買いたい理由はルメールだけじゃない…想像を上回ったなら信じる菊花賞の予想【WIN5】
あれこれ悩まないでいく
京都11R菊花賞(G1)芝3000
フルゲート18頭で争われるクラシック最終章。長距離のレースになると人気の川田将雅を消せるので予想がいくらか楽になる。
1-2番人気想定の2頭でここまで両極端なら、データ理論派を自認する当方が迷う理由はない。
WIN5京都芝3000-3200(騎手)
騎手 着別度数 勝率
ルメール 7- 1- 2- 6/16 43.8% エネルジコ
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川田将雅 0- 0- 1-22/23 0.0% エリキング
※WIN5は2011年から。ビッグウィークの菊花賞は2010年。
2022以降WIN5芝3000以上(騎手)
騎手 着別度数 勝率
ルメール 4- 0- 0- 1/ 5 80.0% エネルジコ
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川田将雅 0- 2- 2- 5/ 9 0.0% エリキング
WIN5芝3000以上重賞(騎手)
騎手 着別度数 勝率
ルメール 9- 2- 2- 8/21 42.9% エネルジコ
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川田将雅 0- 3- 2-26/31 0.0% エリキング
長距離戦はパトーナーにいかに負荷を掛けないで乗れるかが重要。道中でリズムよく気分を損ねないようにする必要がある。
春天のゴールドシップを勝利に導いた横山典弘が、気難しい馬に「お願いします。走ってください」と下手に出たのも有名なエピソード。武豊やルメールなども含め、長距離の名手は人当たりが柔らかい人物のイメージが強い。
これに対して川田将雅は田原成貴氏が「鬼」と評するように、絶対的な主従関係を強いることによって勝ち星を量産するスタイル。かつては菊花賞(G1)を優勝したビッグウィーク、有馬記念(G1)で2着に入ったアドマイヤモナークなどもいるが、これらはいずれも馬優先の騎乗で好走したものだ。
逃げも追い込みも馬の気分を優先して乗れた結果であり、当時の川田君はまだ「馬>人」の力関係で乗っていたと推測する。
ただ、この頃から既に外国人騎手の黒船来航は顕著であり、仮に負けても仕方ないと思えるような位置で競馬をしてくれる彼らの評価も高かった。
これが日本人騎手の場合、交わされる競馬より届かなかった競馬の方が「惜しかったね」で済むケースも多いのだろう。だからこそ好発を決めても下げて後ろからの競馬が増える。
その反面、年々高速化を続けている馬場は前残りが顕著となり、後ろからの競馬では話にならない前残りも多発するようになってきた。こちらについては馬場造園課の弊害といえるのではないか。
つまり、そういう意味では川田君がやっている勝てる位置での競馬は効果的。出遅れたりよほどのことがなければ好位に取りつき、外野で見ていてもこれで負けたら仕方がないという説得力もある。
しかし、これは中距離までなら好走しても長距離では馬が疲れてしまう。人に例えれば仕事中にずっと小言を言われ続けるような感じかもしれない。
とまあ雑ではあるが、これが川田将雅長距離苦手説の推察となる。
ここまで各方面で言われているからには、本人の耳にも当然入ってくる。プライドの塊のような彼が、このままでいいとは思わないはずなのだ。
その一端を感じられたのは、今年のパートナーであるエリキングとの競馬。順調さを欠いた春二冠はタイトルに手が届かなかったものの、皐月賞(G1)はともかく東京優駿(G1)の騎乗は明らかに先を見据えた乗り方に移った。
差し馬場だった優駿牝馬(G1)の週から明らかに前残り馬場へと変化していたダービーウィーク。直線に入って14番手の後方から届く理由はない。そんなことは当の本人もとっくに気付いていたはずだが、どうにも自分より馬を優先していたように思えた。
「とても具合良く今日を迎えられました。直線でも素晴らしい伸びを見せてくれて、能力の高さを示してくれました。次につながるいいレースができたと思います」
エリキングの馬券を買っていた人間からすれば、「何言ってんだコイツ」くらいに腹立たしい騎乗をしていたはずだが、川田君のコメントからは満足感が大きい。
この伏線を回収したのが前走の神戸新聞杯(G2)。ひとつ前のムーンライトH(3勝)でシャイニングソードを使い捨てにしてまで予行演習を済ませていた。
「この馬だけ58キロを課されましたからね。明らかにハンデがおかしかったと思います」
ハンデキャッパーに責任転嫁していたが、これは川田の位置取りに問題がある。
この推測の裏付けとなったのが神戸新聞杯。まったく同じ位置取りと乗り方で勝ち切った。
「菊花賞のための準備をしてきました。春よりもひとつ体が成長している分、進み出してきましたが、次のことを考えてゆっくりとリズムを大事に競馬をしました。現状の造りでこれほど動けるのか、というぐらい動けています。あとは無事に次に向かえたらと思います」
こちらが届いたのは内回りと外回りで直線の長さが違うからだろう。それを跳ね返して勝ち切ったことに意味がある。
少なくともダービーと神戸新聞杯の競馬を見た感じ、今回の川田君は長距離で勝つための乗り方を試行錯誤していたのではないか。個人的にそう思えた。
だからといって「はいそうですか」とエリキングに本命を打つことはない。あくまでそう感じただけのことで確信まではいかないし、当方は川田将雅のことを好意的に見ていないからだ。
それでもルメールのエネルジコが弱い馬なら迷いもしただろう。
しかし、新潟記念(G3)の走りはこちらが思っていた以上に強かった。これがもしクロワデュノールやマスカレードボールならともかく、エリキング相手で予定が狂うほどでもない。
エネルジコについては、こちらの想定以上の走りをしたなら信じるのみ。
春の時点でそれなりに評価していた馬だが、新潟記念は怪しいと考えていた。それを覆したなら強いという判断でいいはず。
シランケドは秋天でも勝負になると考えているし、3着ディープモンスターは京都大賞典(G2)を勝った。3歳時に京都大賞典を勝つような馬(この場合は先着)はG1級の認識でいいことを考慮すれば、エネルジコの2着は評価できる。
予想記事でもダービー5着以内相当の成績が勝つための目安と話しており、勝てない理由があるならハンデが56キロで重くなるからとも説明した。実際にこの半馬身差はハンデが重くなった分と思えば相殺できる。長距離のルメールは武豊と変わらない信頼性がある。
ドゥラメンテ産駒にしてもタイトルホルダーが菊と春天を勝っているならいいだろう。
◎エネルジコ
※馬券ならエリキングも押さえたい。後は追い切りで気になったミラージュナイト、ライトトラックとトライアル上位入線組を入れておきたい。
ジョバンニ
ミラージュナイト
ショウヘイ
エリキング
ヤマニンブークリエ
ライトトラック
◎から6点







