阪神10R伊丹S(3勝)ダ1800
もし出走していたらジンセイと人気を二分していた可能性もあったロードクロンヌが回避。いずれも前走で同レベルのパフォーマンスを発揮して勝利した期待馬だった。
しかし、強敵が不在となったこともあり、3番手評価だったミッキークレストが対抗1番手に浮上。二強プラス1頭ではなく、大本命vs穴の構図となった。
ただ、個人的に人生の前走圧勝は、西村の隙のない騎乗が導いた結果という見立て。自らハイラップの競馬に持ち込み、後続を突き放して勝っていた。
これに対し、川田の場合はクイーンCのために東京にいたため乗り替わり。自分が乗っていた馬だから奪い返しただけ。芝で逃げていた馬だけに同じ逃げを打つパターンは、十分に想定されていたものの、先手を取りに行く乗り方はしなかった。
こちらについては戦前の予想でも触れていた通り、川田が自分からレースを作る展開なら勝ち目はないと考えた。ミッキークレストに3勝クラスを勝つ力はあれど、好時計で楽勝したジンセイが飛ばせば、追走で手一杯になる。だからこそ、ミッキーが勝つためには、川田に舐めた騎乗をしてもらう必要があったのだ。
それが断然人気でも1点にしてはならないと考えた最大の理由である。実際、川田は積極策を採らないまま好位での追走。代わりに逃げたバスタードサフランは5F通過64秒3のスローに落とした。それなら切れる脚もあるミッキーに勝機が訪れる。
また、この作戦を成功させるには、ミッキーがジンセイと同じような位置で競馬をしないといけない。
そういう想いに応えるかの如く、逃げた馬の2番手をキープしたガシマンの勝負勘も素晴らしかったといえるだろう。直線だけの勝負なら勝てる。
その割にジンセイも予想以上の上がりを使ったが、ゴール前でクビ差だけ届かずに2着。レース後に「上がりの速いレースでしたからね。勝ち馬が着差以上に強かったです」というコメントを残したのはミスを認めたくないプライドの高さゆえかもしれない。
ひとつ言えそうなのは、今の川田よりは西村の方が買えるということか。いくらいい馬を独占したところで、無難に回ってきたらと考えるのと、勝つならどう乗るかと考えるのでは違う。こういうのは外から競馬を見ているファンの方が敏感だ。
3馬身離されたポッドロゴは正直どうでもいい。これは川田が油断してガシマンが勝つための騎乗をしっかりしただけだと思う。
また、以前の記事で触れたWIN5対象レース1つ目の連敗も11連敗に更新。これはハッキリ言って「人災」に起因する敗戦だったと思う。
★次走注目
ジンセイ…状態に問題なければ確勝級
中山10RアクアマリンS(3勝)芝1200
いつもは普通に乗れない戸崎圭太が、最善の騎乗をして勝利した。戸崎の弱点は何といっても思い切りの悪さで受け身の競馬が多いこと。ただ今回は好スタートを決めたこと、最内枠を引けたことが迷いを奪った。
これなら包まれないように前に行くし、インには開幕週のグリーンベルトもある。下手糞ならとにかく逃げろと毎回言っているが、その言葉通りの快勝といえる。普通なら割引材料となるはずの騎手が、プラスアルファになったのだから申し分のない内容である。
対する1番人気レオテミスはスタートで行き脚がつかなかったことがすべて。これは前周パトロールを見て感じたのだが、2着スピードオブライトに騎乗していた石川裕紀人にハメられている。ちょうど前を追い掛けようとしたタイミングで蓋をされて押し込められてしまった。
これで身動きが取れないまま4番手でついていくしかなくなった。石川は相手を追いやった上で自分が2着に粘り込んだ。裕紀人、おまえいつかのまにそんな狡猾な競馬が出来るようになったんだ。
