「大満足」川田将雅と馬に助けられたルメール…ヴィクトリアマイルで痛恨ミスしたデムーロの後悔

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「大満足」川田将雅と馬に助けられたルメール…ヴィクトリアマイルで痛恨ミスしたデムーロの後悔

もっと楽に勝てたのでは?

東京11Rヴィクトリアマイル(G1)芝1600

18日、東京競馬場で開催されたヴィクトリアマイル(G1)は、1番人気に応えたC.ルメールとアスコリピチェーノのコンビがゴール前の接戦を抜け出して優勝。今年まだ本調子になかった鞍上のルメールもようやく今年初のG1勝利を決めた。

2着にクビ差で4番人気クイーンズウォーク、3着に7番人気シランケドが入った3連単の払戻は2万6000円とまずまずの配当。1番人気馬が含まれている3連複で8120円ついたのだから、2着3着は割と狙いにくかったのかもしれない。

レース後に「1番人気、外枠、この馬場でどういった競馬ができるか心配していた」と振り返ったルメールだが、道中は17頭立ての15番手と絶望的な後方からの競馬となった。

これには本人も「スタートがあまり良くなくて、スピードに乗れず、少し忙しかった」「追ってから加速していますが、手前を何回も替えて、トップスピードになるまで時間がかかりました」と苦労した様子だ。まさしく「それでもメンタルが強く、最後までよく頑張ってくれた。G1を勝てて良かった」という言葉通りに受け取っていいだろう。

しかし、レースを見ていて気になったのは、アスコリピチェーノがここまで極端に後ろからの競馬をしたことがなかった点である。そもそもダイワメジャー産駒というのは、全般的にスピードを生かした先行策から粘り切る辛抱強さが特徴。負けるときは大抵、切れる脚の馬に瞬発力勝負で後れを取るイメージが強かった。

ところがデビュー当初から33秒台を連発するアスコリピチェーノの走りは、一般的なイメージと真逆であり、しかも現在の差しが決まる東京で文句なしにマッチするのだから競馬はわからない。

少し話は脱線するが、参考までにダイワメジャー産駒の活躍馬で上位の顔ぶれを紹介する。これらは大抵が逃げ先行タイプであり、鋭い末脚が目立つのは近年のセリフォス、アスコリピチェーノくらい。晩年の産駒で突然自身と真逆のタイプの産駒を出したのだから、これを生命の神秘と言わず、どう表現していいものか分からない。まあそういうことなんだろうけど。

ではそろそろレースの話に切り替えよう。以下は全パト。

先述したようにスタートのあまりよくなかったアスコリピチェーノは後方待機。大外から逃げたアリスヴェリテが前半3Fを33秒9のラップで飛ばす。見た目は速そうに映るが、1頭だけ後ろを離した逃げであり、2番手以降のタイムは平均か遅いくらいだったのではないか。この手の展開はパンサラッサさんがよくやっていたのと同じ。

結果的に直線12番手のクイーンズウォークが2着、17番手シランケドが3着、ゴール前で抜けたのが15番手アスコリピチェーノだった訳だが、三者三様の仕掛けと進路取りが印象に残った。

馬乗り素人なことは前提として、イチ競馬評論家目線で推察する。

まず、ルメールだが道中は決してスムーズではない。直線でも一度クイーンズウォークの内に突っ込もうとして諦めているシーンがあった。それならと外に出してギアがトップに入ったようだが、独断と偏見を承知で感想を話すと、完全に馬の力におんぶにだっこの内容。これは当サイトで「マイルのルメールはあまり信用できない」とちょくちょく指摘しているのと合致する。

あの末脚はルメールが引き出したというよりも馬が強かったから帳消しにしてくれたという印象の方が強い。アーモンドアイやグランアレグリアでも東京のマイル戦で取りこぼすのがルメールって感じ。しかしそれを関係なしに勝ったアスコリピチェーノは、この時点で相当な名牝といえる。

「見事だな! しかし小僧、自分の力で勝ったのではないぞ!アスコリピチェーノさんのおかげだということを忘れるな!」

ただ、ルメールの騎乗を好意的に擁護すると、割と邪魔をしてくる(去年のNHKマイルCは特に陰湿)川田の視界に入らないところから競馬を意図的にやっていた可能性も僅かながらありそう。枠順が出た際、当方が川田の隣だけはやめて欲しかったと嘆いた理由もそれだ。

クイーンズウォーク号の騎手川田将雅は、最後の直線コースで内側に斜行したことについて過怠金30,000円。(被害馬:3番)

※自分は鬼の形相でユーイチ!とかいう他人に厳しいのが嫌なところ

クイーンズウォークの場合は川田将雅が「素晴らしい具合で競馬に臨み、1600でも対応してくれました。素晴らしい内容」と絶賛していたように、120%の力を出し切っての敗戦。先週のNHkマイルC(G1)は、1番人気アドマイヤズームに騎乗していたこともあり、前々を意識し過ぎた結果の凡走をしていたが、今回はそれよりも気楽な4番人気の立場だったのも大きかったはず。

ハイペースの激流を強気に追い掛けて凡走した先週と違い、今回は腹を決めた後方からの競馬。距離短縮の関係でポジションがいつもより一列二列後ろになったのは想定の範囲内だっただろう。それでもルメールよりはワンテンポ先に仕掛けて、直線でも結果的に進路の邪魔をしているあたりはとんだクセモノだ。

