~今週のWIN5対象レース~

京都10R 令月S(OP)ダ1200
東京10R 初音S(3勝)芝1800
小倉11R 小倉日経賞(OP)芝2000
京都11R きさらぎ賞(G3)芝1800
東京11R 東京新聞杯(G3)芝1600

消えた「約2700万円」は事実上のキャリー!?今年初の億超えWIN5は的中5票

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 キャリーオーバーに沸いた1月19日のWIN5。この日の最終関門となった京成杯(G3)を11番人気で制した津村明秀とニシノエージェントのコンビが4年半ぶりの珍事をもたらした。

 もはやお祭り状態といえる一大イベントの参加者は爆増し、2011年4月24日の第1回から14年目にして売上げ最高額の52億6668万円を記録。それまでのレコードだった34億9934万円を大きく上回ったのだから、人は欲望に素直な生き物であると実感もした。

 注目を集めた1月26日の開催は、5-5-1-5-1番人気の決着で516万3170円と魅力的な高配当。見た目の数字だけでは伝わりにくいが、票の集中した上位人気馬の次のグループにいた馬がちょうど5番人気前後だったこともあり、本命党や少額購入勢にとっては、裏をかかれやすい結果でもあった。

 もちろん、こちらについては大金を投入するガチ勢にしても同じ。5つもある対象レースでどこが荒れるのかを見極める必要もあった上、レース直前まで人気の入れ替わりもあった。結果的に上から5頭を何も考えないで購入すれば的中できたことになるものの、それはあくまで結果を知っているからこそ成立する話だろう。「後出しじゃんけん」でタラレバの話をやり出すとキリがない。

 また、今回のキャリーオーバーは余韻の残る翌週にも少なからず影響を及ぼした。というのも運よく516万円をゲットしたファンはもう一丁と欲が出るし、これまでWIN5を購入したことがなかった層も多少なりとも興味が沸いたはず。そういう意味では、毎週参加している組からすれば、売上げが増えるイコール払戻も比例するのだから歓迎だ。

 事実、キャリーチャンスのあった52億には遠く及ばないながら、2月2日の売上は10億5955万円という驚きの数字。これがどれほど異質なものであるかは、昨年のWIN5で10億円を超える売上げをマークしたのが有馬記念(G1)の開催があった12月22日のみだったことでも分かる。G1でもないシルクロードS(G3)や根岸S(G3)の日に有馬記念の日と変わらない金額。これは間違いなくキャリー効果だろう。

 ここまではある程度想定内の出来事ではあったのだが、やはり問題は週末を襲った雨である。雨で気温が下がり、馬場も渋ると各レースに騎乗する騎手も消極策を採る傾向に拍車がかかる。道中の流れでスローペースが増えるのも、そういった人間心理が働くからにほかならない。そう、寒いとエロい気分になりにくいのも同じか。

 そんな伏線もあった当日のWIN5は、案の定おかしなことになった。

 1レース目の京都10R八坂S(3勝・芝2200m)は、マイペースに持ち込んだ団野大成のロングスパートに単勝1.5倍のインザモーメントに騎乗した川田将雅が翻弄され2着。いつでも交わせると最後まで動かなかった大本命相手に積極策で交わしに行ったリビアングラスが殊勲の勝利。ガシマンこと坂井瑠星もそこまで深く考えてはいなかっただろうが、勝利への執念の違いが明暗を分けたのではないか。3番人気馬の勝利とはいえ、川田の馬はシェア51.6%。この段階で早くも半数の票が死んでしまった。

 対象2レース目の東京10R節分S(3勝・芝1400m)は、津村の1番人気サトミノキラリが後方のまま6着に敗れたが、勝ったのは2番人気オードリーバローズ。前者はシェア34.0%で後者は22.5%だから、ここでも残存票は6分の1まで減っている。これくらいの波乱はよくあることであり、普段からWIN5をやっていれば平常運転に近い。

