「25年未勝利」の宿命に波乱の予感?エンブロイダリー、アルマヴェローチェに痛恨NG
2頭のどちらかを上に選ぶなら?
東京11R優駿牝馬(G1)芝2400
今週末の日曜東京は3歳牝馬のダービーとなる優駿牝馬(G1)がメインレース。ちなみに当方の場合、東京優駿は激込みするので優駿牝馬の日に現場で観戦することも多い。一生に一度の舞台だけに良馬場で走らせてあげたいのだが、週末の天気はすでに怪しい。
かといって現在の東京や京都は水捌けの良さが突出しており、驚異的な回復を見せるのも日常茶飯事だ。特に厄介なのは途中で雨が止むこと。降り続いていれば大きな差とならないものの、下手に雨が止んだ後だと内側から乾いていくので注意したい。
また、東京優駿と優駿牝馬は同じ芝2400mで争われるものの、皐月賞の2000mから400m延びるだけの牡馬に対し、牝馬は桜花賞の芝1600mから一気に800m延びる。さすがにここまで異なるとマイラー血統の馬は苦戦を強いられる。まだ3歳春だけに古馬ほど極端ではないが、やはり予想をする上で切り離せないのが血統である。
この話は割と前から頻繁に触れているように、二強を形成するエンブロイダリーもアルマヴェローチェも不発弾を抱えている。
というのも前者は母父クロフネで後者は母父ダイワメジャーだからだ。血統を少しでも知っている人間であれば、現役時代の両馬がマイラーだったことをすぐに思い出せるだろう。
それでもダイワメジャーには皐月賞や天皇賞・秋(G1)の勝利があり、クロフネも当時まだダ2100m条件のジャパンCダート(G1)の勝利がある。だからといって、それは歴史に名を残すレベルの実力の持ち主が誤差の範囲でどうにかしてしまった程度。産駒になるとより顕著になりやすいか。
念のため、産駒の芝1800m以上の成績を抽出してみる。
ダイワメジャー産駒の芝1800以上重賞(3着以内)
ダイワメジャー産駒の重賞芝1800以上は勝てないという定石もあるように、唯一の例外はカレンブラックヒル程度。かといってこの馬はNHKマイルCを勝っているG1馬だった。
クロフネ産駒の芝1800m以上重賞(3着以内)
あれ?思ったより勝ってるな(笑)。そう思えるけれど芝2400mは案の定未勝利か。近年の好走って牝馬ばっかりなのね。
という訳でどちらも芝2400mの重賞を優勝した産駒はいません。
でも大事なことを忘れてるよね?だってエンブロイダリーもアルマヴェローチェも産駒じゃないもの。そう、彼女らは母父がそうなだけだよね。
ということで肝心の母父条件でも抽出してみると以下。
3着以内の成績のみ抽出するとダイワメジャー【0.0.1.2/3】、 クロフネ【0.2.3.4/9】。馬券には絡んだことがあるけども勝利はなし。そしてこのデータは2000年以降を対象にしている。つまり過去25年間未勝利だったことになる。
ただでさえ嫌な予感のする2頭だが、エンブロイダリーの方は父がアドマイヤマーズ。このアドマイヤマーズって馬も非常にダイワメジャーっぽい馬だった。
こちらは芝2000mで勝利のあった父よりさらに距離適性が短め。産駒の特徴を体現する芝1800m以上で勝てないタイプである。
種牡馬入りして初の重賞勝ちがエンブロイダリーだったこともあるが、明らかに距離が延びていい感じはしないわね。
そう考えるとハービンジャー産駒は正反対の成績。あんまり数が多いもんだから1着だけに条件を絞ったけれど、こんなにいたのよ。ここまで差がつくともう比較にならないわね。
芝2400mにしても昨年のオークス馬チェッキーノ、有馬記念(G1)を制したブラストワンピースなど、中長距離でG1勝ち馬を輩出しているなら安心だ。
まああくまで血統面で優劣をつけた場合、ハービンジャー産駒のアルマヴェローチェは母父ダイワメジャーでも走れる裏付けが多少あるし、アドマイヤマーズ産駒のエンブロイダリーは父も母父も距離不安が付きまとうから減点せざるを得ないって感じ。
2022年は母父クロフネのスタニングローズが2着、母父ダイワメジャーのナミュールが3着に入ったが、それぞれの父はキングカメハメハとハービンジャーだった。
キンカメ産駒に距離不安がなかったことを加味すると、ナミュールと同じハービンジャー×母父ダイワメジャーのアルマヴェローチェに食指が動く。2頭の取捨選択ならアルマヴェローチェを上に採りたい。
まあデータ派としてはどちらも勝てない未来にも警戒する必要があるため悩ましい。それでも桜花賞の内容を考えるとエンブロイダリーくらいしかアルマヴェローチェに届かなさそうなんだよなあ。
肝心の相手が減点てんこ盛りだった訳だから、やっぱり馬券の軸なら岩田望来×アルマヴェローチェの結論とする。
※同様の話をTwitterで既に公開済みだが、こちらはそれより深堀した内容となっています。