで通用するかは興味があった。3歳牡馬はクロワデュノールとマスカレードボールが、ドウデュースとイクイノックス世代に似ていると考えているため、3番手以降の組は差があると思っている。
それでもベストのレース展開じゃなくても3着なら悪くなかったんじゃないかな。ただG1級かといわれると疑問が残るけどね。
2着ホウオウビスケッツは、この手の展開に恵まれるレースが大好物。基本的に前で競馬をするため、前残りの馬場は向く。向くのだが切れる脚がないから、どうしても瞬発力勝負で分が悪い。それがこの結果なのだ。
本物ではないけど本物っぽいレースをできるところが、この馬の魅力でもある。底力を要求されないレース展開になれば、今年の天皇賞でも出番があるかもね。
凡走したエルトンバローズ、チェルヴィニアに関しては、こちらも京都大賞典のドゥレッツァと同じく追い切りがパッとしなかった組。
にもかかわらず、好調時の動きが戻ってきたとか、完全復調とか言っている新聞は相変わらず嘘ばっかり。
そんな新聞を参考にして信じる競馬ファンも騙されるからオッズが変動するし荒れる。
かつて新聞社にいた自分がいうくらいだから間違いない(オイ
だってもう新聞なんか買ってないもんね。重賞なら調教も公開しているから自分で見ればいいし、余計なノイズに惑わされる方がマイナスだもの。少なくともドゥレッツァ、チェルヴィニアといったG1馬の動きはよく見えなかったし、エルトンバローズにしてもそう。
これに対してレーベンスティールはキレッキレだったし、どうして5番人気で買えたのか、いまだによくわかってないほどだ。
そりゃルメールじゃなく津村明秀の騎乗というのも影響したか。そういや去年のヴィクトリアマイル(G1)でG1初勝利を挙げた津村君だが、実はそれ以前に「G2を勝ったことがなかった」らしいよ。先にG1勝っちゃったもんね。マスクトディーヴァのモレイラがどん詰まりするラッキーがあったにせよさ。
WIN5の話は別記事でするけど、前回キャリーになった京成杯(G3)のときは、1頭だけ投票のなかったニシノエージェントで大穴を出してキャリーを演出。今回は残り15票でサトノシャイニング5票、レーベンスティール5票、その他5票という話。ヤスが勝ってれば仮に6億独り占めが出たとしても、残りの額が次週に持ち越しだった。
今回の津村はキャリーを阻止する側になっちゃったね。
とりあえず、おじさんはサトノシャイニングがこれくらい走るなら、これよりもっと強いマスカレードボールで足りると思えた毎日王冠でした。
ジョッキーコメント
1着レーベンスティール 津村明秀
「新潟大賞典で乗せていただいた時に結果を出せず、悔しい思いをしたので、今日は何とか結果を出したいという気持ちでした。これで重賞4勝目、やはり力があります。今日も良いメンバーを相手に勝ちましたし、G1の舞台でも活躍できそうです」
※損な役回りをさせられた津村に厩舎が借りを返した。
2着ホウオウビスケッツ 岩田康誠
「出負けしたのが痛かった。それでも去年よりリラックスしていて、ハミを噛むこともありませんでした。そのおかげで最後もバタッと止まりませんでした。札幌記念の結果が意外過ぎて、今日は半信半疑でしたが、やっぱり走りますね」
※直線の長いコースの方がペースが落ち着きやすい。札幌記念でガッカリしたのは同じ。それでも怖いなと思って残した。
3着サトノシャイニング 武豊
「力んでいました。道中折り合っていたら、もうひと伸びできたと思います。そのあたりが課題です。それでも、3歳の現時点でこれだけ走れましたし、これからが楽しみです」
※ダービーはホウオウアートマン、今回はホウオウビスケッツに邪魔された。ん?どっちもホウオウの馬か。。。行き切っていたらもう少しやれたとは思うが、先のことを考えると難しいね。
5着エルトンバローズ 西村淳也
「まだ本来のエルトンバローズではありませんが、着実に良くなる傾向にあります。次に期待したいです」
※パッとしない追い切りだった
7着チェルヴィニア 戸崎圭太
「良い感じで運べましたが、追ってからメリハリの無い走りで、こういう着順になってしまいました」
※どっかのTMはべた褒めして自信ありみたいに言ってたな
色んな事のあった今回だけど、毎日王冠だけは完璧に的中。こんなことならWIN5買わないで3連単にすればよかった。



