ルメール、川田将雅「やる前から」絶望的な差…武豊vs横山典弘も気になる菊花賞の展望
今週もルメールを信じて川田を疑う回?
京都11R菊花賞(G1)芝3000
アマキヒ 牡3 戸崎圭太
アロンディ 牡3 未定
エキサイトバイオ 牡3 荻野極
エコロディノス 牡3 池添謙一
エネルジコ 牡3 ルメール
エリキング 牡3 川田将雅
キングスコール 牡3 菱田裕二
ゲルチュタール 牡3 坂井瑠星
コーチェラバレー 牡3 西村淳也
ショウヘイ 牡3 岩田望来
ジョバンニ 牡3 松山弘平
ジーティーアダマン 牡3 北村友一
マイユニバース 牡3 武豊
ミラージュナイト 牡3 藤岡佑介
ヤマニンブークリエ 牡3 横山典弘
ライトトラック 牡3 和田竜二
ラーシャローム 牡3 岩田康誠
レイヤードレッド 牡3 嶋田純次
レクスノヴァス 牡3 横山和生
レッドバンデ 牡3 佐々木大輔※フルゲート18頭
牝馬の秋華賞(G1)が終わり、今週末は牡馬クラシックの最終章となるカツレツキッカ賞が行われる。おっさんそれ言いたいだけやろ、菊花賞(G1)やで。
かつては距離の不安があろうがなかろうが、春のG1馬ならとにかく出るのが当たり前だったレースも、近年は長距離軽視の傾向も強まった。春のクラシックを制したような大物ですら、天皇賞・秋(G1)を目指すのがトレンドといってもいいほどであり、三冠が懸かってでもない限りは出て来なくなった。
懐古主義といえなくもないけれど、古馬でも出られる天皇賞と違い、クラシックは一生に一度の機会しかない。過去、菊花賞から逃げた馬たちの中にも、出ていれば勝負になった馬が多数いたのではないか。
例によって、今年もダービー馬クロワデュノールの凱旋門賞挑戦に一定の敬意を払いつつも、皐月賞馬ミュージアムマイル、皐月賞3着ダービー2着のマスカレードボールは、菊花賞ではなく天皇賞・秋(G1)の参戦を選択した。
先週の秋華賞は、結果的に桜花賞馬エンブロイダリーが秋華賞との二冠を達成したが、菊花賞に目を転じると春クラシックの勝ち馬は不在。翌週の天皇賞は例年以上にハイレベルのメンバーが集まりそうだが、こちらはもうレース前からレベルそのものが怪しくなってきそうだ。
エリキング(牡3、栗東・中内田充正厩舎)
川田将雅×中内田充正といえば「黄金コンビ」だが、それは「G2まで」の話。ローズS(G2)で1着になっても、秋華賞で凡走するお約束のジンクスは今年も再現したばかり。ましてや牡馬の場合は酷さに拍車がかかる。
そもそもこの組み合わせのG1勝ちは、リバティアイランドと牡牝の2歳G1のみなのだ。そういう意味合いではエピファネイア産駒以上に早熟の傾向があるともいえよう。
その点、エリキングに関してはアクシデントもあって、そこまで使い込まれている訳でもない。前哨戦の神戸新聞杯(G2)をしっかりと勝ち、ここでも有力視されるだけの実力と実績を備えている馬だろう。
ところが、避けて通れないのは主戦を務める川田将雅の距離適性。むしろ馬より川田が天皇賞向きといって過言ではない。
芝2500m超の重賞で信じられないほど勝てない川田君だが、これまで2回だけ勝ったことがあることをご存じだろうか。それは、2006年の目黒記念(G2)と2010年の菊花賞である。
【2- 6- 7-58/73】勝率2.7%
3割近い勝率を上げる彼にしては、ありえないほど勝てない条件。2400mと2500mで100mの違いしかないにもかかわらずだから不思議なものだ。
当時はダッシャーゴーゴーで周りに迷惑をかけて泣いていた青年も、今となっては自分が被害者アピールで後輩騎手や天敵の外国人騎手相手にクレームをつける側になった。ただ、とことん勝ちにこだわり鬼になった結果、彼の距離適性も徐々に短くなっていた可能性がある。
長距離戦でうまい騎手の特徴は、人当たりが柔らかく嫁さんに頭が上がらないタイプ。元々九州男児の彼には向かないのだろう。
秋華賞ですら惨憺たる成績なのに菊花賞は目も当てられない。これぞまさに「敵は本能寺にあり」といったところ。
一応、これまでのレースぶりを見た感じでは、普通に通用しそうなポテンシャルの高さを感じるものの、そこはやっぱりいつもの川田君でいて欲しいという気持ちが強い。あ、そうね、ここまで極端ならネタとして使い続けたいもんね。
まあ少なくとも前走の走りを見れば、積極的に買いたいと思わなかったの事実。あれこれ取捨を悩むよりも、シンプルに「長距離の川田は買えない」と考えた方が楽かもしれない。
エネルジコ(牡3、美浦・高橋瑞樹厩舎)
賞金不足で皐月賞の参戦は叶わず、青葉賞(G2)を勝ってダービーの優先出走権を手に入れたものの自重。王道のトライアルを経由せずに夏の新潟記念(G3)を使って2着からの出走となった。
一昔前なら夏場に一戦して菊花賞直行なんてのは邪道もいいところ。真っ先に消して大丈夫なローテーションだったはずだが、G1直行が珍しくなくなった近年は受け入れられつつある。
そのきっかけとなったのは、2018年の菊花賞馬フィエールマン。ラジオNIKKEI賞(G3)でメイショウテッコンの2着に敗れた馬が、まさかまさかのぶっつけG1勝ち。これは当時なかなかセンセーショナルなニュースともなった。
