~今週のWIN5対象レース~

京都10R 令月S(OP)ダ1200
東京10R 初音S(3勝)芝1800
小倉11R 小倉日経賞(OP)芝2000
京都11R きさらぎ賞(G3)芝1800
東京11R 東京新聞杯(G3)芝1600

サトノシャイニング脅かすお宝馬を発見…きさらぎ賞(G3)の傾向と対策、および攻略ポイント【WIN5】

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 今週の日曜京都メインは3歳重賞のきさらぎ賞(G3)。昨年は1番人気に支持されたビザンチンドリームが薄氷の勝利を決めた。デビュー戦をムルザバエフとのコンビで楽勝していた馬だが、ピーヒュレクに乗り替わった途端にロスだらけの酷い騎乗。それでも勝ってしまったあたりは馬が抜けていたということだ。SNSで騎手は関係ないなんて意見も見掛けるが、これこそ負けた騎手を擁護したいだけの世迷言だろう。

 過去にはロイヤルタッチ、スペシャルウィーク、ナリタトップロード、ネオユニヴァース、ドリームパスポート、アサクサキングス、リーチザクラウン、トーセンラー、ワールドエースなど、G1を盛り上げた馬たちが名を連ねているものの、近年は16年サトノダイヤモンドを最後にG1馬の出現はなし。今年の登録馬で大きな注目を集めている逸材も見当たらず、新馬勝ちから連勝を決めるような馬が出るくらいじゃないと、クラシックで出番はなさそう。

 何となくそういった雰囲気に察しがつくのは、過去10年の優勝馬たちである。

■過去10年の勝ち馬

24年ビザンチンドリーム ピーヒュ 1人気
23年フリームファクシ  川田将雅 1人気
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22年マテンロウレオ   横山典弘 2人気 3.4倍ストロングウィル 松山
21年ラーゴム      北村友一 3人気 2.7倍ランドオブリバティ三浦
20年コルテジア     松山弘平 7人気 1.5倍アルジャンナ   川田
19年ダノンチェイサー  川田将雅 3人気 2.0倍ヴァンドギャルド デム
18年サトノフェイバー  古川吉洋 4人気 2.2倍ダノンマジェスティ松若
17年アメリカズカップ  松若風馬 6人気 1.4倍サトノアーサー  川田
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16年サトノダイヤモンド ルメール 1人気
15年ルージュバック   戸崎圭太 1人気

 川田が【2.2.1.2/7】と安定した成績を残している一方、1倍台で2回飛んでいるのは覚えておきたい。馬券なら7回乗って5回絡んでいるのは優秀だが、WIN5の場合は疑ってみた方が妙味のあるタイプだろう。

 今年の騎乗予定馬はショウヘイ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)。デビューからの2戦を京都芝1800mに使われている点は好材料。展開で取りこぼしやすい後方待機型ではなく、好位で競馬のできる優等生型のため、大崩れはしないかもしれない。

 本馬と双璧を成すのは、西村淳也が騎乗予定のサトノシャイニング(牡3、栗東・杉山晴紀厩舎)。昨年9月中京の新馬で快勝し、2戦目の東京スポーツ杯2歳S(G2)でクロワデュノールと3/4馬身差に健闘した。

 勝ち馬は次走のホープフルS(G1)を圧勝しており、相対的に本馬の評価も上昇する。懸念があるとすれば、松山から西村に乗り替わったことか。一見、仲のよさそうな松山×杉山コンビだが、デアリングタクトの一件もあってか、ちょくちょくこういったケースを見掛ける。その弘平はエリカアンディーヴに騎乗予定だが、先約があったのかこちらを選択したのかは分からない。少し気になる因果関係か。

 また、サトノシャイニングの2戦は左回りの中京と東京だった。右回りと京都未経験がどう出るか。むしろクロワデュノールとの3/4馬身差のみで評価を上げるのは怖さも残る。なぜなら向こうは自信の塊で舐めプだったからだ。24キロ増の余裕残しで歯が立たなかったのだから、2頭の実力は数字以上の開きがあると見て可能性すら残る。某サイトでは二強の前評判だが、鵜呑みにするのは避けたい。

