クロワデュノール「消したい」人向け…過去の皐月賞1番人気はなぜ負けた?
断然人気が予想されているクロワデュノール
牡馬クラシック一冠目の皐月賞(G1)の開催が近づいてきた。
枠順も既に確定しており、心配された雨の予報もなくなり、日曜の中山は良馬場で行われそう。道悪、8枠などの不安要素もなくなった今、無敗の皐月賞馬誕生も秒読みとなりつつある。
クロワデュノール陣営はホープフルS(G1)優勝後に皐月賞直行を表明した。今年に入って一戦もしていないが、過去に負かした馬たちが次々に重賞を制覇。近年のトライアルを使わずに本番に向かうトレンドからも問題はなさそう。
各メディアでは連日のように皐月賞の記事が出され、耳障りのいいワードが連呼。残る不安要素といえば、大舞台の騎乗で実力不足の恐れがある北村友一の存在くらいか。
まあその机君も1番人気のダノンスマッシュで高松宮記念(G1)を敗れた経験はあれど、その後にクロノジェネシスでG1ジョッキーの仲間入りに成功。相変わらず騎乗ミスはしているものの、抜群の操縦性を誇るクロワデュノールなら大きな割引とならないだろう。
ネットでも「クロワデュノール一冠確実派」と「穴狙いを諦めるな派」に分かれているが、穴党の筆者ですら少々諦めモードの有様だ。
そこで今回は、近年の皐月賞で1番人気を裏切った馬たちが、なぜ敗れたのかを振り返ってみたい。もしかしたらクロワデュノールを消したい人にとって、役に立つネタが見つかるかもしれない?
2011年の皐月賞馬オルフェーヴルは三冠馬のため、翌12年から昨年までのデータを抽出したものがこちら。
いや、割と負けてるんだよね。それでも負けなさそうという想いの根拠は、サートゥルナーリアとコントレイルの存在。両馬はともにホープフルSから直行で皐月賞を勝利しただけでなく、どちらも無敗馬だったのだ。
昨年敗れたレガレイラはアイビーS(L)で前残りを許しており、無敗馬ではなかった。また極端に後ろからの競馬をすることもあり、こういった弱点が日本ダービー(G1)や牝馬相手のローズS(G2)の敗戦へと繋がった。
ルメールから戸崎圭太へ乗り替わった有馬記念(G1)は好位抜け出しの優等生な乗り方で巻き返しに成功。競馬の波乱って奴は、ブエナビスタのように大抵差し追込み馬の末脚不発に起因している。
だったら優等生のクロワデュノールに死角はない。となってしまうので話を戻す。
ここからは筆者の独断と偏見で敗因を説明してみたい。
24年レガレイラ
ジャスティンミラノが1分57秒1のレコードをマークした超速馬場で開催。この時点で後ろからの競馬は自殺行為。ルメールの負傷で北村宏司への乗り替わりも痛恨だった。
23年ファントムシーフ
重馬場の上に前後半5Fが58秒5-62秒1(前傾3秒6)の超ハイペース。直線17番手から伸びたソールオリエンスが快勝したが、展開がハマり過ぎた結果だからダービーで過信禁物と警鐘を鳴らした。ファントムシーフは、前にいたタスティエーラも交わせず、自身も後ろから差されており力負け。
22年ドウデュース
前残りのレースで後ろにいた豊が悪い。イクイノックスがジオグリフに負けたことの方が有名か。
21年ダノンザキッド
弥生賞(G2)の3着で既に底が割れていた馬。決して弱い馬ではなかったが、ケガをした影響もあってか中山が大の苦手になった。
20年ワグネリアン
ワグネリアンは外を回すロスのある競馬で伸びきれず7着。福永祐一被害馬の会に新規加入するかと思いきや、ダービーは涙の戴冠でハッピーエンド。エポカドーロで圭太ちゃんがクラシック初優勝した。
19年ファンディーナ
無敗の3連勝はなかなかだったが牝馬のフラワーC(G3)では力不足。それでも夢を見れそうな雰囲気のある馬だった。
18年サトノダイヤモンド
ミルコのリオンディーズが暴走に近い58秒54で飛ばしてハイペース。4角5番手まで押し上げたが、早めに上がったのが仇となり脚が鈍った結果、後方待機のディーマジェスティとマカヒキがハマった。史上最強なんて噂された世代だが、その後はお察し。
17年サトノクラウン
不利もあって位置取りが後ろになったが、二冠馬ドゥラメンテとリアルスティールが強過ぎた。後の七冠馬キタサンブラックも3着に敗れている。
14年イスラボニータ
イスラボニータが新潟2歳S(G3)でハープスターに3馬身差で完敗していたこともあり、他の馬に注目が集まった結果、トゥザワールドが押し出されて1番人気。直線3番手からイスラボニータに交わされて2着。ダービーは川田がスローを下げるクソ騎乗で5着に敗れた。
12年グランデッツァ
後方からマクって内から伸びたゴールドシップが優勝。いわゆるゴルシワープだ。これは馬場の荒れたインを突いた内田君の判断が功を奏した。優等生の競馬をしていた馬が直線14番手では間に合わない。陣営が切れたのかダービーでミルコは降板。4人気で10着と敗れた。
皐月賞で負けない条件は何か
当時を思い出しつつ適当に書いた振り返りだが、負けた馬の共通点もそれなりにある。
・押し出された1番人気
・後ろからの競馬
・ルメール、川田人気
・前走が弥生賞
・牝馬
・単純に力不足
ざっとまとめた感じでこんなところではなかろうか。
じゃあ今年のクロワデュノールは何に該当するのか。
……ねえわ。
某退職代行会社じゃないけどモームリ。
個人的な願望としては共同通信杯組の好相性に望みをかけたいかな。
マスカレードボールを評価しているのは、むしろアイビーS(L)の内容。同条件でクロワデュノールを凌ぐタイムと上がりで勝利したからだ。関係者の話によるとホープフルSは力負けではなかった可能性も残されている。
もしこれが本当なら、あの一戦だけで中山が合わないと決めつけてしまうのは早計になる。
ただやっぱり強いのは無敗のホープフルS優勝馬は2戦2勝という過去。サートゥルナーリアもコントレイルもしっかり勝ったし、無敗馬という意味ではジャスティンミラノ、ソールオリエンス、エフフォーリアが優勝した。
無敗馬が近6年で5勝もしてるんだぜ。
やめてくれよ…(絶望)というか、穴狙いやめたくなりますよ~。
という訳でやっぱり疑うならダービー説を採用したい。造園課が仕込む超速馬場ならトラップとして機能すると思うんだ。うん。