NHKマイルC攻略に欠かせない「トラップ」の把握…天皇賞・春でも分析ズバリ!【WIN5】
馬場造園課のトラップを見抜け!
東京11RNHKマイルC(G1)芝1600
京都の天皇賞・春(G1)が終了し、G1の舞台が東京に替わる今週末。宝塚記念(G1)が安田記念(G1)の翌週に前倒しとなったことにも驚かされたが、分かっていても毎年気になって仕方ないのが、東京ばかりで行われる怒涛のラッシュだ。
NHKマイルC、ヴィクトリアマイル、優駿牝馬、東京優駿、安田記念まで楽しいお競馬が5週連続で開催。人口や仕事が東京に集中しているといわれるが、お競馬の世界でも同様である。ちなみに数えてみると、東京が「8」、中山が「4」、京都と阪神が「5」、中京が「2」の内訳。同じ数の関西圏に比べて関東圏は明確に差別化されている。まあおじさんは有馬記念(G1)大好きだけどね。
そんな話はさておき、NHKマイルCの話をしようか。先週の春天(天春じゃねえぞ)は、入念にラップや馬場をチェックした結果、穴人気するサンライズアースやマイネルエンペラーが好走しにくい馬場という結論を引っ張れた。
鮫島克駿の話だけではなく、マイネルの丹内祐次の騎乗もマズかったという意見も目にしたが、丹内の方は悪くない判断だったと考えている。
そもそもこの日の京都は後ろから切れる脚のある馬が間に合う馬場だったのだから、強引なマクりを敢行した克駿と違い、切れる脚がないからこそ早めにセーフティリードを取る必要があったサンライズやマイネルの騎乗を責める理由はない。あれはあれで他にやりようがなかったように思う。
東京も京都も基本的に同じ傾向っぽい
で、京都が最優先だったことに変わりはないが、NHKマイルを見据えてチェックしていたのが土曜東京の京王杯スプリングC(G2)。こちらもレッドモンレーヴが間に合う馬場だと考えていたものの、切れる脚のあるトウシンマカオとママコチャが格上の意地を見せてワンツーだった。
この結果自体に違和感はないが、「造園課やべえな」と痛感したのは、勝ちタイムの1分18秒3(良)の方。公正競馬に陰を落とす彼らの所業には辟易しているが、クッション値は「9.2」でしかなかった。翌日曜もさり気なく「9.4」まで硬化していたのだから本当に嫌になる。
いやさあ、JRAレコードですら新潟の1分19秒0だったのよ?本当に何がしたいのか分からない連中だと思う。「9.2」でバカみたいな時計の出る馬場なら日曜京都で「10.6」なのは末期だね。こんなことばかりやってたら凱旋門賞(仏G1)なんて未来永劫勝てねえわ。
そんなわけで春天は京都の馬場を把握することに成功したからこその的中。当然ながら今週の東京も造園課が作る罠の把握が最重要のファクターとなる。なにしろ5週連続でG1があるのだ。そりゃチェックしないと勝てねえよ。
ではまず最初に馬場造園課が仕込みトラップの種類を確認しよう。簡単にまとめるとこんな具合である。
※馬場の荒れ具合は考えないものとする。
A:時計も速く差しが決まる
B:時計は遅く前も止まらない
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C:時計は速いが前も止まらない
D:時計も遅く差しが決まる
AとBは一般的な常識の範囲の馬場。ペースが速いと後ろの馬が有利になって前の馬の脚が鈍るし、ペースが遅いと前の馬が楽になって後ろの馬は脚を余す。普通の認識で予想をすればいい。
これに対し、厄介なのがCとDの馬場だ。勝ちタイムが速いにもかかわらず、前の馬がそのまま残って後ろの馬が届かない、または勝ちタイムが遅いにもかかわらず、楽をしているはずの逃げ先行馬が捕まってしまう。だから予想をしている側は頭が混乱することになる。