 では、上位人気想定の2頭が絶対的な存在ではないことを前提に、一角崩しを狙えそうな馬を探してみる。情報が少ないなら実際にレース映像を見てみないと分からない。期待するなら未知の魅力がある新馬勝ちの組。該当するのはエリカアンディーヴとムーンライトラガーである。

 前者は弘平のリベンジという因縁はあるものの、時計自体は目立つものでもなく、勝ちっぷりも普通の印象。対する後者は少し不気味さを感じるデビュー勝ちだった。レース後のコメントでも荻野琢真が「思った以上に切れた」「エンジンのかかりは遅いが、かかってしまえば」と好感触。残念ながら416キロと小柄な牝馬のため、出てくるようなら揉まれる内枠よりは外枠で走らせてあげたい。とはいえ、デビュー戦は1枠1番の窮屈なところから外へ持ち出して楽抜け出し。面白そうな馬だと思う。

 過去10年で未勝利か力の優勝はないものの、リンクスティップも一発の怖さがある。デビュー戦をアタマ差で敗れた相手ミッキーゴールドは、続く1勝クラスを快勝して3戦目の若駒S(L)でジュタの半馬身差2着。相手はホープフルSで4着に入っている。ちなみにリンクが2戦目に下したデルアヴァーは東スポ杯5着、ホープフル9着である。

 そして強調すべきは、楽勝した2戦目の勝ちタイム2分0秒8(良)が、翌日のサンタクロースS(3勝)を制したホウオウプロザンゲの勝ちタイム2分0秒9より0秒1速かったこと。12月京都の芝2000m条件で、2分0秒6のナグルファル(2戦2勝)、フォーチュンC(2勝)のワレハウミノコの2分0秒7に次ぐ3番目。相対的な横の比較で裏が取れたのはリンクスティップのみといえそうだ。先述したムーンライトラガーも魅力ある馬だが、こちらは2分3秒2と明確に遅い。

 ホウオウプロサンゲといえば、2歳時のアイビーS(L)でレガレイラに先着したこともある馬。デビュー2戦目の2歳牝馬が、これに匹敵する時計で勝利したことに価値がある。

 最後に穴党なら普通に狙いそうな2頭の話をする。それが京成杯(G3)で3着に入ったミニトランザットと朝日杯フューチュリティS(G1)で3着に入ったランスオブカオスの2頭だ。

 前者は好走率の高さで注目した11月京都・芝1600mを好時計(1分34秒台)で勝利した馬より、一枚下の1分35秒5でデビュー勝ちしていた馬。ただこれは逃げ切り勝ちのため、全力を出し切っていなかった様子。それでも3着馬が6馬身半も置き去りにされたのだから光るものはあった。少なくともレース映像をしっかりチェックしていれば、9番人気という低評価にはならなかったと思う。忙しいとこういうのまでチェックし切れないものな。

 これが伏線となったのは前走の京成杯。レースではデビュー戦で逃げた馬が、まさかの出遅れ。しかもリカバリせずに鞍上の田辺裕信はポツンを選択している。ニシノエージェントで勝った津村明秀がうまくハマったと振り返ったように、ニシノは道中でロスの少ない巧みな進路取りが素晴らしかった。

 対するミニトランザットはまるでディープインパクトやドウデュースのようなケツから外を回す大味な乗り方。それであそこまで勝ち馬に迫ったのだから特筆すべき内容。中山に遠征した前走と違って今回はホーム関西の京都。あのセンスの高さは、一回の逃げ馬ではないはず。2着ドラゴンブーストも例の京都マイル好走組の1頭だった。

 後者は前残り決着に終わった朝日杯FSで後方から脚を伸ばして3着に健闘した。G1のメンバー相手に重賞級のパフォーマンスを演じた訳だが、上位とは2馬身半→2馬身半で5馬身差の完敗でもある。2戦続けて差す競馬で結果が出たのだから、ここでいきなり脚質転嫁するリスクは犯さないと見る。距離適性も不鮮明なら、吉村誠之助を応援したい気持ちはあれど、手が出しにくいという結論となった。

★注目馬
ミニトランザット(底を見せていない)
リンクスティップ(能力の裏が取れている)