「舐められ過ぎて」草生える…ナグルファルより実力優先!中山11R弥生賞の予想【WIN5】
5つある対象レースを予想する場合、やはり大きなレースのある最終関門から逆算することが定番である。
今回は弥生賞(G2)となるわけだが、どうにもスッキリしない。古の競馬人として引っ掛かっていた理由は、どうやら重賞勝ち馬のいない弥生賞は、「29年ぶり」らしいのだ。あーなるほど、それで異常事態とか言われていたのね。
こちらについても週中の記事で例年よりレベルが低いかもしれないと触れていたが、個人的にも少し納得がいった。おそらく無敗馬がよほど圧倒的なパフォーマンスでも演じない限り、クラシックで用があるようにも思えない。
という前提で本題の予想に入る。
各馬の力関係や対戦比較などについては前述の記事内で振り返っているものの、上位人気想定ではないため、あえて扱わなかった馬がいる。それがホープフルS(G1)で3着に入ったファウストラーゼン。
正直、弥生賞の精査をするまでは、わけわからん大穴が3着に迷い込んだだけくらいにしか考えていなかった。しかし、レース映像や道中のラップを入念にチェックしてみたところ、これは盲点だなと思える内容だったのだ。
レースは逃げたジュンアサヒソラが1000m通過61秒4のスローにまんまと持ち込んだ。はずだった……、にもかかわらず3-4コーナーでマクりをかけたファウストラーゼンを牽制するため、先頭を譲るものかと加速してロングスパート。これで逃げ先行馬は相当厳しい展開になった。
道中で動かなかったクロワデュノール、ジョバンニは勝負どころで進出してワンツー。ここまでは実力をしっかりと発揮した内容。3着ジュタなんかは完全に力負けだっただろう。
そう考えたとき、あんな無茶苦茶なレースをしてあわやのシーンを作ったファウストラーゼンはタダモノではない。
そもそも鞍上の杉原誠人は、なぜあんな極端な玉砕を決断したのか。それはスタートで受けた致命的な不利に理由がある。こちらのパトロール映像を見ても一目瞭然だ。
スタートしてすぐ両隣から挟まれて馬も頭を上げて後方まで下がっている。これで審議のランプすら灯らないのだからJRAに公正競馬もクソもない。もし仮に乗っていたのが川田なら、加害騎手を呼び出して説教していたに違いない。馬券を買っていたら発狂レベルだよこんなの。
その結果、怒りの強襲マクりを敢行した訳だが、道中のラップも確認する。
12.6-11.1-12.3-12.7-12.7-12.0-11.6-11.7-11.9-11.9
1ハロンごとのラップがこれで前後半5Fは、61秒4-59秒1(後傾2秒3)
このラップは先頭の馬が刻んだものであり、L1の11秒9までがジュンアサヒソラとファウストラーゼンがマークしたものだ。
ご覧の通り、L5からラップが一気に上がってロングスパート。こんな展開で3着まで残しているのだから、ファウストラーゼンはどえらい競馬をしていたことになる。普通の馬ならスタート直後の不利でとっくに心が折れていただろう。
レース後のコメントで杉原は、「追い切りに乗せてもらってチャンスはあると思っていた。スタート後に不利を受けて後ろになってしまい、ペースも遅かったので思い切って動いた。力がありますし、もっと良くなりそうなので先が楽しみ」と手応えあり。そりゃあれなら色気も出てくる。テン乗りから2度目のコンビで今度は修正も可能だ。
実際のレース映像でも脚色の違いは目を引いた。ゴーサインにすぐ反応したセンスの良さと加速力があってこそのマクりである。少なくとも何も不利のなかったジュタには負けないんじゃないか。
問題は、この手の大穴って17番人気のホープフルSでこそ旨味があれ、2匹目のドジョウがいるのかとなると、意外とそうでもないパターンもある。
だってみんな気づいた後だもの。前回狙えた人間が勝ち組であって後追い組は時すでに遅し。それでも杉原が継続騎乗なのは、やはりまだ旨味が残っている。これがキングやルメールになると一気に上位人気の一角になったはずだ。
時間のある人は、JRAのHPで見られるので、もう一度ホープフルSのレース映像とパトロールを確認して欲しい。
幸い追い切りの動きも悪くなく、ここは力の入る舞台。人気は川田将雅ナグルファル、幸英明ミュージアムマイル、ルメールのヴィンセンシオあたりだろうが、中山芝2000mを使っているのはファウストラーゼンとヴィンセンシオのみ。そのヴィンセンシオも葉牡丹賞で接戦したゲルチュタールやリトルジャイアンツが底を見せている。超速馬場のレコードに価値はないと思う。
強敵ミュージアムマイルも、クリスチャンから幸への乗り替わりは想像以上にマイナスか。幸英明があまり遠征しない騎手とはいえ、デビューから中山芝200mは【0- 2- 1-29/32】で未勝利。まあ人気馬に乗る騎手でもないから悲観するほどじゃないけど、弥生賞の騎乗だって今回が初めてらしい。
ノーザン系のサンデーレーシングが幸乗せてクラシックとか使うか?朝日杯2着で賞金足りてるし、外国人騎手が来日するまでの繋ぎって意味かね。他の騎手なら継続騎乗が前提になるが幸は使い捨てOKという感じの。
個人的にはこのメンバーなら、ファウストラーゼンで十分に勝ち負け可能と考えているが、そこは3歳春の力関係が不鮮明なレース。上位人気馬を無理に嫌ってWIN4でしたじゃ困る。馬券は単まであると思うが、他も押さえておく。
◎ファウストラーゼン
○ミュージアムマイル
▲ナグルファル
△ヴィンセンシオ
×アスクシュタイン
前走大敗も後ろからの競馬で持ち味を生かせなかった。今の中山なら前に行ってナンボ。