G2からハンデG3に格下げ…どの馬からでも狙えそうな府中牝馬Sの展望【WIN5】
抜けた馬不在の大混戦
東京11R府中牝馬S(G3)芝1800
アスコルティアーモ 荻野極
ウインエーデル 原優介
ウンブライル 未定
エリカヴィータ 北村宏司
カナテープ レーン
カニキュル 戸崎圭太
グランスラムアスク 未定
シングザットソング 菅原明良
セキトバイースト 浜中俊
タガノエルピーダ 団野大成
フィールシンパシー 横山琉人
ミアネーロ ディー
ラヴァンダ 岩田望来
ラヴェル 津村明秀※フルゲート18頭
2010年までG3だったのが、翌11年からG2に昇格し、17年からはアイルランドトロフィーの名前がついた。割と好きだったんだけどなアイルランドトロフィー。牝馬限定戦に替わっちゃってさ。
まあそれはともかくとして、今週末の特別登録で違和感ありありだったのが、しらさぎS(G3)と府中牝馬Sの関係。チェルヴィニアなんて牝馬だし東京得意だしG2だし、なんで府中牝馬じゃなくて謎の新設重賞にと思ったら、実は勝手が違っていたという話である。
秋の別定G2だったのが、6月のハンデG3になっていたのだから驚きを禁じ得ない。
今年はとにかく番組改編が革命的に多いのだ。それで土日の重賞が入れ替わったり、いつものタイミングにいつもの重賞がないみたいな振り回され方。JRAとしても何かしらの意図があるのだろうけど、データを取っているこっちとしては鬱陶しい限り。
開催時期まで10月から6月になったんじゃこれもう別のレース。頭をリセットして考えないといけないね。
カニキュル(牝4、美浦・菊沢隆徳厩舎)
2走前の2勝クラスはシヴァース相手に完敗したが、今年初戦の前走で好位から抜け出して3馬身差の大楽勝。東京コースは【3.1.1.0】と得意にしており、フローラS(G2)で3着の実績を考えれば格上挑戦も苦にしないだろう。
その反面、東京以外のコースは不安がある。狙うならここが最適の舞台かもしれない。
戸崎の圭太ちゃんも、こういうところは割としっかり仕事をするイメージがある。
セキトバイースト(牝4、栗東・四位洋文厩舎)
ハゲ散らかしていた馬だが、ハマったときの爆発力ならこの馬か。展開がハマったとしても昨秋のローズS(G2)でレガレイラに先着したのは胸が張れる。
特筆すべきは差し馬場の京都で後続を突き放して圧勝した前走の都大路S(L)。超速馬場だからこそラップを無視して行き切ってしまえば、後続の脚が溜まらずに差しが決まらない。その典型的な結果だったとはいえ、こういうところは浜中俊って感じ。
ダービーを勝てたロジャーバローズのときも、浜中のラップが壊れていたからこそ馬場を味方にできた。残念なのはこれを狙ってやっているわけではないことだ。馬場傾向を把握していれば選択肢として思いつくだろうが、浜中の場合はあくまで結果論に過ぎない。
ただ現在の東京は似たような馬場傾向のため、浜中俊が間違わなければ面白い。
ラヴェル(牡4、美浦・武井亮厩舎)
2歳のアルテミスS(G3)で川田将雅リバテイアイランドに土をつけたのがこの馬。その後は謎の凡走が続き、終わったのかと諦めた頃にエリザベス女王杯(G1)で激走。続くチャレンジC(G3)で優勝したなら、復活したのだろうと思わせておいてまた元に戻った。
どうにもつかみどころのない馬だが、今の津村を乗せてどうこうというのは期待しにくい。津村推しのため、いつもレースぶりをチェックしているのだが、最近の津村はまた乗れていない感じ。
ニシノエージェントでキャリーオーバーを演出した際には、大丈夫なのかなと思ったものの、やっぱり乗れてないよねここところ。G1初めて勝てちゃったから満足してしまったのだろうか。
当時の気迫がなくなった以上、津村だからこそ割り引く必要がありそう。
カナテープ(牝4、美浦・木村哲也厩舎)
前走の初音S(3勝)で長らく壁にぶつかっていた条件クラスを無事卒業。このレースでキングに実力の差を見せつけられたのがアドマイヤマツリに騎乗していた圭太ちゃん。この敗戦に言い訳できないのは、アドマイヤマツリがその後すんなり連勝して福島牝馬S(G3)まで勝ってしまったことだ。
そう、圭太ちゃんってのはそういう類の男なのだ。
今回も堀専属のダミアン君が騎乗予定。短期免許の申請期間が今月27日までのため、中央での騎乗は今週末がラスト。だったら最後の荒稼ぎに警戒しないといけない。
ミアネーロ(牝4、美浦・林徹厩舎)
津村とのコンビでいい線まで行っていたが、重賞になると人気先行で凡走。ドゥラメンテ産駒の割に東京適性も怪しい。
タイミング的にそろそろ人気が急落しそうだが、ここでディーが乗るのは面白い。
知名度の高い外国人騎手にばかり注目が集まる一方、地味に仕事をしているのがディーだ。宝塚記念(G1)でも冷静な手綱捌きでジャスティンパレスを3着に持ってきた。あれは馬がどうこうよりディーの騎乗が好走に繋がったと見ている。
見つかる前に騎手買いしてみるのも一興。
正直意味不明な格下げと開催時期の変更
エリザベス女王杯(G1)のステップとして機能するはずだった10月東京から、どこを目指していいのか分からない6月のハンデG3に替わったのは不可解である。
これでもうG1馬の参戦もないだろうし、エプソムC(G3)の下位互換ですらない。
だが馬券的な妙味のあるレースとしては機能しそう。割と何が勝っても驚けないレースだろう。