岩田康誠「お手馬降板」で武豊にチャンス…川田将雅より西村淳也を買いたい金鯱賞の展望と攻略ポイント
先週は小倉が終わって中山と阪神の2場開催だったが、今週から中京の開催も加わって再び3場開催となる。WIN5の対象レースは金鯱賞のみで、厄介な中京の準メインが含まれないのはマシか。
だが、金鯱賞の開催が1週繰り下がったのに伴い、これまでのWIN5と傾向が全く異なるのは注意が必要。常にこういった情報に聞き耳を立てていないと、当たり前のように条件を変えてくるJRAのワナにハマってしまう。
それではまず登録馬から見ていこうか。
第61回金鯱賞
アスクドゥポルテ 未定
キングズパレス 佐々木大輔
クイーンズウォーク 川田将雅
コパノサントス 未定
ディープモンスター 松山弘平
デシエルト 武豊
プログノーシス 西村淳也
ホウオウビスケッツ 岩田康誠
マイネルモーント 丹内祐次
ライラック 石川裕紀人
ラヴェル 北村友一
スプリングSの登録が12頭なら、こちらは11頭。どちらも少頭数で予想に点数は割けないかもしれないね。例によって某キチガイ掲示板の予想人気上位馬をピックアップする。
ちょwwwえwww、さすがに勝ち負けを考えると買えそうな馬が少ない。ねえ少なくない?
デシエルト(牡6、栗東・安田翔伍厩舎)
プログノーシスと人気を二分しそうなのが本馬。岩田康誠とのコンビでデビュー3連勝を決め、春のクラシック連敗を経て、戸崎圭太にスイッチ。ところが戸崎では初コンビのグリーンチャンネルC(L)を勝ったものの、以降は3連敗と壁にぶつかった。
そもそもなぜ戸崎という不可解さもあった中、ヤスに手綱が戻って徐々に復調。約1年半ぶりの芝に戻ったアンドロメダS(L)で川田将雅のロードデルレイ相手に3馬身半の差をつけて楽勝した。元々は芝でも強かった馬とはいえ、近走でダートの不振が続いたこともあり、8番人気まで評価を下げていた。この復活劇は、ただ馬に乗る訳でなく闘魂注入に貢献したヤスの存在が大きかったはずだ。
一時は芝で伸び悩んだ馬がダートに活路を求め、ダートでスランプに陥る状況を芝に戻って再浮上というレアケース。続く芝復帰2戦目の中日新聞杯(G3)でも再びロードデルレイを返り討ち。自身初の重賞制覇を飾った。
この連勝の価値を高めたのは、連敗を喫していたロードデルレイの日経新春杯(G2)優勝である。G3でデシエルトに完敗した馬がG2で3馬身差の楽勝をしたのだから、デシエルトもG2を勝てる実力があることは間接的に証明されただろう。
前走と同じ中京の中距離戦なら真っ先に狙いたくなるのだが、思わぬ形で誤算も生じた。というのも本馬の最大の功労者といって過言ではない岩田康誠から武豊への乗り替わりが発表されたからだ。
人によっては好き嫌いが分かれるヤスだが、こと馬乗りとしては国内トップクラスの腕前。何も考えないで乗っているように見える騎手が多数いる中で、ヤスは常にどうやったらチャンスがあるかを考えて騎乗してくれる。
人間的な問題もあって以前ほど騎乗馬の質はよくないが、その手腕は川田や息子の望来より上と言っていい。だからこそヤスならと考えていたにもかかわらず、この乗り替わりはかなり残念である。継続騎乗のホウオウビスケッツが奥村武厩舎の管理馬というのも大きいんだろうね。ヤスが騎乗馬減ったときもバックアップしてくれた恩がある。札幌記念(G2)を勝ったノースブリッジも奥村厩舎の馬だった。
幸いバトンを受けたのが武豊という点については好感が持てる。全盛期に比べて後ろから大外を回す大味なレースが増えたものの、この人はやるときはやる人。チューリップ賞のウォーターガーベラなんかは、権利を取るためにガチでイン突きを狙った。道中のペース判断の正確さにおいては断然の存在であり、逃げ馬に育ったデシエルトとの相性は悪くないだろう。
