【WIN5】八坂S、節分S、門司Sの回顧と次走注目馬

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■京都10R八坂S(3勝)芝2200

7頭立ての少頭数となり、予想通りペースは落ち着いた。

5番プリマヴィータは出遅れて最後方。ハナを主張した団野大成ミステリーウェイが刻んだペースは、5F62秒9のスロー。

稍重での開催だったが道中で1F、4F、7Fと13秒台が出現する前残り必至の流れ。

2番手に北村友一チルカーノ、外目4番手に川田将雅インザモーメントがつける。

近走で謎の消極策を採っていたリビアングラスは、ここぞとばかりに進出し、逃げ馬の直後という絶好のポジションを取り切った。

最終コーナーに差し掛かり、ミステリーウェイ目掛けて後続3頭が一斉に襲い掛かったが、インを突いたチルカーノの伸びは一息。

残り100mあたりでリビアングラスが先頭に立ち、これをインザモーメントも懸命に捕まえようとするが並び掛けるところまでが精一杯。

2頭とも父キズナ×母ディルガという前兄弟の戦いは、クビ差残したリビアングラスの勝利で幕を閉じた。

ただ、WIN5としては大きな差のつく結末だ。何しろ2着に敗れたインザモーメントは単勝1.5倍、勝ったリビアングラスは4.7倍の3番人気。川田の大本命を信じて1点勝負した人間も多かったはずである。

あえて厳しいことを指摘すると、この敗戦はひとえに川田将雅の慢心がもたらしたミスと考える。自分の馬の方が切れる脚があるのは承知していただろうが、あまりにも相手任せのレースをしてしまった気がする。

というのもこの何の変哲もない前残りのレースだが、残り4Fから急激にラップが上がっているのだ。

13.2-11.3-12.7-12.8-13.2-12.4-11.6-11.4-11.5

L4は実に46秒9。ロングスパートに持ち込んだ団野の渋い騎乗が光る。ガシマンはおそらく自分で考えたというより、ただ団野を追い掛けただけかもしれない。

だが、同じ超スローでも3Fや2Fではなく800mで長くいい脚を使う必要があった。

そうなると菊花賞で4着に粘り込んだ実績のあるリビアングラスに好都合。ラストの我慢比べはスタミナがモノを言った。

もちろん、リビアングラスが復調しつつあることは厩舎コメントでも伝わったが、いつでも交わせると考えていた川田にとって誤算だったに違いない。

1着リビアングラス 坂井
「返し馬から良い頃の雰囲気に戻っていると感じました。競馬もスムーズに運べて勝ち切れたのが良かった」

2着インザモーメント 川田将
「伸びかけて直ぐに止まって差し返されてしまいました」

少し目線を変えれば、この中で誰が一番うまかったのかというと団野だと思う。

一度前に出られたチルカーノを差し返したのはロンスパの賜物だろう。

団野といえばS級スプリンターの印象が強かったが、これなら中長距離でも成績を伸ばしていけそうだ。

★次走注目 ミステリーウェイ

■東京10R節分S(3勝)芝1400

昇級初戦のハクサンバードがマイペースの逃げに持ち込むも、今回はクラスの壁を感じる内容で8着。2番手スプレモフレイバーも本調子を欠き、11着に大敗した。

直線を力強く抜け出して勝ったのは浜中俊オードリーバローズ。

長休明けから復帰した2走前で4着、前走で2着、叩き3戦目の今回勝利と完全復調した。

陣営が自信を隠さなかったのもうなずける完勝で、これならオープンでもすぐに通用しそうな内容。開幕週だけあって東京の馬場状態も良好だ。

12.5-11.1-11.7-11.4-11.4-11.9

テンの1Fを除けば終始11秒台が並んだように、スピードの持続力を問われる展開。

勝ちタイム1分21秒7、上がり3Fで34秒台は特筆すべきものではないが、このメンバーでは抜けた存在であることも分かった。

メンツはいつもの顔触れで展開と騎手次第で着順が入れ替わる程度。

むしろ22キロ増で3着に入ったヴェサリウスの健闘が光る。

ロゴタイプ×母父ダイワメジャーと距離適性も抜群で次走は勝ち負けが期待できそう。

この流れで好位から脱落した組は力不足が顕著。

また、少し人気が集中していたサトノミノキラリは行きっぷりが悪かった。

雨が降ったといってもそこまで影響するほどでもない。

前が塞がって話にならなかった前走はともかく、2走前くらい走れれば勝ち負け可能なポテンシャルの持ち主だが、さすがに負け過ぎの感。

ただ、津村の消極的な騎乗は印象が悪い。

1着オードリーバローズ 浜中
「ゲートを上手に出て、余裕をもって直線に向かいました。追ってからよく伸びて、強かったです」

3着ヴェサリウス 菅原
「休み明け感はありました。直線では最後いっぱいになりました。叩いて良くなると思います」

6着サトミノキラリ 津村
「ゲートを出てから進みが悪かったです。4コーナーから脚を使いましたが、流れが遅く、きつかったです」

こういうコメントを残しているものの、スタートから促しもせずにダラダラ後方にいては見た目も悪い。もう少しやる気のあるアクションはしておいた方がいい。

★次走注目 ヴェサリウス

■小倉11R門司S(OP)ダ1700

16頭立てフルゲートの混戦を断ったのは、なんとなんと秋山稔樹が騎乗した15番人気超大穴ホールシバン。

一時は最低の16番人気だった本馬の単勝は、なんと9430円。WIN5のシェアも0.8%だったのだから、2レース目まで突破したファンの大多数が涙を呑んだ。

実際129万3219→28万6419→1503と生存票は激減。この段階で残存率も0.0142%となり、3桁どころか4桁も夢ではない大波乱となった。

また、勝ち時計の1分41秒1はなかなかの好時計だ。超ハイペースのどさくさに紛れてではなく、後方から進出して2着馬に3橋という決定的な差をつけてのもの。

掲示板に載った5頭中3頭は3番手以内を走っていた馬たち。内容としては前残りの決着といってよかったはずであり、2着サーマルリングからすれば相手が強過ぎた。

とはいえ、近走のホールシバンの成績があまりにも悲惨だったことは間違いない。

22年8月新潟のBSN賞(L)を2番人気2着に敗れ、翌月のラジオ日本賞(OP)で3人気8着に敗戦。その後は競走中止→13人気12着→14人気15着とまったくいいところがなかった。

元々のポテンシャルは22年の門司Sで1番人気に支持されたほどではあったが、このときは13着と期待を裏切った。

7歳騙馬が2年後に奇跡の復活勝利を挙げるとは誰が想像できただろうか。

もちろん、まったくヒントがなかったという訳ではない。

レース前に陣営からは「最近では一番。この中間は手加減なしにビッシリやれた」という前向きなサインはあった。

だが、それだけで近況を無視できるほどのインパクトはない。

ただでさえ相手は生き物で言葉も喋れない。

一旦ここで掲示板くらいに好走してからなら次走でというのもありだが、いきなり激走されてはなす術がない。

ここを拾えるような人間は総流しくらいしないと無理だったのではないか。

今回このパターンに当てはまるとしたら12キロ増で馬体の戻ってきたゴーゴーユタカだろう。

もしホールシバンが負けていたなら2着サーマルが3番人気、3着チュウワが2番人気。これなら生き残った人間は持っといただろうが、こういうことが普通に起こりえるのがWIN5の怖さであり不確定要素だ。

★次走注目 ゴーゴーユタカ