天皇賞・春で「明暗分けた」騎手の差…決め手は造園課の罠を見抜けたか【レース回顧】

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天皇賞・春で「明暗分けた」騎手の差…決め手は造園課の罠を見抜けたか【レース回顧】

騎手が違えばビザンチンドリームは勝てたかも

京都11R天皇賞・春(G1)芝3200

5日、ゴールデンウィーク真っただ中に行われた第171回天皇賞・春(G1)は、1番人気に支持されたヘデントールが6番人気ビザンチンドリームの猛追を凌いで優勝。昨年の菊花賞(G1)で2着に入った実力馬が人気に応えた。

初コンビのD.レーンは来日週にいきなりG1勝利。上位4着まで独占した4歳世代の強さも際立つ結果となった。2着ビザンチンドリームに騎乗していたのも外国人騎手のA.シュタルケ。苦戦の続く日本人騎手は、武豊がショウナンラプンタで3着に入るのが精一杯だった。

土曜は稍重でスタートした京都開催も午後には良まで回復し、馬場のクッション値も土曜の「9.8」から日曜は「10.6」まで硬化。こうなるとスピードと切れの有無が直結する馬場だ。この時点でもう阪神大賞典(G2)とは異なる馬場状態といえるだろう。

レースはジャンカズマが先手を奪い、マイネルエンペラーが2番手の積極策。これにプラダリア、サンライズアースが続いて先団を形成した。人気のヘデントールは絶好のスタートを決めた後、行きたい馬を先にやって好位6番手につける。

他の人気馬たちはヘデントールの少し後ろにショウナンラプンタ、ジャスティンパレスは後ろから3番手、ビザンチンドリームに至っては最後方と大胆なポジションだった。

1000m通過60秒7もこの馬場なら特別速くもない。16ハロンの長丁場とはいえ、13秒台はスタートして最初の1ハロンのみ。2ハロン目から12秒前半が連発するスピード勝負が続いていく。

馬場と展開が向いた馬と向かなかった馬

この流れが向かなかったのは、2番人気に推された池添謙一のサンライズアース。決してバテているわけでもないのに行き脚がつかず、道中も押っつけ通し。その上、最後は切れ勝負が待っていたのだから苦しくなったのも当然だ。4角先頭で強気に乗ったマイネルエンペラーも渋った馬場を得意にするゴールドシップ産駒。それぞれ4着、5着に粘り込んだが持ち前のしぶとさを生かせる展開とはならなかった。

スタミナと切れを十二分に駆使したのは、やはりヘデントールとレーンのコンビ。出し過ぎず待ち過ぎずの絶妙な手綱捌きがアタマ差の勝負をモノにした。ハッキリ言ってこれはもうシュタルケとレーンの差としか言いようがない。

この人馬は菊花賞でも上手く乗れずに5着に敗れている。前走のレッドシーターフハンデ(G2)でオイシンがお手本を見せてくれたにもかかわらず、それをトレースし切れないのがシュタルケ。馬場も菊花賞より向いていただけに勿体ない。タラレバを言っても仕方ないが、モレイラなら勝っていたかもしれない。

3着ショウナンラプンタは、さすが京都の武豊といえる好騎乗で巻き返しに成功した。この馬は鮫島克駿とのコンビで菊花賞4着。5着のビザンチンドリームに先着していたが、あれはシュタルケが下手くそに乗った結果でのこと。ハッキリ言って騎乗ミスの阪神大賞典に比べれば、さすがに京都で同じミスは繰り返さないレジェンドである。

各人馬が考えて乗った天皇賞だが、鞍上が中途半端に足を引っ張っていたのがジャスティンパレスの鮫島克駿。個人的に推している騎手なのだが、今回の騎乗は擁護が難しい。というのも京都の馬場を理解していなかったからだ。

実際、週中の記事予想記事で度々触れていたように、前が残らない後ろからも間に合う馬場。だからこそビザンチンドリームが届くし、ヘデントールを信じていい根拠があった。サンライズアースやハヤテノフクノスケの記事を書いたのも「ネタ枠」が本音。すでに馬場の特徴を察していたからこそ、予想記事で正直に書いた裏事情があった。