元々の血統もエアグルーヴ一族の系統で武豊ブランド。ヤスがベストなことは間違いないが、武豊ならと思えるコンビではある。ところで翔伍君とこで豊さんって違和感あるよな。あまり見かけないコンビの気がする。
プログノーシス(牡7、栗東・中内田充正厩舎)
デシエルトの乗り替わりには驚かされたが、プログノーシスの乗り替わりも同じくらいのインパクトがあった。
本馬は金鯱賞の舞台で圧倒的な存在感を放ち、G1タイトルにこそ手が届いていないとはいえ、海外遠征のG1で2着3回と申し分のない実績を持っている。当然今年も川田将雅とのコンビで3連覇を狙うと考えていたのだが、なぜか西村淳也への乗り替わり。
じゃあ川田は何に乗るのかという話になるが、騎乗予定は牝馬のクィーンズウォーク。昨秋のローズS(G2)でレガレイラを破って優勝したが、レースは超スローの前残り。休み明けの余裕残しで最後方にいたライバルが物理的に届く展開でもなかった。かといってクィーンズウォークが昨年の有馬記念(G1)に出走したとして、あのレガレイラに勝てるイメージは全く浮かばない。
管理するのも川田と親密な中内田厩舎のため、選択権は川田が持っていたはず。それでも僚馬のプログノーシスに乗らないのだから気持ち悪さしかない。
その一方、乗り替わる相手が西村というのは歓迎材料でもある。デシエルトの項で触れたロードデルレイは川田のお手馬だったが、西村が騎乗して重賞初勝利。以前の記事で西村が川田並の成長を遂げていると触れたこともあったように、川田ほど人気しないなら積極的に狙いたい馬となる。
実際のところ、川田が降ろされたのか自分から降りたのかは分からないけれど、今の西村ならプラス材料といえる。G1の3連覇はハードルが高くても、G2なら何とかなって不思議じゃない。ほら、アルバートさんがステイヤーズS(G2)で達成したよね。エリモハリアーさんも函館記念(G3)で3連覇したっけな。
まだ生物が肉体的に衰えの目立つ春前でもあり、実力的にはこの馬が一番ではなかろうか。
2021年の金鯱賞で最低人気のギベオンで、無敗の牝馬三冠デアリングタクト相手に大金星を挙げたのも西村淳也だ。
ホウオウビスケッツ(牡5、美浦・奥村武厩舎)
3番手評価は俺たちのヤスがコンビを組むホウオウビスケッツ。7月函館の函館記念(G3)で重賞初制覇を遂げ、メンバーが一気に強化された毎日王冠(G2)で2着、ドウデュースがクソ強かった天皇賞・秋(G1)で3着に好走した。ちなみにおじさんは、秋天派で天秋いうやつ絶対殺すマンです。
まあそれはともかくとして、いくらヤスが乗るにしても本物の強さは感じない馬であることは確か。函館記念も毎日王冠も秋天も展開とヤスの腕が際立つ内容。特に秋の府中なんてのは、超速馬場で開催されるのがほとんどであり、単純にスローペースを前にいただけ。そんな簡単なこともできないのが今の騎手連中だから、行動に移せるヤスが偉いのだ。
だからといって馬自身がそれほど強くないのも現実。春の中京はちょくちょくバカみたいな超速馬場で作られることもあるから、22年のジャックドールのような展開に持ち込みたい。
ところが、それを許してくれなさそうなのが、放置プレイで流れ込むホウオウビスケッツと違って自分で勝ちに行くレースを作れるデシエルト。スピードで太刀打ちできる相手じゃないから2番手がベターだろう。
よりによって最大の厄介な相手をヤスが自分で作ったのは痛恨だ。
とまあ頭数も少ないため3頭しか採り上げていないが、WIN5ならこれで足りそうな気もする。もし絞るなら西村淳也プログって気もするなあ。