川田将雅はアドマイヤズームに騎乗せず…上位人気馬に不安の多いスワンSの展望【WIN5】
これ案外荒れそうな気もするなあ
京都11RスワンS(G2)芝1400
アサカラキング 牡5 岩田康誠 57
アドマイヤズーム 牡3 坂井瑠星 55
アルテヴェローチェ 牡3 佐々木大輔 55
ウインマーベル 牡6 松山弘平 57
オフトレイル 牡4 菅原明良 57
グレイイングリーン 牡7 高杉吏麒 57
シュタールヴィント 牡5 未定 57
ショウナンザナドゥ 牝3 池添謙一 53
シンフォーエバー 牡3 未定 55
スカイロケット 牡5 田口貫太 57
セッション 牡5 未定 57
ソーダズリング 牝5 菱田裕二 55
タイムトゥヘヴン 牡7 柴田善臣 57
ダンツエラン 牝3 松若風馬 53
バルサムノート 牡5 小沢大仁 57
ムイ 牝3 岩田望来 53
ランスオブカオス 牡3 吉村誠之助 55
レッドモンレーヴ 牡6 酒井学 57
ロジリオン 牡4 団野大成 57
ワイドラトゥール 牝4 北村友一 55
ワールズエンド 牡4 戸崎圭太 57※フルゲート18頭
目まぐるしく条件の変わるG3と違い、ずっと変わらないG2の話をする場合は安心感がある。スワンS(G2)といえば、いまだにノースフライトvsサクラバクシンオーの対決を鮮明に覚えているくらいだ。
おじさんの中で最強マイラーはノースフライト。マイル無敗で引退した名牝も1400ではバクシンオーに勝てなかった。ちなみにこのときの馬連は470円。ウインズ新宿で3000円だけ買った記憶が残っている。
当時は最低購入額が1000円。渋谷は500円で後楽園は当時から100円。人気馬を狙うときは新宿でもいいが、穴馬で万馬券を買いたいときは後楽園まで足を延ばした。スマホ片手にポチポチ買える今とは大違いの時代である。
大学の頃にウインズ後楽園でバイトした話については、こちらの記事で暇つぶし可能です(笑)。
また、今週末は13日の月曜がスポーツの日ということで3日間開催。日曜に2つの重賞をやれば済む話だが、月曜も馬券を買わせたいJRAは、日月で1つずつやる。こんなのは0.01ミリのコンドームのようなポジティブさはなく、それこそ貧乏な家のカルピスみたいなもの。
おまけに土曜までWIN5を売るようになっちゃったから、土日月で3回もあるんだよ。日月は仕方なく付き合ってやるけど土曜はさすがにやらないな。
ただ土曜については、キャリーオーバーになれば盛り上がるというメリットがあるかもしれないと感じたのが先週末のお祭り騒ぎだ。
しかし、レース回顧で指摘した通り、キャリーの土曜より大荒れした日曜にダブルキャリーとならなかったのは、富豪買い勢を本気にさせてしまったからだと考えている。
そういう意味では土曜がキャリーじゃなければ日曜にキャリーが発生していた可能性も高く、どっちにしても土曜WIN5はクソだの結論にしかならなかった。4票の的中者にしても6億円の払戻しにならず、結局土日で9億円の荒稼ぎに成功したJRAだけが笑う結果となった。
これじゃあ我々競馬民は、JRAに飼われている都合のいい家畜じゃないか。
あ、はい。それで合っていますが何か?
すみません。養分の癖に調子こいてました。
ということでそろそろスワンSの話に戻ろうか。
詳細については各馬の個別で触れたい。
アドマイヤズーム(牡3、栗東・友道康夫厩舎)
某デイリースポーツの危険な人気馬でいかにも名前を挙げられそうなタイプ。京都開催の朝日杯フューチュリティS(G1)で翌春の皐月賞馬ミュージアムマイルに楽勝しており、同じ京都のスワンSなら、惨敗したNHKマイルC(G1)の巻き返しに期待が持てそう。
その一方、晩成型のモーリス産駒という先入観は少々危険。断然人気のニュージーランドT(G2)で負けて、その後鳴かず飛ばずというパターンは2023年に同レースを7着に敗れたドルチェモアの先例があるからだ。
本馬は2着のため、ボンドガールのような善戦惜敗型かもしれないが、先着を許したイミグラントソングが凡走を続け、3着コートアリシアンも次走の新潟は快勝したものの、3勝クラスの秋風Sで8着に敗れた。そういう意味ではレースレベルそのものに疑問は残る。
そして注目すべきは川田将雅があまりにもあっさり捨てた点。日程の都合的に月曜は南部杯(G1)のウィルソンテソーロと被るため、裏事情があるにせよ、ガシマンを乗せてきたなら、岩田望来とママコチャのようにマイルCS(G1)で続投の線も十分に考えられる。克駿から奪ったジャンタルマンタルもいるしねえ。
悪意があるのを承知で話せば、川田は後輩騎手で好走した馬をジャイアンのように奪い、走らなければ「やっぱり返すわ」とドライに捨てる印象もある。基本的にオイシイところだけ欲しいから、アドマイヤズームにしても、やむなく降板といっていいのかは分からない。
故・近藤利一さんが存命の頃なら揉めたかもしれないが、今のアドマイヤにそこまでの面倒臭さはなく、むしろ了徳寺オーナーの方が厄介な人物として名の知れた御仁。格下相手にやりたい放題でも権力者には媚を売ると噂される川田君だけに、テソーロに逆らわない選択をしたのは、さすがの政治力といえそう。
