アドマイヤズーム敗戦で上位は混戦…NHKマイルCの展望と攻略ポイント
クロワデュノールほど信頼できないアドマイヤズーム
東京11RNHKマイルC(G1)芝1600
アドマイヤズーム 川田将雅
アルテヴェローチェ 佐々木大輔
イミグラントソング ルメール
ヴーレヴー 浜中俊
コートアリシアン 菅原明良
サトノカルナバル レーン
ショウナンザナドゥ 池添謙一
スリールミニョン 永島まなみ
チェルビアット ディー
ティラトーレ 木幡巧也
トータルクラリティ 北村友一
ネーヴェフレスカ 未定
パンジャタワー 松山弘平
マイネルチケット 横山武史
マジックサンズ 武豊
マテンロウサン 未定
マピュース 田辺裕信
ミニトランザット 鮫島克駿
ミーントゥビー 松岡正海
モンドデラモーレ 戸崎圭太
ヤンキーバローズ 岩田望来
ランスオブカオス 吉村誠之助※登録22頭。フルゲート18頭。
ヘデントールの優勝した天皇賞・春が終了したが、春のG1シリーズはまだまだ続く。今週末のNHKマイルC以降もヴィクトリアマイル、優駿牝馬、東京優駿、安田記念、宝塚記念と7週続けてG1レースが行われる。
ん?え?安田の翌週に宝塚記念?どういうこと?
今年の番組がちょこちょこ入れ替えられているのは気付いていたが、宝塚記念まで変わっていたのは知らなかった。JRAの発表は既にあったため、こちらが知らなかっただけなのだが、どうやら30年ぶりの改革らしい。
確か3歳馬の出走を促す目的で間隔を空けたはずだったっけ。あまり効果はなかった感じだよね。
まあ決まったからにはいいや。NHKマイルCの展望に入ろうか。
アドマイヤズーム(牡3、栗東・友道康夫厩舎)
昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)を制した2歳マイルチャンプ。2馬身半差をつけた2着馬ミュージアムマイルは、皐月賞(G1)で絶対王者クロワデュノールを撃破する大金星を挙げた。
これにより相対的な評価を押し上げたものの、前哨戦のニュージーランドトロフィー(G2)で単勝1.7倍の断然人気を裏切って敗戦。王者を差し切ったイミグラントソングの台頭を許すことになった。
馬場状態のいい中山で後方から上がり最速33秒1の末脚で差し切った勝ち馬もフロックではなさそう。この敗戦だけでアドマイヤズームの評価が下がるほどでもないが、朝日杯FSは馬場と展開を読み切った川田将雅の奇襲がハマったことも事実。現在の東京も差し馬場となっているため、乗り方に注意が必要となるだろう。
ランスオブカオス(牡3、栗東・奥村豊厩舎)
競馬界のレジェンド武豊が記録したJRA最年少G1勝利(19歳7ヶ月23日)の更新が懸かる吉村誠之助が騎乗予定。乗れる若手として注目された騎手は、今年に入ってチャーチルダウンズC(アーリントンC)とユニコーンSを制して重賞騎乗機会2連勝と勢いもある。
ただパートナーのランスオブカオスは、朝日杯FSでアドマイヤズームに5馬身、きさらぎ賞(G3)でサトノシャイニングに3馬身+クビ差と完敗した。同レース2着リンクスティップが桜花賞(G1)で3着に善戦したものの、横の比較でG1を勝ち切るまでにはもう一つパンチ不足の印象もある。
強調できるのは前走でマークした1分32秒2の好タイムと33秒9の切れ。持ちタイムなら1分32秒4のアドマイヤズームを上回る。
イミグラントソング(牡3、美浦・辻哲英厩舎)
1勝クラス3着から飛び級で重賞ウィナーとなったのが、NZTでアドマイヤズームを差し切ったイミグラントソングだ。デビューから5戦の4戦で上がり最速の切れ味を披露しているだけに、直線の長い東京へのコース替わりは大歓迎だろう。
未勝利勝ちを決めた2戦目の東京は、2番手から上がり最速の大楽勝。L2も10秒9→10秒9と申し分のない走りだった。殊勲の勝利を挙げた石川裕紀人は残念ながらルメールに乗り替わり。非情な決断ではあるが、こういうのは今に始まったことでもない。
しかし、忘れちゃいけないのは、ルメールがマイル戦をそこまで得意にしていないこと。本記事の上部に表示がある騎手の距離適性を確認してみて欲しい。
マジックサンズ(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)
デビュー2連勝で札幌2歳S(G3)を制し、同レースで2着に下したアルマヴェローチェは、阪神ジュベナイルF(G1)を優勝し、桜花賞でも勝ちに等しい2着に入った。能力比較としても上位評価したい1頭だ。
だが、昨年暮れのホープフルS(G1)で2番人気に推されながら見せ場もなく16着に大敗。直行した皐月賞で16番人気まで評価を下げたことには驚いた。内心ほくそ笑みながら馬券の買い目に入れたはいいが、少し勿体ない騎乗で6着。佐々木大輔の経験不足も見え隠れする内容にも映る。
これなら日本ダービー(G1)で普通に狙えると考えていたが、まさかのNHKマイルCに参戦。賞金は足りているはずだから、結果次第でマツクニローテも視野に入っているのだろうか。確かに直行した分、まだ一戦使える余裕もありそう。母系の血統的に距離短縮も問題なさそうだ。
サトノカルナバル(牡3、美浦・堀宣行厩舎)
少し離れた人気になりそうなのがサトノカルナバル。実力が本物なら共同通信杯(G3)で勝ち負け可能と期待したが、好位から切れる脚を使えないまま5着は物足りなさがある。勝ったマスカレードボールはG1級のポテンシャルを持っているとはいえ、さすがに負け過ぎの感。
買い要素はD.レーンが騎乗を予定しているくらいか。外国人騎手が無双している春G1とはいえ、そろそろストップしそう。外国人は外国人でもルメールでしたのオチは警戒したい。
穴を出すならどんなタイプ?
桜花賞や皐月賞の方が層で上回るため、これらで掲示板級なら勝ち負けを意識できる。今年ならマピュース、チェルビアットあたりは注目しておきたい。大穴を出す傾向があるのはファルコンS(G3)組だろう。
あと、現在の東京はスピードと切れが重要。天皇賞・春と同じような馬場イメージでいいかもしれない。