 しかし、「いかんともしがたい」のは、小倉11R門司S(OP・ダ1700m)である。重のダートを後方から突き抜けて3馬身差で楽勝したのは、なんと16頭中15番人気のホールシバンと秋山稔樹のコンビ。一時は最低人気だった本馬の激走を見抜くのは至難の業だ。

 いくら調教師が最近で一番の仕上がりと前向きなコメントを残していたとて、22年8月新潟のBSN賞(L)2着を最後に昨年11月まで凡走と大敗を繰り返していた馬の一変は想像できない人間の方がはるかに多かったに違いない。不思議なことに1503票も残っていたのは、予想を放棄して全通り買いに近い攻め方をしていた人間ではないだろうか。

 続く対象4レース目の京都11RシルクロードSもまた、9番人気の伏兵エイシンフェンサーと川又賢治のコンビが穴を開ける難解な決着。59.5キロのハンデを嫌って回避したビッグシーザー、直前で馬体に異常を表明したソンシ、ゲートを飛び出してしまったセントメモリーズと、公私混同したまま週6で通うジムトレーナーと暗闇の密室で6時間一緒にいて何もない訳がなかろうといった感じ。ちなみにデビュー9年目の川又君は、これが嬉しい重賞初勝利だった。横山武史と同期というのだから環境の違いを感じずにはいられない。

 最後の根岸Sは、その武史が乗った2番人気コスタノヴァの勝利でようやく落ち着気を見せた。このレースは過去10年で1番人気が6勝を挙げている堅い傾向のレースだったものの、2番人気なら荒れた内に入らない。

 とはいえ、終わってみれば3-2-15-9-2人気。4つ目が終わって50票も残っていればキャリーオーバーは夢のまた夢。めでたく生き残った5票の猛者たちは、それぞれ1億2130万4820円を手にすることに成功した。こればかりは結果が分かった上でも的中できたイメージは湧かず、ただただどういう発想をすれば、こんなのが拾えるのかという羨望と無力感が残るだけである。  小倉の秋山君にしろ、京都の川又君にしろ、WIN5対象レースの勝利は1年以上も遠ざかっていた2人だ。その2人がまさか同日に連敗をストップしてしまったのだから無理ゲーと諦めたい。

 それに小倉の波乱を察知できても京都の波乱はレアケース。シルクロードSなんて15年連続で勝ち馬は4人気以内、9番人気以下の馬が勝ったのも2002年の14番人気ゲイリーフラッシュ。つまり23年ぶりの大波乱といったところ。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」といっても20年以上荒れていなかった事実を優先すべきだ。

 そして、そんな絶望を味わされながらも最後に残った希望が、ソンシの除外により発生した1億9308万7100円の返還。これにより、ソンシを含む買い目の金額はファンの手元に無事戻ってきた。キャリーオーバーとは似ても似つかないが、シルクロードSまでに死亡していたとしても、「ハズレ」の扱いにならないのは金の亡者JRAに残された最後の良心かもしれない。

 ともかく、ソンシを買っていた人間は、最高なら全額、最低でも何分の一かは賭け金が戻ってくる。むしろ、気の毒なのは本来1億4833万円が想定だったにもかかわらず、そこから約2700万円も引かれてしまった的中者。もし自分が当事者なら「足りねえよ」と文句のひとつも言うが、億超えしているのだからまあいいじゃないか(笑)。

 今回は天気が崩れることも分かっており、最初から攻めた金額は入れなかった。ここは “事実上のキャリー”といえそうな返還された額を繰り越して次回の的中へと繋げたいところ。幸い近5年の傾向は比較的平穏決着が多い。勝負するならこのタイミングか。

■ギャン中おじさんのワンポイント(オマケ)

 比較的堅めの決着が多い4レース目なのだが、なぜか今年はここでちょい荒れしているパターンも散見する。

 4つ目は3歳馬の重賞きさらぎ賞。ビックリするような波乱はないが、たまに穴馬の出番もある。京成杯が荒れたように油断は大敵。最後まで気を抜かずに精査したい。