横山武史「中山合わない」vsマスカレードボール「東京合わない」…ワイ「そろそろ頼むやで」

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横山武史「中山合わない」vsマスカレードボール「東京合わない」…ワイ「そろそろ頼むやで」

人馬ともに負けられない競馬の祭典

中山11R皐月賞(G1)芝2000

今週は5月4日の天皇賞・春(G1)を前にG1も中休み。マイラーズC(G2)やフローラS(G2)といった重賞も控えているが、皐月賞(G1)が盛り上がったため、もう少し記事を書いてみたい。

当方の発信を知っている諸兄は、デビュー当時からマスカレードボールのことを高く評価していたことを覚えていると思う。何しろホープフルS(G1)でもクロワデュノールに勝てると信じていた馬でもある。

ただ、鞍上の戸崎圭太に関しては歓迎していなかったことも事実。昨年のG1戦線でオークスや日本ダービーだけでなく、秋華賞や菊花賞で実力不足を露呈していたからだ。プレッシャーのなくなった有馬記念を勝ってしまうあたりは、いかにも戸崎圭太という感じだった。

こちらは騎手のドラマ云々よりも推している馬に勝って欲しい方が優先。勝てる騎手に乗ってもらいたいと考えるのは、おかしな話でもない。

で、志半ばで引退したマスクトディーヴァの半弟は、現役時代に好きだったドゥラメンテ産駒。種牡馬リーディングを一変させるほど期待を集めた馬も、まだまだこれからという9歳の若さで早逝してしまった。後継種牡馬としてマスカレードボールにかける期待も大きい。

信じていたマスカレードボールの復権

勝ち負けを信じていたからこそホープフルSの大敗はダメージを受けたが、仕切り直しの一戦となった共同通信杯(G3)は、坂井瑠星と新コンビを組んで着差以上の強さを見せて圧勝。下火になった期待がまた燃え上がった。

ガシマン(ガシガシマンの略)とチャーミングなあだ名をプレゼントした坂井瑠星は、本人の努力もあるが類まれな幸運の持ち主でもある。スタニングローズで初G1制覇を遂げた2022年の秋華賞(G1)では、春二冠を制したルメールのスターズオンアースがスタートで挟まれて出遅れて取りこぼし。2勝目を挙げた22年の朝日杯フューチュリティS(G1)は、何のミスも犯さずにデビュー2連勝していた横山和生から奪う格好で勝利した。

極めつけは戸崎圭太から乗り替わったレモンポップ。コンビ結成して国内G1を6戦全勝で締めくくったほど好相性だった。フォーエバーヤングとの出会いも師匠の矢作芳人調教師がいてこそ。なかなかのサクセスストーリーだと思う。

だからこそ継続騎乗で皐月賞なら俄然楽しみが増えると期待していたのだが、本番でジュタに騎乗してマスカレードボールは新たな鞍上に横山武史を迎えることとなった。武史といえばエフフォーリアでブレイクして関東リーディングを戸崎圭太から奪うほどに急成長。父の横山典弘もデビュー前から才能を評価していた逸材だ。

横山武史の継続騎乗は素直に喜べず

しかし、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せた若武者も、ソールオリエンスの皐月賞を最後にG1勝利から遠ざかり、日本ダービー(G1)で単勝1倍台に支持されたエフフォーリアやソールオリエンスで未熟さを見せてしまった。

中でも象徴的だったのはナミュールを降板した2年前のマイルCS(G1)。勝てない武史にしびれを切らした陣営が富士S(G2)でモレイラを起用して快勝。本番でもR.ムーアを予定していたが、当日の負傷で藤岡康太に急遽乗り替わり。オールドファンなら高橋亮から安藤勝己に乗り替わった途端、1番人気に浮上したダイタクリーヴァの2000年と逆パターンだと思い出す。

しかし、乗り替わってもアグネスデジタルの激走に屈したダイタクリーヴァとは違い、ナミュールは人気が下がっても勝ってしまった。これには「武史で勝てなくても康太で勝てた」事実が強烈な印象を残した。

単純な好き嫌いだけで話している訳ではないことを数字でも証明するのが重賞成績のこれ。21年をピークに明らかに勝負弱くなっていることが分かる。

さらに致命的なのは中山と東京の差だ。

これはピーク時を含めたものだが、例えばWIN5対象レースに限定した2022年以降の成績(芝限定)を抽出するとこうなる。

これを逆手に取ったのが、皐月賞の共同会見で武史がマスカレードボールのことを「中山は合わない」と評したのを承知で「でもおまえは中山得意だろ」と、あえて逆張りで狙い撃ちした理由だ。

「中山が合わない」マスカレードボール、「東京が合わない」横山武史。このジレンマは舞台が東京へ替わるダービーでも頭を悩ませられることとなるだろう。

とはいえ、昨今の競馬で重要な騎手の差を考えれば、比重の大きさは「東京が合わない」横山武史のマイナスの方が痛いか。

人馬で逆の弱点がポイント

当の武史は皐月賞で好走しても「中山が合わない」イメージに変わりはない様子。レース後に「会見でも話した通り、中山はあまり得意ではありませんが、今日は能力だけで来てくれたと思います。馬が順調でダービーを使えるようでしたらかなり楽しみです」とコメント。ニュアンス的にダービーの継続騎乗が濃厚と読み取れる言葉である。こうなったらもうこちらも腹を括るしかなさそうだ。

ポジティブに受け取れば、無敗の二冠が懸かっていた先輩2頭に対し、勝てば自分の手柄にできるマスカレードボールは少し気楽な立場。過去の苦い経験を糧に壁を乗り越えることに成功すれば、不振な現状を打破するきっかけもつかめるはず。

こんな長文をダラダラと書いた割に締まりのない原稿にしてしまった自覚はあるが、人間的に好青年の横山武史を嫌っている訳じゃないことも伝われば幸い。できることなら不安を跳ね返してもう一度ブレイクして欲しい。

こうなったら武史を信じるしかねえ

でもねえ、武史君って芝の重賞で去年のフローラSをアドマイヤベルで勝ったのを最後に45連敗中なのよ。

横山武史【0- 4- 5-36/45】勝率0.0%、連対率8.9%、複勝率20.0%。

おじさんが複雑な想いで見守っていることも分かって欲しいな。