WIN5「2200万円」の立役者に共通点…勝てる騎手と勝てない騎手の差とはアレだよねえ
各レースの展開に共通点あり
小倉10R西部スポニチ賞(2勝)芝2000
先手を取った亀田温心の8番人気アロマデローサがナイトスラッガー、ラビットアイの猛追を凌ぎ切ってハナ差の僅差勝ち。ハナを主張したい馬もおらずタケトンボも2番手でスンナリ。1000m通過62秒2のスローペースも追い風となった。
ペースに関係なく追い込み一手に賭けていたナイトスラッガーはともかく、好位からの競馬でのんびりしていた組は騎手の判断がマズい。完敗したタケトンボは仕方ないにしても、3番手4番手にいたラビットアイの松山弘平、ファミリーツリーの北村友一は後手に回ったか。
上がり35秒5でも残し切れたのは亀田君の積極策があってこそ。これは完全に騎手が勝たせた勝利だろう。5F前後半は62秒2-59秒1(前傾3秒1)なのだから実質クソスローといっていい。馬や騎手の腕が足りなくても逃げてしまえば展開がハマる。
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1着アロマデローサ 亀田温心
「距離が延びても大丈夫でした。後続馬もじっとしていて楽に行く事が出来ました。後ろの馬に並ばれないよう、早めに踏んでいきました」2着ナイトスラッガー 川田将雅
「ゴールまで気持ちが持つようレースを組み立てていきました。最後も全力で頑張ってくれました」3着ラビットアイ 松山弘平
「スタート五分に出て、リズム良く流れに乗る事が出来ました。ただ、勝ち馬がしぶとかったですね。先にこちらが止まってしまいました」4着ファミリーツリー 北村友一
「スムーズなレースが出来ました。直線を向いて一瞬、脚を使ってくれましたが、良い脚が持続出来ませんでした。流れ一つ、展開一つだと思います」
※脚が止まってしまいましたと無責任なことを言っているが、それは仕掛けるタイミングが悪かっただけのこと。
それより驚かされたのはキンシャサノキセキ産駒だったこと。これまでWIN5の芝2000mに使われたケースもごくわずかの上、ガロアクリークですら歴史的な快挙だった。展開がハマったとはいえ、データ派には拾いようがない。
福島10R天の川S(3勝)ダ1700
小倉10Rに続いて福島10Rでも穴馬が逃げ切り勝ち。
しかし、こちらはクソスローの小倉とは異なり、前後半3F35秒7-38秒1(前傾2秒4)のハイラップである。これはもう勝ったノーブルゲイルを褒めるしかない。
鞍上の巧也は思い切りのいい穴騎手だが、穴を出す一方で2着止まりの多い騎手。今回はしっかりと勝ち切れたのは価値がある。それもこれも逃げに拘り切ったのが好判断。実際、これまでハナを切ったこともなく今回が初の逃げ。逃げれば何とかなるというのが現在のうんこ競馬だ。やることをやった騎手が結果を出した。
その一方で本馬が12番人気だった点は少々意外。勝率にしても33.3%でメンバー中3位の期待値だったからだ。とはいえ、ずっと短距離ばかりを使われていた馬だけに前走11番人気13着からの臨戦ではやむなしか。
1400mを勝てる馬はローカルの1700で何とかなってしまうケースもある。中距離をこなすロージズインメイ産駒という意味では、そもそも陣営の選択が距離適性を間違えていた可能性まであるか。近親は中距離馬ばかりだもんな。
当方の狙いはゴールドアローン。割と自信を持って狙ったものの、3/4馬身差の2着に惜敗。テリフィックプランが人気を被るだろうから、3番人気4番人気くらいでも妙味はあると読んでの作戦。ところがどっこい、まさかの12番人気ではお手上げだ。
1.8倍の断然人気に推されたテリフィックプランは、別に戸崎圭太が下手に乗ったわkでもない。3番手の好位から後続に交わされたのでは力不足だったといっていい。東京のダート1600mをこなしているから苦にしないと考えたのだが、前掛かりのラップを出していきながらの競馬は合わない感じ。夏競馬向きではなさそう。
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1着ノーブルゲイル 木幡巧也
「気性の難しいところがあって、揉ままれると良くないので、逃げようと思いました。自分のペースでリズム良く行けたのが大きかったです」2着ゴールドアローン 菊沢一樹
「馬の調子が良くて、1700mにも上手に対応していました。もう少しでした」3着メイショウシナノ 田辺裕信
「流れが向きましたし、ラストに良い脚を使ってくれました」4着テリフィックプラン 戸崎圭太
「思い通りの競馬はできましたが、ラストは伸びきれませんでした」5着フラッパールック 丸山元気
「初めて騎乗しましたが、やめるような感じはありませんでした。ただ、直線で、力が上に抜けるような感じなので、それが前に出てくれればいいのですが」
函館11R巴賞(OP)芝1800