ここまで来ると後はもう中山の八百長馬場が結果に直結。開幕週の中山は、土曜メインのオーシャンS(G3)が、前後半33秒7-33秒4=1分7秒1のスローで前残りしたような超速馬場だ。行けるだけ行っても残れるのだから行かないとどうしようもない。前走の2勝クラスを1分7秒1の同タイムで走ったレオテミスなら問題ないはずだった。
だが、完璧に馬場と展開を味方につけたジューンブレアには願ってもない状況。レースラップも32秒7-34秒7=1分7秒4で古馬のスプリント重賞より速い前半ラップを刻んだ。もちろん、止まる訳がない。
石田君のレオテミスが3キロ増えたことは問題じゃない。明らかに行きっぷりが悪かったのだ。この疑問の答えが「スタートは想定内だったが、狭いところが得意ではない感じでした」というレース後のコメント。2着に負けた2走前の中京もそんな感じだった。
で、圧勝した前走は11番枠の外。なるほど、そういうことか。周りに馬がいると嫌がって進まなくなるところに外から石川が被せて万事休すだったのね。敗れたとはいえ、この馬が一番強いという結論に変わりはない。今回は不運も重なった上に戸崎が何もかも条件一致だっただけか。
★次走注目
レオテミス…中山芝1200なら引き続き確勝(外枠歓迎)
小倉11R関門橋S(3勝)芝2000
荒れていたのは芝1800m時代で、芝2000m条件の近年は1番人気、2番人気の勝利が続いていたレース。それなら脳死で上から2頭という考えも浮かんだが、やはり直感的に気持ち悪さが残る。
というのも、波乱続きだったアクアマリンSが荒れないと考えた以上、その逆パターンで小倉が荒れるオチは頭の片隅に入れておく必要があったからだ。
やっぱり荒れたよね。それでも実績上位のアスクドゥポルテが8番人気にとどまったのは、少々謎である。昨年8月に札幌で3着に敗れて以来の半年ぶりだったのはともかく、まともに走ればこのメンバーでは力が上だ。
どうせ上位人気だろうと思いきや、予想以上に軽視されていたと思う。当の自分も能力ならトップの評価をしていたにもかかわらず、関係者のコメントが弱気。河内調教師も「休み明けの分、緩さがあり、いきなりは……」と話していたらしい。
当然ながらファンが情報収集するのは関係者のコメント。だって直接取材できないんだから人頼みするしかない。だが、「その情報が間違っていたら?」騙されるよね。
案の定、レース後の西塚は「いい状態でしたし、自信を持って乗りました」だぜ?こんなバカな話があるか!だから新聞買うの嫌になるんだよ。追い切りの映像だってこんなレースは公開されないし。もう闇だね闇。競馬界の闇だよ。おまえらが嘘ついたら誰を信じりゃいいんだよ(苦笑)
ね、みなさんも新聞買うのはやめましょう。元新聞社にいた俺が言うんだからそうだよ。
収穫があったとすれば、WIN5の芝2000m条件で好成績だった斎藤新の好騎乗くらいか。半信半疑で見ていたけど一瞬勝ったかって思えた。芝2000の斎藤新はこれからも覚えておこう。残念ながらハナ差で負けたけど十分だったよ。
河内のおっちゃんが定年って話題になったけど、注目を集めたチューリップ賞(G2)じゃなくて、ひっそりと裏の小倉メイン。なるほどねえ、そういうオチでしたか。
★次走注目
ナシ
余談
見どころのあった鮫島克駿の本格化を待ち続けていたけど、今のままじゃそれもなさそうね。栗東は川田独裁政権に陰りが見え、西村時代に替わりつつある。ガシマンは苦手な後ろからの競馬を克服しない限り、西村には勝てなさそう。
今年のWIN5を単勝1倍台で負けた馬がこれ。
今回のジンセイで3勝5敗。いいですか?3勝5敗ですよ?2回に1回以上負けてますからね?ルメールが2敗で川田が3敗目。割と深刻なのは、ルメールの場合は馬が足りてなかったけど、川田の場合は確勝級のソンシはともかく、残りの2敗は油断と慢心で取りこぼしてると思う。
これからまだわからんけど、今の川田は疑っていいかもよ。