当然ながら石橋脩という特大ハンデも背負っていたわけだが、鞍上強化の効果は歴然。エタリオウとハナ差の激戦を制して栄冠を勝ち取った。
その一方、翌年の始動戦に選んだアメリカジョッキークラブC(G2)では、ルメールが舐めプをしている間に出し抜かれてシャケトラにアタマ差の敗戦。相手の鞍上にはフィエールマンの足を引っ張っていた石橋脩というドラマもあった。
とまあそんな話はさておき、エネルジコはエリキング以上に買える要素が揃っている。
本馬が普通の馬なのか、そうではないのかの見極めに使ったのが前走の新潟記念。エネルジコは半信半疑の扱いだったこともあり、予想記事でも懐疑的な見解を書いた。そんなこちらの思惑に反して期待以上の走りを見せたからには評価せざるを得ない。
騎乗予定のルメールに関しても「圧倒的じゃないか我が軍は」の【17- 9-12-32/70】勝率24.3%だもの。
ただでさえ「長距離は騎手で買え」という格言があるくらいなのだから、川田君がこんなのに勝てっこないじゃないか。ちなみにルメカスのJRA初重賞はディープを負かしたあの有馬記念(G1)ね。
ワイが◎ハーツクライで3連単ぶち抜いて、パソコン買い換えた思い出のレースでもある(いいたいだけだろ)。
という訳でやる前からどちらが買いでどちらが消しかはっきりしているレースという訳だ。
ショウヘイ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)
馬名のショウヘイはおそらく大活躍中の大谷翔平を意識したものだろう。2017年のシンザン記念(G3)を勝った馬はキョウヘイだが関係ない。
もっと関係ない話をすると、おじさんの高校時代の同級生に三国志60巻を全部万引きで揃えたというカスの大偉業を成し遂げた奴がいたんだけど、そいつの名前もショウヘイだったっけな。
この馬は川田とのコンビできさらぎ賞(G3)に出てきた際、大したことないだろうと軽視して4着に負けている。だから京都新聞杯(G2)の快勝に違和感もあったし、ダービーでサトノシャイニングとの3馬身差(きさらぎ賞)を逆転したことにも驚かされた。
血統面では扱いの難しい馬だが安定した先行力は評価したい。ガシマンから岩田望来への乗り替わりはプラス材料と見る。
ゲルチュタール(牡3、栗東・杉山晴紀厩舎)
母キラービューティから連想するのはキラーアビリティ。確認してみるとやっぱりきょうだいだった。
日本海S(3勝)からの臨戦が昨年のヘデントール、2年前のドゥレッツァといった勝ち馬を出したことにより、一転して注目を集めているものの、さすがに先輩2頭とはスケール感の差がある印象だ。
レース内容も平均ペースの前残り。勝ったことそのものは評価すべきだが、いきなりG1で通用のイメージまではない。
青葉賞にしてもスローペースを後方から差し切ったエネルジコのみ抜けて強かったレースであり、タイム差なしを過大評価することは避けたい。それにガシマンは長距離そこまで得意じゃないだろう。
マイユニバース(牡3、栗東・武幸四郎厩舎)
父レイデオロは菊から逃げてジャパンC(G1)に参戦し、キタサンブラックに先着する走りを見せながらシュヴァルグランの2着に敗れた。
レースレベル的には逃げた訳ではないが、菊花賞から逃げたことに変わりはない。
本馬が注目を集めた理由は、やはり前走の九十九里特別(2勝)を圧勝したこと。典ちゃんと懇意の寺田寿男オーナー所有馬でもあり、デビュー戦から手綱を取っているコンビだから続投すると思いきや、ここで唐突に武豊への乗り替わりだから驚かされた。
まあ厩舎が幸四郎ちゃんとこだからって理由が最大だろうけど、秋G1を逃げて連続2着のレジェンドが乗るだけでも話題性は十分にある。
ただ血統的にレイデオロ×母父ネオユニヴァースってのは、そこまで魅力的でもないか。
スプリンターズS(G1)が、2勝クラスの汐留特別より遅いクソみたいなレースに終わったのも、造園課が魔改造しているのが原因。
秋の中山はとても公正競馬が行える状況ではなく、結果を鵜呑みにすると騙される。紫苑S(G2)で前残り展開がハマったケリフレッドアスクが、ジョスランに完敗したのもこの辺が一因だろう。
マイユニバースの九十九里特別にしても、これは横山典弘の名人芸によるもの。急→緩→急のラップ刻みは得意中の得意。PCIの数値も61.9と実態は超スローでもあった。
正味の話、武豊が乗ること以外に魅力はない馬の扱いである。
注目はあえてセントライト記念組
ハッキリ言ってエネルジコ以外は、凡走しても驚かないメンバーが集まった。
穴の魅力なら必要以上に人気を下げそうなジョバンニ(超スローからの切れ負け)、セントライト記念(G2)は、うんこ前残り馬場の中山ながら差し脚を伸ばしたヤマニンブークリエ、同3着レッドバンデあたりが面白そう。レッドバンデって青葉賞4着でもあるしね。
ヤマニンブークリエに典ちゃんが乗るのね。こちらは逆に豊ちゃんが懇意の土井オーナー。うーん、うまいこと間を取った感じかな。
馬券は少し考えそうだが、WIN5は枠がどこでもルメールで決まりと考えている。



















