~今週のWIN5対象レース~

京都10R 令月S(OP)ダ1200
東京10R 初音S(3勝)芝1800
小倉11R 小倉日経賞(OP)芝2000
京都11R きさらぎ賞(G3)芝1800
東京11R 東京新聞杯(G3)芝1600

ブレイディヴェーグを待ち受ける想定外の罠…東京新聞杯の傾向と対策、および攻略ポイント【WIN5】

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 手を抜かずにチェックすれば、ある程度の整理がついた京都のきさらぎ賞(G3)に比して、東京新聞杯(G3)は例年の通り難解な一戦となりそう。

 なんといっても目玉は、マイルCS(G1)を1番人気で4着のブレイディヴェーグの登録である。バルサムノートが前半3Fを33秒8で飛ばす展開を、いつもより位置を取りに行って9-10番手で追走。鞍上のルメールとしては勝つためにやれることをやった結果だったとはいえ、同じような位置から伸びたソウルラッシュに0秒4も後れを取った。

 それどころか、先行したウインマーベルを捉えることもできず、直線ではコーナーワークで前にいながら、後ろから伸びたエルトンバローズに交わされてしまった。いくら当時の京都が外差し馬場だったとはいえ、内容としては完敗といえるものだ。レース後にルメールが「状態はパーフェクトだった」「マイルのスペシャリストではない、1800か2000は欲しい」とスピード不足を認めている。それでも再びマイル戦の東京新聞杯を選んだということは、直線の長い東京なら誤魔化しが利くという思惑があってのことだろう。

 我々はつい後ろから鋭い末脚を見せる馬に、ポジションをもう一列二列前で競馬をしても同じような脚が使えると錯覚しがちだ。もちろん、展開や馬場の影響はあるにせよ、元々100で走るポテンシャルをどこで使うかといった話であり、これを成立させるなら110や120の能力が必要となる。出していけばそれだけ末脚が鈍るのは単純明快なのだ。そう考えると、いつもより前で競馬したブレイディヴェーグの末脚が鈍ったのも当然の帰結か。

 登録馬でG1実績を持つのは、本馬とジオグリフとシャンパンカラーのみ。前者は安田記念(G1)6着が頼もしいが59.0キロでの出走。後者はレベルの低いNHKマイルC(G1)を9番人気の伏兵で制した一発屋である。ジオグリフの掲示板はあっておかしくないが、シャンパンカラーはもう終わった感の方が強い。

 その点、ブレイディヴェーグは56.0で走れる上に東京へのコース替わりも歓迎。おそらく今回は平常運転の大外一気で末脚にかける競馬が濃厚。仮に負けたとしてもルメカスも「間に合いませんでした」「でもG1じゃないので次はもっとよくなると思います」みたいなコメントを残すだろう。ほら、レガレイラで負けたローズS(G2)みたいなね。

 ただ、負けてもらうには展開の助けも必要か。実際、10月東京の府中牝馬S(G2)は度肝を抜かれた。当方が愛してやまなかったマスクトディーヴァ相手に1キロ重い57.0キロを背負って差し切り。しかも12キロ増の余裕残しだった。いやあ、あれはWIN5もハズれるしきつかったなあ。さらには故障も発覚して引退なんだもの……。

 感傷に浸るのはその辺にして、ブレイディヴェーグに隙はないかを考える。本馬はここまで7戦のキャリアで、うち5戦が上がり最速をマーク。敗れた2戦は福永祐一がチンタラやって取りこぼしたデビュー戦とマスクトディーヴァがレコードで圧勝したローズS。積極策で勝ったエリザベス女王杯(G1)は、終始5番手からの競馬で上がりも5位タイに過ぎなかった。ただこちらは京都の外回り・芝2200mのため、牝馬相手にスピード負けするほどではなかったというのが現実ではないか。

 おそらくルメールの作戦はいつも通りの後方待機に戻してくると考えられ、要はゴールまで捕まえられないで逃げ込めるかどうかが肝。東京でこの馬より後ろにいて差し切れる脚を持つ馬はまずいないはずだ。

 各馬との力関係や展開をイメージした際、ひとつ気になったのは今期の東京開催の馬場傾向。文字よりも図で見てもらった方が早いため、こちらを用意してみた。

 これは2月に開幕した東京で行われた芝のレースなのだが、東京らしからぬ傾向が顕著に表れていることにお気づきだろうか。そう、上がり最速が好走しやすいコースにもかかわらず、サンプルとして抽出した芝の10レース中1レースしか、上がり最速の勝利が見当たらない。その例外にしても常軌を逸脱した勝ち方を演じたエネルジコのみ。まあこれだけでもエネルジコの大物感といったところか。

