先週行われた重賞は京都のきさらぎ賞(G3)を西村淳也と1番人気サトノシャイニングのコンビ、東京の東京新聞杯(G3)を3番人気ウォーターリヒトと菅原明良のコンビがそれぞれ優勝した。
毎年のようにルメールと川田がリーディング争いを繰り広げる近年だが、1番人気ブレイディヴェーグと2番人気ショウヘイは人気を下回る着順に凡走。もちろん、敗れたといっても騎乗ミスが原因と追うほどの内容でもなく、単純に馬の力が足りていなかったというのが実際のところだろうが、彼らがエンジンを上げてくるのはもう少し時間がかかりそうな雰囲気である。
ただ、西村は25歳で菅原も23歳と若く、世代交代が望まれる競馬界において新星登場といった感じ。菅原明良においては勝利騎手インタビューの際、額の広さが気になったファンもいたらしく、藤岡佑介の後継者という見方もあるかもしれない。
東西で輝いた新星の光
彼らが乗れる若手であることは今更驚くことでもないのだが、アバウトな感覚で認識するよりも実際に数字で確認してみる方が話は早い。そこで主だった騎手の成績で比較をしてみよう。
西村が8年目、菅原が7年目のため、対象は同じくデビュー当時の成績。まずは川田から。
デビュー年は16勝と少なかったが、乗れる若手として徐々に頭角を現し、着実に勝ち鞍を量産。8年目に3桁勝利に乗せた。その後も持ち前の政治力を生かし、厩舎やノーザンの信頼を勝ち取り、天敵のルメールが勝手にこけたとはいえ、2022年には念願のリーディングを獲得。ファンによって好き嫌いが大きく分かれるタイプだが、その実力は確かだ。
対する西村淳也はどうか。同時期の数字としても遜色ない好成績を残していることが分かる。川田が初の3桁をマークした8年目が今年にあたる。
このまま好調が続くようなら達成に現実味を帯びてくる。その勢いを証明するかの如く、今年制した日経新春杯(G2)は川田のお手馬だった4番人気ロードデルレイで快勝。1番人気ヴェローチェエラで4着に敗れた川田としては面白くない結果だったのではないか。また、きさらぎ賞のサトノシャイニングにしても松山弘平の乗っていた馬。憶測に過ぎないことは承知の上だが、杉山晴紀厩舎は松山から西村へシフトしつつあるように映る。
ローカル大将の吉田隼人が嫉妬する成績を残して主開催に進出。重賞だけでなくスプリンターズS(G1)を制したのだから、順調なら出世コースに乗れそうだ。
そして、全体リーディングに目を転じれば、坂井瑠星の存在は見逃せない。参考までに彼がデビュー当初の成績は以下。順調にというより2022年から急激に成績が上がっている。その象徴といえるのがスタニングローズで優勝した秋華賞(G1)だ。これで関係者のハートを掴み、強奪する側の立場にステップアップした。
彼の課題は逃げ先行に特化している点だ。当方も「愛情をこめて」ガシマンというあだ名をつけているくらいだが、差し追込みはやはり苦手な印象が強い。最短距離をロスなく走れるのと脚を余さない、スローの前残りが多い日本競馬の追い風もある。下手糞なら逃げてしまえば展開の助けがあるという通り、理にかなった乗り方だ。
とはいえ、このままでは中舘の上位互換で終わる可能性もある。本当の意味でトップジョッキーを目指すなら真の実力を求められる後ろからの競馬でも頼れるジョッキーになる必要があるだろう。
では、関東の話に移ろう。関東は佐々木大輔のブレイクが話題となっているものの、彼はもう少し時間を要しそうな状況。というのも頼みの堀厩舎が外人優先主義であり、その分だけチャンスが減るからだ。ただ須貝尚介厩舎のバックアップは心強い。限られたチャンスをモノにして結果を残していけば、有力陣営からの騎乗依頼も増えそうだ。
後回しになったが菅原の成績を見てみようか。いまだに戸崎圭太が馬質にモノを言わせて幅を利かせているが、菅原明良もなかなかのもの。これだけでも十分乗れる騎手だが、足かせとなっているのが中山の成績。
どうも右回りや左回りというよりコースそのものを苦手にしている感じ。左回り専用機と名付けた理由も東京や新潟で穴を開けるからであって、専用といってしまうにはオーバーな表現ではある。
ただ、これを重賞限定で抽出すると解像度が上がる。関東圏で騎乗した場合は、左回り専用機という言葉に説得力もついてくる。その逆に関西圏では別人と言っていいほど右回りで圧倒的な好成績を残した。宝塚記念(G1)のブローザホーンなんかもそうだった。
こうして重賞の成績を振り返れば、左回り専用というより中山だけダメダメなタイプといった方がしっくりくるかもしれない。
あと、オマケで横山武史のデビューからの成績も載せておく。エフフォーリアとの出会いで一気にブレイクし、ノーザンから関東の馬ではルメールの2番手まで上り詰めた。相手が戸崎しかいないとはいえ、関東リーディングを取ったのだから価値もある。
決して乗れない騎手ではないのだが、エフフォーリアの急変とともに成績は急落。好調時に見せた強気な騎乗や見るものが驚くような勝利は激減した。まだ若いから調子の波はあるだろうが、リーディング争いで戸崎に後れを取っているようでは困る。横山家については繊細なファンが多いため、あまり多くは触れないようにする。
最後に当サイトがWIN5に特化していることを踏まえた上でリーディングについても少々。
◆全体リーディング
◆WIN5リーディング
似て非なるものがWIN5のみの成績だ。基本的に乗れている騎手と乗れていない騎手の違いはこの成績が大きい。なぜなら回ってくれば勝てる馬にいかに多く乗るかがポイントとなる通常のリーディングに対し、特別戦以降が大半のWIN5では技術がなければ結果を残せない。信頼度の低い騎手ほど2着の数が比例して増える。※騎乗馬の質が低い騎手の場合はそうではない。
この手の数字を分析すれば、ガシマンや戸崎、川田がWIN5ではアテにならないことも一目瞭然。まあ川田に関してはいずれ調子を上げていくはずだ。
ということで、まだ2月半ばではあるが、覚えておいて損はない情報だとは思う。