鮫島克駿は致命的な騎乗ミス

ロンスパやマクりが通用しない馬場で、しかも3コーナーで上り坂を加速する致命的なミス。いつぞやのライスシャワーが、これでステージチャンプ相手にハナ差残した例もあるが、あれは馬場も違う。そもそも名手の的場均と克駿じゃ比較にならない。

あそこで動いたのは克駿ただ一人。ファウストラーゼンの弥生賞(G2)じゃないんだからさ。あれだって超速馬場の本番でマクりに失敗している。なぜ気付けないのだろうか。主戦を任されていたショウナンラプンタは武豊に乗り替わった前走でミスをしても修正してきたが、克駿との器の違いだけが目についた。

JRAの罠に騙されなかったのは大成功

レースの話はこれくらいにして、個人サイトだから予想の話に切り替える。いやあハッキリ言って、ここまで気持ちよく読みが当たると悪い気はしないね。参考にしてくれていたなら、Twitterや本サイトをご覧の読者諸兄の役に立てたと思っている。

とにかく今週は「不公正競馬の温床」となっている馬場造園課の魔改造を徹底的に確認。好走パターンと凡走パターンを入念にシミュレーションした結果、スピードと切れが必要な馬場という結論を導き出せた。気になる穴馬ブローザホーンも近走の走りと追い切りで復活がないと見切れた。

1→6→4人気の決着で配当こそ高くはないが、適性がないと割り引いた馬が凡走したなら達成感も得られる。配当以上に手応えのあった天皇賞となった。

残念ながら今はもう昔のように馬券生活をしているわけでもなくWIN5専門のため、馬券はオマケ程度の購入だが、馬場チェッカーとしての職務は全うできたと思う(笑)。結果だけ載せて凄いと羨望されるより、物書きとして中身のある予想を書きたいからね。

あと、気になるのは外国人騎手の無双かなあ。

今更どうこう言っても仕方ないだろうと考えていたけれども、ここまでやりたい放題だと日本人騎手の意地も見たくなる。幸い来週のNHKマイルC(G1)は外国人じゃない馬を本命に予定しているからまあいっか。

★コメント

1着ヘデントール D.レーン
「道中はとてもいいスペースに入れ、直線でも手応え十分。最後は外からビザンチンドリームが来たが、いいファイトを見せてくれた。スタートも良く、最初のコーナーまでに内側のいいところにはまることができた。馬が前にいたので折り合いもスムーズで直線を迎えられました。まだ4歳ですし、体も精神状態も若いので、今後成長してくればもっといい馬になると思います」

2着ビザンチンドリーム A.シュタルケ
「最初もう少し流れてくれれば良かった。後ろでためていいリズムでリラックスして運ぶことができた。スペースができるのを待つ感じになりましたが、スペースができてからは追い出していい脚を使ってくれました。結果は惜しくて悔しいです」

※他責思考じゃダメなのよ。

3着ショウナンラプンタ 武豊
「直線に向いてリードを取りたかったのですがそこまでのキレがありませんでした。でも自分のレースはできたと思います」

4着サンライズアース 池添謙一
「肩ムチを使ったり促しながら、ずっと追い通し。それでも長く脚を使って、かわされても踏ん張れたのは、力のある証拠。馬込みの中でのレースも初めてで今後に生きてくると思います。キャリアも浅く、まだこれからの馬だと思います」

5着マイネルエンペラー 丹内祐次
「この馬の持ち味を活かそうと運んで悔いの無い競馬はできました。このメンバーの中、頑張ってくれました」

6着ジャスティンパレス 鮫島克駿
「外枠でスタートが決まらず、難しいレースになりました。そこからリズムを整えながら追走して、4コーナーで勝負圏内にと考え、向正面で無理せず押し上げてという競馬でした。多くの方の支持に応えられず、申し訳なかったです」

※あそこで動いてるようじゃG1勝てない。無理せずじゃねえよ。無理して上がったろ。

8着ブローザホーン 菅原明良
「ゲートを出て、良いポジションで折り合いもつきました。ただ、馬場が硬くて、スピードの乗りがよくありませんでした。柔らかい馬場で、しぶとさ勝負が良いと思います」