※個人の感想です(定期)
最終的なジャッジは追い切り次第といったところでも、2歳G1を勝つような馬は、よほどの大物でもないと長続きしないのは歴史が教えてくれている。どうせ人気するなら疑ってみる手もありだ。
ウインマーベル(牡6、美浦・深山雅史厩舎)
馬場と展開がハマりそうな安田記念(G1)で特注の本命を打った馬。ガシマンに譲って強気に乗れなかった松山弘平の騎乗に不満は残ったけど、レース後には「言っていた通りの展開でしたね」「めっちゃ焦りました」という感想も多数いただいた。
高速馬場で1ハロン誤魔化す必要のあったマイルの安田記念からベストパフォーマンスを発揮可能な1400への短縮は好都合だ。
この手の前に行けるタイプの脚質なら、スプリンターズS(G1)で勝ち負け可能と見ていたにもかかわらず、出走しなかった理由は不可解だが、1着賞金5億円のゴールデンイーグル(豪G1・芝1500m)に使う話もチラホラ見掛ける。この辺は情報収集が足りていなくて何とも言えないが、1着賞金1億8000万円のマイルCSよりは魅力的か。
脚質で被るウインカーネリアンとの使い分けだった可能性は否めないが、いずれにしてもスワンSなら主役を張れる実力の持ち主であることに変わりはない。
ところが思わぬマイナス要因も浮上する。
この戦績を見ても一目瞭然なのだが、この馬はどうも京都コースが得意ではないらしい。同じ芝1400mでも2戦2勝の阪神や連対率100%の東京に比べると明らかに見劣る。切れる脚がない分、直線で坂のあるコースが得意で、平坦の京都は切れ負けするのだろうか。
まあそれでも去年のマイルCS3着の実績を考えれば無視できない。追い切りをしっかりチェックしてから結論を出したい。
ランスオブカオス(牡3、栗東・奥村豊厩舎)
新馬勝ちの内容がよかったため、朝日杯FSでもマークした馬。アルテヴェローチェを軸にしてしまったので馬券は外れたが、前残りのレースで後方から末脚を伸ばして3着に善戦した。
まあこれでバレちゃったから、きさらぎ賞(G3)で4番人気になって3着。続くチャーチルダウンズC(G3)でアルテヴェローチェを破り重賞初制覇を成し遂げた。てかなんだよチャーチルダウンズCって。アーリントンCでいいじゃん。
NZT組が悉く凡走する中、完全な差し馬場で先行して5着なら見た目ほど悪くはない。通過順位を見ても分かる通り、逃げ先行勢の多くが直線でズルズルと後退している。
1着パンジャタワーはキーンランドC(G3)、7着マピュースも中京記念(G3)で通用したなら、レースレベルはまずまず。売り出し中の吉村誠之助が騎乗するのも面白そうだ。
ワールズエンド(牡4、栗東・池添学厩舎)
強い馬で回ってくるだけの新潟日報賞(3勝)を大楽勝。得意としている京都コースの適性もある馬ならチャンスは十分といったところ。とはいえ、格下相手に強い競馬をしても、割とあっさり負けているのも注意が必要だ。
わざわざ圭太ちゃんが京都まで乗りに行くのも歓迎したくない(笑)。
一応前走はレコードの出る高速馬場だったとしても差しも決まっていた新潟。関屋記念のカナテープを見ても逃げ先行向きではなかったと思う。だからこそ差されなかった事実に対する評価はした方がよさそう。勿論7月新潟の芝1400m条件で最速の勝ちタイムだった。
京都もまだ馬場が不鮮明。春は完全な差し馬場だったし、秋は内前の傾向。枠で結果が左右されそうな雰囲気も否定できないね。
オフトレイル(牡4、栗東・吉村圭司厩舎)
一言でいうと「強いのか弱いのかどっちか分からん」馬である。
レベルの怪しかった昨年のラジオNIKKEI賞(G3)を勝ち、アタマ差で2着に入ったシリウスコルトは田中勝春厩舎で再生されて復活。今年の新潟大賞典(G3)で重賞初制覇を決めた。
本馬の魅力は何といっても切れる末脚だ。戦績を見ても分かる通り、京都で切れ負けしていたウインマーベルと逆のパターン。確かにローカル福島も平坦コースである。コース適性なら完全にウインマーベルよりこちらかもしれない。
好走を後押しするのは菅原明良が手綱を取ること。左回りしか上手く乗れないイメージは、彼が中山を大の苦手にしていることが理由。実際のところは中山だけが苦手で京都や阪神は普通以上に乗れている事実に気付かないといけない。
こちらは重賞限定の成績なのだが、こんなにわかりやすい騎手が他にいるだろうか。
中山が得意で関西圏が苦手な横山武史と正反対、菅原明良は中山が苦手だが関西圏は得意なのだ。
こういうところもみんな個性だよね。後ろから競馬するタイプだから、外を回しての差し切りは向かなさそうという懸念はあるけど、一発の魅力は十分ですなあ。
多士済々の穴馬たち
ここで名前を挙げた馬以外にも、展開の利があるアサカラキングやまだ不気味なアルテヴェローチェ、1分18秒3のとんでもないレコードの出た京王杯スプリングC(G2)で、トウシンマカオやママコチャに続く3着に食い込んだロジリオンなども気になる。
ひとつ言えることがあるなら、短距離馬は調教の動きが結果に直結する馬が多いこと。馬なりなどで緩い仕上げをしている陣営は割引材料になりそうだ。















