「連対率100%」サンライズアースは消せる?前が残らない開幕週に違和感【天皇賞・春】
後ろからでも間に合ってしまう馬場がポイント
京都11R天皇賞・春(G1)芝3200
外国人観光客で溢れ返る京都。大阪万博の開催も相まって、主要な観光地の風情が損なわれつつある現状が憂慮されている。
だが、お競馬に関しては問題なし。外国産馬の脅威も一昔前に過ぎ去り、脅威といっても短期免許で来日する外国人騎手くらいだが、彼らはむしろ日本人騎手より頼りになるくらいだ。
そんな京都で今週末に行われるのは天皇賞・春(G1)だが、昨年の菊花賞馬アーバンシックが回避する悲報も発表された。
表向きの理由は重の日経賞(G2)を使った疲れが抜け切らないとのことだが、距離の不安もある様子。かつてのコントレイルも同様の理由で出走しなかったが、菊花賞馬が逃亡するようでは伝統の長距離G1の先が思いやられる。
天皇はどうでもいいけど天皇賞は好きなレース。時代の流れとはいえ、選択肢が増え過ぎたことは素直に喜べそうにない。
まあそんな話はさておき、天皇賞の話をしよう。
一般的な開幕週とイメージが異なった先週の京都
先週から開幕した京都が舞台となるG1だが、「なんか違う」という感覚が拭えなかった。開幕週といえば絶好の馬場状態で開催されるため、時計も速く逃げ先行馬が前残りし放題のはず。エアレーションが施されて差しが決まるのは承知しているが、予想以上に決まっていた印象だ。
2日間の開催でサンプルは少ないものの、まずはこちらをご覧いただきたい。
2月の開催との違いは、ABからCコースへの変更。勝ち馬すべて上がり3位以内の馬が勝利しており、末脚の切れが求められる傾向に変わりはないのだが、問題はその数字である。
特に驚きを禁じ得なかったのが先週のWIN5対象レースとなったセンテニアル・パークSのホウオウラスカーズの走り。このレースは前半5F通過が60秒4のスローで流れていたにもかかわらず、上位6頭のうち4頭が直線で二桁ポジションという追い込み決着。しかも勝ち馬の上がりは32秒9というとてつもないものだった。
L4も11秒8-11秒6-11秒0-11秒0の加速ラップであり、常識的に考えれば差しが決まらないはずなのだ。抜けて強い馬ならまだ納得も行くが、ホウオウラスカーズは7歳牝馬で4年近く勝利のなかった馬。もうこの時点で不穏な空気が漂っている。
また、前日に行われたあやめ賞(1勝)でも同様の現象があった。それがこちら。
ちなみにこのレースも前半5F通過が61秒5のスローで流れながら、L4のラップは11秒8-11秒5-11秒1-11秒0の加速ラップ。この辺の話は結果分析の記事でも触れたが明らかにおかしい。スローペース(前の馬が楽)、加速ラップ(追い掛けても前の馬も止まらない)、それでも間に合ってしまうのだから物理的にどうかしている。
当然ながらこの傾向は天皇賞でも連動するだろう。Cコースで外回りなのだから異なるのは距離くらい。
そこで引っ掛かるのは阪神大賞典(G2)を6馬身差で楽勝したサンライズアース。同レースを前走に使われた馬は過去10年で【4.6.5.50/65】と好相性の上、2着馬に5馬身差をつけたディープボンド(21年)、テーオーロイヤル(24年)が本番で連対した。※シャケトラは不運の死を遂げて出走が叶わず。2頭しか該当しないとはいえ、割と信じたくなるデータといえる。
必要なのはスタミナよりも切れ
だが、開幕週の傾向を確認するとさすがに怖い。
そもそもサンライズアースって切れないからだ。阪神大賞典で上がり最速をマークしたといっても35秒0に過ぎず、とても32秒台の出るような馬場に向かなさそうだからだ。スローでも加速ラップでも差し追込みが決まる馬場で好走するイメージが1ミリも湧かなかった。
下手するとバテていないのに差されてしまうパターンも十分イメージできる。似たような馬ならディープボンドのようなイメージか。それでもこの馬は34秒6の上がりや、21年のフォワ賞(仏G2)で33秒台を使ったことのある馬だった。
対するサンライズアースは兄セラフィックコールがダート馬であるように、切れる脚は持っていない血統。天皇賞春を勝てるだけのスタミナは持っているが、勝ち切るだけの切れはないと感じる。結果的にマクった阪神大賞典だが、こういう馬場でマクリは通じない。
つまり、好走するイメージとはおそらく真逆。メンバーもメンバーだけに上位人気に推されそうだが、当方の見立てとしては前走のパフォーマンスを鵜呑みにすると痛い目に遭いそうな予感がしてしまう。
結局、条件に合致するのってヘデントールしかいねえじゃねえかよと。現状ではこんな感じで予想を組み立てている。