「ロードクロンヌは消し」でいいかも…高松宮記念より妙味あるマーチSの展望と攻略ポイント
最注目はG1の高松宮記念となる今週末だが、その前に立ちはだかるのは中山メインのマーチS(G3)だ。実力拮抗の好メンバーが出走を予定しているため、点数を絞るのは難しい。
過去10年の勝ち馬人気も1番人気1勝、2番人気2勝に対し、5番人気以下が7勝しているように波乱の傾向。うまく突破してリーチに繋げたい。
マーチS(G3)登録馬
ヴァンヤール 石川裕紀人
オンザライン 未定
キタノリューオー 原優介
コパノニコルソン 未定
ストライク 未定
スパイダーゴールド 未定
スレイマン 戸崎圭太
ダノンスコーピオン 大野拓弥
ハビレ 三浦皇成
ピュアキアン 吉田豊
ブライアンセンス 岩田望来
ブレイクフォース 菅原明良
ペイシャエス 横山和生
ホウオウルーレット 田辺裕信
マテンロウスカイ 横山典弘
ミッキーヌチバナ 丹内祐次
ロードクロンヌ 藤岡佑介
下馬評では、前走の上総S(3勝・ダ1800)を5馬身差で圧勝したロードクロンヌが人気を集めそうな雰囲気だ。ここも勝ってダート無敗の5連勝になると、秋のG1獲りも視野に入ってくるだろう。鞍上の藤岡佑介はダートの中距離で抜群の安定感がある。ただ人気に応えるよりも穴で期待したいタイプ。どこまで信用できるか。
これを追うのが三浦皇成の期待馬ハビレ。オープン昇級後は2走続けて2番人気で2着に惜敗したものの、そろそろ順番が回っていい頃合い。問題は信頼に欠ける鞍上だが、芝に比べるとダートはマシな方。展開と乗り方次第でチャンスがある。
出て来たら不気味なのは横山典弘とマテンロウスカイのコンビ。昨年の中山記念(G2)を制した芝の実力馬だが、連覇を狙った今年は9着と振るわなかった。芝からダートの転戦で新境地を開拓したい。きょうだいはダートもこなしており、母系は問題なしなら適性はありそう。
昨年の3着馬ペイシャエスも侮れない。G1では底力不足もG3なら上位。昨夏のエルムS(G3)でドゥラエレーデやテーオードレフォンを撃破している。勝ち切れない側面はあるものの、この条件得意の和生は魅力だ。
これに昨年の同レースを1番人気6着に敗れたブライアンセンス、ミッキーヌチバナ、ホウオウルーレットらが続く。
一筋縄ではいかなさそうなメンバー構成
G1の裏開催ということもあり、騎乗予定の騎手も未定がチラホラ。戸崎圭太の空き巣は平常運転だが、前走を自身の手綱で勝利したヴァンヤールではなく、なぜかスレイマンと初コンビ。プロキオンS(G3)で先着した相手のヴァンヤールより勝算が高そうという目論見なのかもしれない。
ホウオウルーレットも面白い馬だが、本馬は岩田康誠の騎乗が好走条件。田辺は一度コンビを組んだ福島で圧勝しており、今回も腕を試されそうである。
さて、他所で読めない記事を書くのが売りの当サイトだけに、そんな当たり前の話をしていても意味がない。ここからは予想も踏まえた攻略に切り替える。
まずは過去10年の勝ち馬と前走の成績から振り返る。
ホットゾーンはご覧のように5678番人気。10番人気までケアしようとすると点数が足りなくなるので諦める。というかインカンテーションって強かったよなあ。三浦でも重賞勝ち負けしていたくらいだし。
3勝クラスを勝ち上がったばかりの馬は、サトノティターンのみ勝利。ただこの馬は石橋脩を乗せても東京のダ2100を楽勝するだけのスタミナを持っていた。だからこそ1800の距離短縮でも問題なかったと見る。ポルックスSや総武Sといったオープンの場合は3勝している一方、昇級初戦の馬は通用していない。今年該当するのはロードクロンヌ、ストライク、オンザラインの3頭となる。
そして穴党に必須の作業となるのは、やはりどういうタイプの馬が1番人気を裏切ったのか。こちらも過去10年でチェックする。
前述した通り、一際目立つのは断然人気で14着に敗れたアメリカンシード。直前の3連勝がすべて圧勝だった上に前走も中山ダ1800の同舞台。ルメールが高松宮記念を捨ててまで乗ったという噂を信じたファンも単勝1.4倍に支持したが、WIN5が大波乱となるトリガーになっただけ。 この年は6422万3700円と荒れに荒れた。
1番人気候補ロードクロンヌは消していい?
そこでの思い出したいのは、当方が1点にして後悔した総武Sのムルソー。臨戦過程で他馬を凌駕していたにもかかわらず、こちらも1.4倍を裏切って4着に敗れた。そのムルソーがブエナビスタC(3勝・京都ダ1900)で1分57秒3をマークし、圧倒していた相手がロードクロンヌだった。
それぞれ土日のレースで馬場差の誤差もないに等しい。こちらは1分58秒8で1秒5も遅かったのだから、ムルソーパイセンの二の舞になっても不思議ではないはずだ。
これを予感させるのが、今年の中山ダ1800における勝ち時計の比較。稍重で1分52秒1はこれといったインパクトもなく、良のマーブルロックとも大差がない。それでもゴール前で余裕十分だったのならともかく、5馬身差の見た目だけに惑わされてはいけない。
前傾ラップを早め抜け出しで押し切った内容は評価しても、懸念材料はL3で刻んだ12秒4→12秒6→13秒5。これは完全に脚が止まっている。メンバーが強化される今回、直線半ばで交わされる未来が思い浮かぶ。ちなみに上総Sの2着ストライクは1分53秒0で走破していたが、本馬の次走・韓国馬事会杯(3勝)の勝ちタイムは同じく稍重で1分52秒9で誤差の小ささに頷ける。
当欄の想定は「ロードクロンヌは消し」の結論といきたい。
妙味がありそうなのは差し馬
逃げるのはまた吉田豊のピュアキアンだろうが、マークは薄くなっても展開の味方なしに勝ち切れるだけの実力はない馬。ロードクロンヌも早めに前を捕まえに行きたい馬だけに楽は出来ない。そもそも中山ダ1800という条件は、アホみたいに前が残るか、バカみたいに差し追込みが決まるかの両極端な舞台設定だ。今回は前が削られそうだから後ろからの競馬がハマると予想したい。
イメージ的に候補として考えたいのはブレイクフォース、ミッキーヌチバナ、ブライアンセンス、ペイシャエスあたり。ちょうど5678番人気くらいっぽくない?
ヴァンヤールとスレイマンについてはもう少し考えたいところ。これはヴァンヤールに負けたハビレについてもそう。ゴ三浦割引が減点材料になりそうな気がする。