つまり、これじゃわけがわかんねえよって意味で当方はCのことを「超速うんこ馬場」と表現している。Dの場合もうんこ馬場に違いはないが、サラブレッドの脚元への負担を考えた場合、故障や競走中止のリスクが下がるため、超速うんこ馬場ほどの敵意はない。
これらの中で最もタチが悪いのは内前超速うんこ馬場だ。
バカみたいな時計が出る上に飛ばしている逃げ先行馬が止まらない。しかも内しか伸びないため、枠順が出た時点で外枠の馬は逃げ馬でもない限り凡走しやすくなる。勿論、馬場を把握する頭を持っている騎手はそれを見越して内へ潜り込む作戦を立てる。
イメージしやすくするために何例が挙げてみる。
この年は完全に内前超速うんこ馬場。抜けた存在のオルフェーヴルはともかく、ジェンティルドンナはは致命的な大外だった。もうこれを見た時点で無理だと思ったが、スタートしてヤスが出していって内を強引にキープした。池添オルフェも内へ入ったはいいものの、例のタックル問題で3歳牝馬に推し返される失態に繋がった。
この年はさらに顕著な超速うんこ馬場内前残り。外を回すとまったく届かない。後ろを気にしてダノンキングリーの圭太ちゃんがロジャーバローズを捕まえられなかった。4着サートゥルナーリアは出遅れて内枠のメリットが台無し。伸びない外から追い上げるのが精一杯だった。
この年は横山武史の判断ミスが致命傷となった。差しが決まる超速馬場とはいえエフフォーリアは、キレッキレのタイプでもない。内前馬場で絶好枠を引いていたにもかかわらず、勝負どころで下げたのが完全に仇。ロジャーバローズの乗り方をしていれば、セーフティリードを取れていただろう。極論を言えば、浜中なら勝っていたレースかもしれない。
当方の記憶の中でもキングオブキング超速うんこ馬場グランプリがこれ。
勝ちタイム1分31秒9だけでなく、切れる脚を使った馬が悉く轟沈。というか18頭中12頭が33秒台以下の上がり。完全に行ったままというか、少々飛ばしても前が止まらない馬場状態で行われた。
ちなみに翌年も1分31秒5でストレイトガールが連覇に成功しているが、今年は時計が速くても差しが決まる馬場だった。ストレイトガールが強かったのは十分証明されたが、ケイアイエレガントやミナレットの粘り込みは特殊な馬場状態抜きに語れない。いやほんとに酷いというか八百長馬場である。
ということでそろそろ本題に入ろう。今年の東京は現在どのような傾向なのか。
こちらは春のマイル条件を抽出したもの。時計は速いが差しも決まる。逃げ先行馬が苦戦して切れ味最優先ってところ。
ちなみに他の短中距離戦はこちら。
うん、そうだね。やっぱり切れる脚がないと差されるね。印象的だったのはカムニャックの勝ったフローラS(G2)かな。
石橋脩の騎乗が芸術的だったから記事にも採り上げたが、後ろからでも外からでも間に合う特殊な馬場。このレースだって前半59秒9と超スローながら差し馬が台頭している。
というわけで現在の東京の馬場傾向は、超速馬場ではあるが差しも決まる。つまり先述の分類分けで言えばAパターンに該当する。
つまり、持ちタイムが速く切れる脚を持っている馬が最優先ってところ。本記事の最初の画像でタイム順と上がりの一覧を掲載しているので参考にして欲しい。アドマイヤズームの本命を疑問視している一因でもある。
馬場を完璧に読み切れたことが的中に繋がった天皇賞・春だったが、東京も同じパターンで攻略できそうな感じ。最も危険な超速うんこ内前馬場の登場は、おそらくダービーのタイミングかな。皐月賞(G1)でCコース開催を敢行したように、馬場造園課は注目度や格式の高いレースで以上に高速馬場を作るからだ。