高松宮記念にスプリンターズSと「決定的」な違い…ドバイワールドカップデーとの意外な関係

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高松宮記念にスプリンターズSと「決定的」な違い…無視できないドバイWCDの存在

今週末の日曜中京メインは上半期のスプリント王を決める高松宮記念(G1)が開催される。混沌としている短距離戦線だが、2023年のスプリンターズS(G1)を制したママコチャ、昨年の高松宮記念馬マッドクール、スプリンターズS馬ルガルといった過去の勝ち馬も参戦。これらにルメール起用で勝負駆けのナムラクレア、モレイラのサトノレーヴが上位を争う感じだ。

また、過去10年で1番人気の勝利がビッグアーサーのみというのも荒れる高松宮記念の特徴。前述した3頭にしてもママコチャ(3番人気)、マッドクール(6番人気)、ルガル(9番人気)と絶対王者として優勝した訳ではない。2年前は12番人気ファストフォースが激走して大波乱を演出したように「電撃の桶狭間合戦」の異名に相応しい舞台かもしれない。

ドバイワールドカップデーが高松宮記念に意外な影響

そんな今年の高松宮記念だが、同じスプリントG1でも昨年にルガルが優勝したスプリンターズSとは決定的に異なるワケがありそうだ。察しのいい読者は既にお気付きかと思うが、レース展開に多大な影響を及ぼしそうなのはドバイワールドカップデーの存在である。

・ドバイワールドC(G1・ダート2000)

ウィルソンテソーロ  (牡6、美浦・高木登厩舎)
ウシュバテソーロ   (牡8、美浦・高木登厩舎)
フォーエバーヤング  (牡4、栗東・矢作芳人厩舎)
ラムジェット     (牡4、栗東・佐々木晶三厩舎)

・ドバイシーマクラシック(G1・芝2410)

シンエンペラー    (牡4、栗東・矢作芳人厩舎)
ダノンデサイル    (牡4、栗東・安田翔伍厩舎)
チェルヴィニア    (牝4、美浦・木村哲也厩舎)
ドゥレッツァ     (牡、美浦・尾関知人厩舎)

・ドバイターフ(G1・芝1800)

ソウルラッシュ    (牡7、栗東・池江泰寿厩舎)
ブレイディヴェーグ  (牝5、美浦・宮田敬介厩舎)
メイショウタバル   (牡4、栗東・石橋守厩舎)
リバティアイランド  (牝5、栗東・中内田充正厩舎)

ん?ドバイ?ダートのワールドカップはともかく、シーマクラシックとターフにこれだけ出走すれば、国内が手薄になって当然。それは同時期に行われる大阪杯(G1)のメンバーがしょぼくなるってだけだろう。

招待なら遠征費用も抑えられ、海外G1制覇は箔もつく。賞金も国内のレースより高いのだから自然の成り行きである。それはそれで正しいし、個人的にも大阪杯のG1昇格は失敗だったと考えているが、今年の場合はそれだけではない。

だが、ここで注目したいのはアルクオーツスプリント(G1)だ。実はこのレースに高松宮記念から逃避行した馬が出走を予定しているのだ。

・アルクオーツスプリント(G1・芝1200)

ウインカーネリアン (牡8、美浦・鹿戸雄一厩舎)
ダノンマッキンリー (牡4、栗東・藤原英昭厩舎)
ピューロマジック  (牝4、栗東・安田翔伍厩舎)

先述した3つのレースは明らかに国内より賞金も高いのだが、アルクオーツスプリントの場合は、1着賞金87万米ドル(日本円で約1億3000万円)であり、高松宮記念の1億7000万円より安い。じゃあなぜかとなると、単純にこちらの方が勝算がありそうだからだろう。

ただ問題はこの中にピューロマジックがいることだ。昨年のセントウルS(G2)で惨敗した中京芝1200だけに合わないと判断した可能性もある。そして本馬が出走しないなら高松宮記念もおかしなハイペースとならないはずだ。

前進気勢の強過ぎる同馬は抑えが全く利かないため、とにかく行けるだけ行くタイプ。初重賞制覇の北九州記念(G3)で32秒3稍重、セントウルSで33秒6良、スプリンターズSで32秒1良、シルクロードS(G3)で33秒1稍重と暴走した。この手の馬が勝ち切るには超速八百長馬場が条件となる。そういう意味でも馬場の荒れ始めた今週末の中京は向かないと思う。

ウインカーネリアンは正直どちらでもいいと感じた。昨年の高松宮記念は前半34秒9重のスローペースだったにもかかわらず、鞍上の三浦がハナを奪わずに番手に控えるミス。その結果、スローの上がり勝負に持ち味を生かせなかった。こういうところが勝てる可能性を考えて乗らない騎手だなと。ピューロがいてくれた方が三浦も追い掛けるから脚を使い切れそうな気もする。

つまり、何が言いたいのかというと今年の高松宮記念は、昨年と同じくスローペースになる可能性が高そうだという話。出走予定のメンバーで逃げたことのある馬は以下。

こういうときに頼りになるのは、隙あらば逃げたい坂井瑠星。馬場が渋っても問題のないタイプだけに、ガシガシマンなら連覇も夢ではなさそうだ。

そういえば昨年のスプリンターズSなんであんなに負けたんだろうとコメントチェックしてみると、「ペースが速過ぎて追走に手一杯だった」らしい。それならピューロがいないのは大歓迎か。とりあえずは注目の1頭だね。