ラップの分からない浜中俊が安定と安心のバカ逃げ。もしかして少しは考えているのかと1ミリくらい思っていたがどうしようもない。ガチのマジで頭使ってなさそう。
これと競り合った武史も函館リーディングどうこうじゃない。共倒れの2頭が作った1000m通過57秒4の激流も離れた3番手にいたケイアイセナにはもってこいの展開。実質淀みのない逃げをしているのと変わりなくラストまで残し切った。
もうね、ラップからして笑えるのよ。L4の個別が11秒9-12秒4-11秒5-11秒6だもの。セットアップが垂れたタイミングで緩み、そこからケイアイセナが上がって行って4角先頭。コントラポストも34秒3の上がりを駆使したが、勝ち馬も34秒7なら止まらない。これでは和生を責めたら可哀想だ。武史より、よほどしっかりと乗れている。
実力拮抗の2頭が後続を離して3着ソリダリティに3馬身半の決定的な着差をつけた。予想記事でも触れたようにケイアイセナの実力に申し分なし。負かすならこれと2点のチョイスも成功した。
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1着ケイアイセナ 藤岡佑介
「ハナに行ってほしいと言われていましたが、2頭が飛ばして、行かなくても良い形になりました。3コーナーで仕掛けた時、手応えが抜群だったので、これなら行けると思いました。思ったより詰め寄られましたが、完勝でした」2着コントラポスト 横山和生
「競馬は上手く行きましたが、馬場の傾向が相手に向きました」3着ソリダリティ 佐々木大輔
「格上挑戦でよく頑張っています。これなら3勝クラスを勝てると思います。洋芝はすごく合います」4着マイネルブリックス 丹内祐次
「格上挑戦でしたし、高速馬場の中、よく頑張っています」
小倉11R阿蘇S(OP)ダ1700
福島のダートが止まらないことはこれまでの傾向で把握していたし、小倉のダートは差しが決まることも見極められていた。だからこそのローズスター的中である。むしろこの馬場でクビ差2着に残したジャスパーロブストは相当強い競馬をしているかもしれない。
ラップは前後半3F36秒0-38秒1でみんなバタバタ。3-4角でマクリ気味に上がる馬にとって絶好の流れだっただろう。
だが、ここで褒めるべきは団野大成の手腕だ。まだ若手ながらG1勝ちを決めたように度胸があるタイプ。何がどう違うのかって、そりゃあ叱られない競馬をしないこと。着拾いではなく、あくまで1着を狙る騎乗をしているのだ。
予想記事で説明した通り、前が残りにくい小倉のダートで先行するモズミギカタアガリは勝ちを意識する。ジャスパーロブスト他行きたい馬も多数。それなら展開の恩恵を得られるのは差し追込み型だよね。両馬で迷ったのを攻めきれたのはこれが理由だった。同じ末脚勝負でも藤懸とは違うもの。
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1着ローズスター 団野大成
「久々の1700mでしたが元々この距離は結果を出していました。今日は思った以上のパフォーマンスでした。道中も馬が楽に上がって行ってくれました。コース形態など、いろいろはまっていいレースだったと思います」2着ジャスパーロブスト 松山弘平
「スタート良く良い形で競馬ができました。昇級初戦でしたが、よく頑張ってくれました。勝ち馬はオープンでも2着にきている馬で、そこに差のないレースをしてくれましたから」3着アイファーテイオー 藤懸貴志
「1700mはベストと思っていたので、リズムを大切にする競馬。馬の状態も良く頑張ってくれていると思います」5着ロコポルティ 酒井学
「もっと流れると思っていたが流れず、向正面から外に切り替えました。勝ち馬の後ろにつけました。久々もあってか最後は同じ脚色になりましたが、次につながる競馬はできました」
本日のWIN5
8番人気→12番人気の勝利で、すわキャリーオーバーかと沸いたが、2番人気ケイアイセナの勝利で意気消沈。その後も大きな波乱もなく2200万円で落ち着いた。
夏競馬が始まって先週のような堅い決着もありつつ、二桁人気の勝利も5回中4回出ている。上位人気で無難に数十万というのは避けてもいいか。対象5レースでどこかしらに罠が潜んでいる感じ。
おじさんの買い目
結果的にWIN2ではあるが、ハズレた3つはすべて2着。WINじゃなくSECOND5なら的中だったねえ(笑)。重賞で別記事にしたけど七夕賞(G3)も逃げ切り。1レース目、2レース目、3レース目、5レース目と強気に乗った騎手たちに勝利の女神が微笑んだ。
同じダートでも小倉の1700は差しが決まり、福島は前が残る。ローカルの1700くらいなら1200や1400の馬でも足りるケースもあるし、スピードがある分、前々で粘り込みに期待ができる。
そして、勝てる騎手と勝てない騎手の違いは決断ができるかどうか。やっぱりダメな奴はいつもダメ。秋競馬と夏競馬の違いも分かりやすかったか。










