ロードフォアエース、アブキールベイが上位人気…好メンバー揃った北九州記念の展望
危険な人気馬とオイシイ穴馬を見抜け
小倉11R北九州記念(G3)芝1200
アスクワンタイム 川須栄彦
アブキールベイ 坂井瑠星
エイシンワンド 吉村誠之助
オタルエバー 幸英明
カリボール 西塚洸二
キタノエクスプレス 国分優作
クラスペディア 小崎綾也
ショウナンハクラク 岩田康誠
シロン 国分恭介
スリーアイランド 田口貫太
タマモブラックタイ 角田大和
ドロップオブライト 小沢大仁
バースクライ 未定
ミルトクレイモー 松山弘平
メイショウソラフネ 酒井学
モズメイメイ 高杉吏麒
ヤマニンアルリフラ 団野大成
ヤマニンアンフィル 未定
ヨシノイースター 内田博幸
レッドヒルシューズ 高倉稜
ロードフォアエース 川田将雅
ロードベイリーフ 未定※フルゲート18頭
ともにフルゲート割れした先週の函館記念(G3)やラジオNIKKEI賞(G3)と打って変わって22頭が登録した北九州記念(G3)。武豊の小倉三冠を覚えているおじさんたちには、まだ芝1800m時代の余韻が残るものの、夏のスプリント重賞として定着しつつある。
WIN5民に鮮烈な印象を残したのは、やはり2011年と12年の北村友一だ。まだWIN5が始まって間がない頃だったが、2年連続で8番人気を激走させる。今と同じく何も考えていないタイプのジョッキーは、最終週で差しの決まりやすい馬場にフィット。激しい先行争いを味方に追い込みがハマった。
これですっかり小倉の芝1200は北村友一が買いと洗脳され、以降は毎年のように狙っているが、気付いたときにはもう遅いという典型的なパターンだろう。
そろそろ頼むでと騎乗予定騎手の想定を眺めてみたが北村友一の名前はなし。何やってんだおまえ(笑)。
それはさておき小倉の馬場は造園課が毎年のようにいじくり回すため注意を要する。酷いときは本当に目も当てられないようなうんこ馬場を作り、2022年の北九州記念はテイエムスパーダが1分05秒8という規格外のレコードをマーク。こんなことばかりをしているから、函館記念のサッカーボーイのレコードが37年ぶりに更新と言われても驚きがない。
それは、時計の速さ=馬の強さではないからである。何をしたいのだろうか。本当に意味が分からないのだ。
また、馬場の高速化と開催週の前倒しに伴い、かつてのような追い込みも通用しなくなった。こうなると友一がいてもいなくても用はないか。時計が速くなり過ぎると後ろの馬が届かなくなることは、逃げ切ったテイエムスパーダが証明をしている。
ひとりごとの脱線が長引いたため、そろそろ各馬の紹介に移りたい。
ロードフォアエース(牡4、栗東・友道康夫厩舎)
以前、当サイトの記事で「ロードホースクラブのロードカナロア産駒はガチ」というネタに触れたけども、ロードフォアエースに関しては4勝2着8回と善戦マンの結果が続いている。
馬券の軸としては頼りになる一方、1着の欲しいWIN5では少し買いづらいタイプの印象。近3走で鮫島克駿、浜中俊、石川裕紀人の騎乗で2着3回なら、川田将雅への乗り替わりで人気に拍車も掛かるだろう。
ただ、そんな簡単な話ではなく、本馬の成績は川田が騎乗していても1勝2着4回。キャリアの半分の2着は川田とのコンビである。優等生とはいえ勝ち切れないタイプは気になるところだ。北九州短距離S(OP)で敗れた相手キタノエクスプレスも出走するだけに、重賞となる今回の相手関係はさらに手強くなる。
ここは思い切って軽視する手もありだろう。
ヨシノイースター(牡7、栗東・中尾秀正厩舎)
昨年の同レースで2着に入ったヨシノイースターは、7歳馬でもまだまだ元気。ルーラーシップ産駒のスプリンターというキャラクターにも好感が持てる。まだハンデは未定だが、57.5キロを背負って前走勝利は評価していい。
休み明けは走らないタイプのため、叩き3戦目のここは陣営の青写真通り。マッドクールやサトノレーヴ相手に善戦した実力は一枚上だ。鞍上の内田君が気になるものの、上位人気馬に騎乗すれば、まだまだ普通に乗ってくれる。小倉参戦にピンとこない騎手だからこそ面白そう。
アブキールベイ(牝3、栗東・坂口智康厩舎)
前走の葵S(G3)はブービー人気で大金星の勝利。岩田望来の好騎乗も光る内容だった。今回はガシマンに乗り替わるが大きな割引ではない。3歳牝馬ということもあり、斤量面で優遇されることは確実。小倉の芝1200m条件も萌黄賞(1勝)で勝利した縁起のいいコースだ。
ファインニードル産駒も父に似て人気以上に走る。小倉2歳S(G3)で5着に敗れたといっても、あれは中京開催。ここは有力馬の1頭として注目したい。
ヤマニンアルリフラ(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)
先週の佐世保S(3勝)を快勝したヤマニンアンフィルの弟。つまりヤマニンウルスの弟でもある。兄姉の短距離適性を考えると、ヤマニンウルスが割と異端な気もしてくる。
姉が同舞台を制したように、本馬も舞台設定はプラス。不思議なことに本馬は最後の未勝利戦を勝てないまま上のクラスに挑戦して生き残った異色の経歴の持ち主。WIN5で穴を出しているイスラボニータ産駒というのも好感が持てる。
オープン昇級初戦が重賞というハードルはあるが、そこは名スプリンター団野大成の腕の見せどころか。
クラスペディア(牡3、栗東・河嶋宏樹厩舎)
8番人気だった小倉2歳Sでおじさんにオイシイ配当をプレゼントしてくれた馬。その後はWIN5対象レースの出走が朝日杯フューチュリティS(G1)くらいだったため、見守る程度だったのだが、13番人気で激走した前走の葵Sで存在を思い出した。
毎回人気を着順が上回る競馬民孝行な馬ではあるのだが、1着でとなると鞍上の小崎綾也の存在含めて不安が残る。ただ、こちらも3歳馬でハンデの恩恵にあやかれそうな雰囲気。馬券では軽視できない。
割と好メンバーが揃った印象だが、実力拮抗で予想は難しそう
斤量で有利な3歳馬が3頭登録し、G3勝ちの実績場もアスクワンタイム、アブキールベイ、エイシンワンド、タマモブラックタイ、ドロップオブライト、モズメイメイと五指に余る。
じゃあ何に注目すべきか。正しいかどうか確信は持てないのだが、休み明けで使ってくる馬は軽視していいと思う。
何しろ夏競馬を目標にする馬っていないからだ。G1直行みたいなのだと逆算して入念に仕上げてくるけれど、たかだかローカルのハンデ重賞に全力投球ってのはない。
あとは枠順やハンデもそうだし追い切りの動きもそのままレースに直結するはず。そして最後にモノを言うのは鞍上。馬券と同じで勝てないときには何かしらの理由がある。騎手を見ていても毎回同じミスをして勝てないのはいる。
今週末の重賞は北九州記念のみ。それなりに時間を使っていいと思う。