レース映像を見直した際、思わず唸り声を上げたのが3着シランケド。この馬負けはしたけど負けてないと思いたくなる走りである。直線半ばで完全に前が塞がって追い出しのタイミングが遅れてしまっていた。

直線17番手のような極端な競馬をするなら、いっそのこと大外に思い切って出した方が突き抜けれた可能性もある。馬群を捌く競馬は向かないだろう。

デムーロのコメントを確認すると、「馬込みは良くない。ポジションを取りにいきましたが、馬場の重い所で脚を使いたくなかったので、あの位置でじっとしていた。その後もスムーズに運ぶ事が出来ず、上手く競馬が出来ませんでした」とのこと。まさしく当方の感じた通りの言葉が残されていたのだから尚更だ。

やることをやり切って満足している川田将雅と不完全燃焼で勝てたかもしれないレースを取り逃がしたミルコの温度差が際立った。

また、レース結果としては上がりで33秒台をマークしたのも上位3頭のみ。4着アルジーヌは川田の斜行で被害に遭ったものの、結果的にこの3頭の力が抜けていたように思える。

それでは他の馬についても少し触れよう。

4着アルジーヌはダミアン君が綺麗に乗っていたが、川田に斜行された分のアタマ差ってところ。割と凄いと思ったのはDV野郎の謙ちゃんだ。

本人曰く「大外枠だったので、内から抵抗されたら控えるつもりだったが、行く馬が全然いなかったので、無理せず先手を取れた。あとはこの馬の長く脚を使う特徴を生かして、じわじわと使えるように出来れば」と多少ペースが上がっても後続の脚を使わせる作戦を採用している。

正直、現在差し馬天国になっている東京で切れる脚を持たない馬には地獄。それでも、「だったら取れるだけリードを確保しつつ、中距離馬の分だけ他馬より上回るスタミナで残す」という明確な意図が伝わる騎乗である。これが新潟の馬場なら、もっと惜しかっただけに、池添謙一の存在感は十分に刻まれたと思う。

あと、不可解な惨敗を喫した8着ステレンボッシュと16着ボンドガールについても少々。まずステレンボッシュだが、圭太ちゃんの騎乗はお手本通りで非の打ちようがない。大阪杯(G1)の凡走は意味不明だったため、復活するならここだろうとイメージした割にいいところなし。これはもうエピファ産駒にありがちな燃え尽き症候群の疑惑もある。少なくともこの騎乗で圭太ちゃんにどうこう言うつもりはない。

ボンドガールの大敗についてはレース映像を見直して割とスッキリした。差しに脚質転換して少しはマシになったのかと思いきや、またまた前進気勢の強さが表面化している。もうね、ずっと掛かり通しで豊さんも折り合いつけられていない。故障でなさそうなのは幸いだが、古馬になってもこれでは先が思いやられる。ここまで悪化するともうスプリント路線しか選択肢はなさそう。

別件で残念だったのがラヴェルの津村明秀。この馬こそ一発を狙うなら最後方から大外一気みたいに思い切ったレースをする必要があると考えていたのだが、ハンパに出していって馬が行きたがる最悪の事態。津村は好きな騎手なんだけど創意工夫が足りていない。川田君は嫌いだけど工夫して乗ってたよね。

一応、予想の方は先週の登録段階からアスコリピチェーノで断然ってTwitterでも話していたから予告通りの的中を1点で済ませれたのは留飲を下げた。実際にラストは1点で勝負もした。

それでも推しているシランケドが追い切りよかったのも含めて馬券で狙って外れたのは痛恨。なぜかって?そりゃ大嫌いな川田を消して買ったからに過ぎない(笑)。どうせ安いんだろと酸っぱいブドウの心境だったのだが、思っていたより配当がついてて後悔した。

あ、最後に池添みたいな競馬をしていればワンチャンと期待したクリスマスパレードの石川裕紀人にはなかなかがっかりさせられた。スタートはあまりよくなかったにせよ、あの程度なら主張すればハナに立てた気がする。

この馬は秋の中山みたいな超速うんこ馬場を得意にしている以上、差し馬場の東京で控えては持ち味が全く生きない。何を考えて乗っているんだろうかと疑問しかのこらなかった。

今週の反省

どうせ堅いだろうと想定していた京都10Rと新潟11Rを不安になって広げて結局堅かった。東京10Rはマジで何がどうなのか予想すら難しかった。

京都11Rはコンティノアールを6番手にしたものの、印をつけた3頭のどれかが勝つ可能性が高いと考えて失敗。前が残る傾向を把握しながら、あそこまで超スローになるのは予想外。それでも大虐殺のあったここをノーマークにしなかっただけにしんどい。

かといってオウギノカナメは、なんでこんな馬が人気してるんだと最後まで思っていた。そう考えると結果論であーだこーだ愚痴っている現実に気付かされる。

でもなあ、378万円なあ。買い方のセンスがなさ過ぎて死ねるなあ。

という訳でまた来週ですみなさん。

くれぐれも馬場造園課のカラクリ馬場に騙されないようにしましょう(これテストに出ます)