最弱世代(仮)に立ちはだかったレベルの壁…クロワデュノール筆頭に3歳世代の躍進も予感
秋G1で5歳世代の出番はあるか
世代別重賞勝利数の比較
先日の宝塚記念(G1)を制したメイショウタバル。見事な騎乗で勝利に導いた武豊やレジェンドに託した石橋守調教師、そして彼らを長年見守り続けた松本オーナー、父ゴールドシップといった人馬の絆にスポットライトが当たった。
メイショウタバルは早い時期から素質の高さを評価されていた一方、前進気勢の強さが出世を阻んでいた馬である。前任者の浜中俊も彼なりに試行錯誤があったと思われるが、パートナーが持っている本来のポテンシャルを発揮するには力不足だったことは否めない。
ただ、クラシックで善戦することのなかった本馬がG1をすんなり勝ったことにより、現4歳世代の強さが改めて浮き彫りになったともいそうだ。
実際この世代の層の厚さはファンの間でも評判になっており、それは安田記念(G1)をジャンタルマンタルが快勝して見せたことでも証明されている。
まず資料的な意味も兼ねて近年の世代別G1勝利をこちらに掲載する。※対象はJRA・G1のため、ドバイやサウジ、香港のレースは含めないものとする。
現4歳世代
昨秋のG1戦線では勝利がなかったものの、暮れの有馬記念(G1)でレガレイラが古馬を相手に初勝利。今年の上半期のみで既に4勝を挙げている。これに本来ならジャスティンミラノもいたわけだから、同馬の早期引退は非常に惜しまれる。
ステラヴェローチェ(桜花賞)、チェルヴィニア(オークス、秋華賞)
ジャスティンミラノ(皐月賞)、ダノンデサイル(ダービー)、アーバンシック(菊花賞)
※これにダートならフォーエバーヤングという傑物もいる。
現5歳世代
ブレイディヴェーグが唯一古馬相手にエリザベス女王杯(G1)を制した。古馬になった翌年のG1勝利が、ベラジオオペラとルガルのみというのは物足りなさを感じる。
唯一のG1・2勝馬となったが、下の世代の伏兵の後塵を拝した。
リバティアイランド(牝馬三冠)
ソールオリエンス(皐月賞)、タスティエーラ(ダービー)、ドゥレッツァ(菊花賞)
現6歳世代
5歳、6歳を含むため、派手に見えるといっても4歳時に7勝を挙げたのは突出している。イクイノックス、ドウデュースといった逸材がいたことも大きい。この世代は本当にタレントが揃っていた。今年の宝塚記念でもジャスティンパレスが3着に食い込んだ。
スターズオンアース(桜花賞、オークス)、スタニングローズ(秋華賞)
ジオグリフ(皐月賞)、ドウデュース(ダービー)、アスクビクターモア(菊花賞)
対抗できそうなのはやはり3歳か
こうして振り返ってみると、クラシック戦線で活躍した馬が継続して結果を残しているか、クラシックで結果の出なかった、もしくは参戦の叶わなかった馬が勝ち星に貢献しているパターンか。
もちろん、海外遠征で結果を出した馬もおり、一概に国内のレースだけで決めつけてしまうには幾らかの問題もあるだろう。
とはいえ、やはり現5歳に“史上最弱世代”のレッテルが貼られそうなことは、なんとなく理解が追いつくのも実情かもしれない。
まあ本サイトは原則として、WIN5対象レースがメインのテーマとなるため海外のレースは無関係の扱いだ。そういう意味では上半期のみで、評価の高い6歳世代の勝利数を上回った4歳世代の強さばかりが目立つ。この流れなら下半期のG1も4歳世代が大量に攫っていく未来がありそうだ。
これに対し、個人的に評価したいのは現3歳世代だ。
現時点で怪物級の馬がいるかどうかといえば、クロワデュノールの皐月賞敗戦でケチがついてしまったが、ダービー2着マスカレードボールをはじめ、今度が楽しみな逸材もそこそこいる。
古馬が相手となる秋からのG1戦線で、3歳世代がどれくらい強い4歳世代に通用するのかも見てみたい。