 つまり、何が気になるのかといいうと、末脚不発でブレイディヴェーグの取りこぼす可能性が少なくともありそうだということだ。だって今の東京に上がり最速はいらないんだもの。最速=黄色、2位=水色、3位=緑から伝わるように、切れる脚を使わなくても前残りする傾向になっているのである。

 これはもうハッキリ言って馬場造園課がどのような馬場に仕上げてくるか次第。彼らはもはや公正競馬を名ばかりにする程度の影響力を持っている。内前残り、外差し、時計が速くても切れる馬しか来ない、などやりたい放題。事前の下調べを抜きに馬券を当てられるほど甘くはない状況を作り出している。

 これに当日の天気や枠の内外、馬体重に出遅れ落馬競走中止に放馬や除外、さらにはクソ騎乗まで加わるのだから酷い。その癖、当たり馬券は必ず打っていますよー(暗黒微笑)はヤリ過ぎというよりない。だがね、我々は与えられた条件で戦うしかないのだよ。「いやならやらなきゃいいじゃん」と言われたら、「やらせてくださいお願いします」としか言えないのだし。悲しいね……ギャン中って。

 感情論はともかくとして、ルメール&東京を信じて1点にするかどうかも悩みどころ。昨年のマスクトディーヴァだって、岩田望来がゲートから出てこないなんて事件もあった。キャラクターの似ている馬だけに、2年連続大本命が負けるシーンも頭の片隅に入れておきたい。

 あ、そうそう。レース傾向の話がまだだった。

■過去10年の勝ち馬

24年サクラトゥジュール 牡7 キング  7人気 1.9倍マスクトディーヴァ 望来
23年ウインカーネリアン 牡6 三浦皇成 4人気 2.9倍ジャスティンカフェ 福永
22年イルーシヴパンサー 牡4 田辺裕信 4人気 3.3倍ファインルージュ  ルメ
21年カラテ       牡5 菅原明良 5人気 2.7倍ヴァンドギャルド  福永
20年プリモシーン    牝5 M.デム 4人気 2.9倍レッドヴェイロン  ルメ
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19年インディチャンプ  牡4 福永祐一 1人気
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18年リスグラシュー   牝4 武豊   3人気 4.2倍グレーターロンドン 川田
17年ブラックスピネル  牡4 M.デム 3人気 1.8倍エアスピネル    武豊
16年スマートレイアー  牝6 吉田隼人 5人気 3.0倍ダッシングブレイズ 浜中
15年ヴァンセンヌ    牡6 福永祐一 3人気 4.2倍フルーキー     岩田

 祐一てめえ()と、もう調教師になった人の悪口はやめるとして、過去10年で1番人気が1勝しかしていないレースであることは間違いない。そりゃわかんないよ?データって気付いたときに突然ブレイクすることあるから。シルクロードS(G3)だって十数年ぶりに荒れちゃったしね。

 また、あくまで過去の傾向としてだが、連覇を狙った馬はカラテ(21年1着、22年3着)とウインカーネリアン(23年1着、24年2着)と勝てないだけでリピーターはある。昨年の優勝馬サクラトゥジュールも連覇を狙う馬だ。京都金杯(G3)を6番人気で既に勝ってしまっただけに少し気になる。

 牝馬に関してはスマートレイヤー、リスグラシュー、プリモシーンの勝利もあり、大きな割引とはならない。ボンドガールはそこそこ人気を集めると思われる。コラソンビートは厳しいかもしれない。

 諸々イメージしてみた結果、今年の登録馬に瞬発力を武器にする馬が複数揃っていることも見逃せない。そもそも切れる脚のないウインカーネリアンが粘れるのが、この時期の東京。ウォーターリヒト、サクラトゥジュール、ジュンブロッサム、ブレイディヴェーグ、ボンドガールと名前を上げたらきりがない。

 それなら先行抜け出しタイプに妙味が出るわけだが、面白そうなロジリオンは賞金が怪しく除外対象。自己条件から参戦する組も家賃が高いか。

 まだまだスッキリしない状況だが、これならいっそ59キロに目をつぶってもジオグリフの底力に期待したくなる。後は14キロ増の京都金杯で4着に粘ったセオ。前傾ラップで苦しい流れをロジリオンと1馬身差なら、使われた上積みにも期待できる。

 最後に色気を持ったのは後方待機で好走を続けているとはいえ、オフトレイルに一発の期待。後ろからの競馬が続いているにしても、距離が1400mでの好走。マイルならもう少し前で競馬も可能ではないだろうか。ラジオNIKKEI賞(G3)を勝ったスタミナがあれば、東京のマイルはこなせる。

 キング姐さんのサクラトゥジュールは、前走でこそ旨味があった。はたして二匹目のドジョウはいるのかどうか。

★注目馬
ジオグリフ
セオ
オフトレイル

※当サイトの記事は、筆者の独断と偏見でWIN5の穴馬探しをしているだけです。