ルメールと岩田望来、信じたい方を信じればいい…1点突破に迷いなしの優駿牝馬【WIN5】
結論は出た…後はレースを待つのみ
東京11R優駿牝馬S(G1)芝2400
生き残っていれば最終関門の優駿牝馬である。
桜花賞(G1)が荒れた年は大抵オークスも荒れるものだが、今年はエンブロイダリーとアルマヴェローチェが抜けているイメージ。これはもう桜花賞にしても同じで阪神ジュベナイルF(G1)と成績が連動しなかったタイプは危うい。その点、今年のアルマは勝ちに等しい2着なら問題はないと見る。
前走はモレイラが神懸かり的な馬群捌きを見せてエンブロイダリーに不覚を取ったが、望来にしても十分に好騎乗といえる範囲。最近の望来が乗れているのは認めていても、モレイラクラスには後れを取るのは仕方ない。
だが、これに対してルメールはどうなのか。
2015年にJRA所属騎手となり、当初はG1で人気馬を飛ばしまくっていたものの、徐々に克服していき馬質に引けを取らない騎手にまで上り詰めた。特に中長距離では無類の安定感を誇り、2週連続G1制覇もやってのけるほどだ。東京の芝2400mという舞台もプラスであってマイナスはない。
WIN5東京芝2400
この数字を見ても勝率25.0%と断然のトップ。ダミアン君より数字がいいのだから信じたくなる。だが、WIN5では2着の数も気にしたいところ。一応10勝2着9回と勝ち越しているが、いつも人気馬に乗るルメールとしては取りこぼしも目立つ。結果的に武豊のダービー優勝が見られてよかったとはいえ、あの年のダービーでイクイノックスの騎乗はあまり褒められたものじゃなかった。
そしてこの勝利には馬質の高さがついて回る。レイデオロのダービー初勝利に関しては、超スローを出し抜く好騎乗だったが、それ以外はアーモンドアイ3勝、二冠牝馬(実質三冠馬)スターズオンアース、イクイノックスの計5勝を含んでいる。
だからといって得意ではないとは言えないのだが、ヴィクトリアマイル(G1)のアスコリピチェーノと同じく馬の力におんぶにだっこで数字をかさまししている印象もついて回る。
少なくとも騎手としての評価はモレイラ>>>ルメールだ。なんていうのかな、モレイラの上手いとルメールの上手いでは種類が違う気がするんだよなあ。モレイラは「うおおお」でルメールは「うむ」って感じだが伝わりにくいか。
また今回エンブロイダリーを積極的に買いたくない理由は、桜花賞でも指摘したつかみどころのなさ。負けるときはあまりにもあっさり負けるのだ。
正直、桜花賞で消した身としては面食らったのは否定できないものの、あのWIN4は悲観していない。あれは馬よりもモレイラの勝利だったと思う。だったらルメールへの乗り替わりは上積みがない。
また、それ以上に引っ掛かったのは桜花賞前から危惧していた血統的な不安。あの内容で悲観し過ぎとも思えるが、長年競馬を見てきた人間にとってダイワメジャー産駒(アドマイヤマーズ)の芝1800以上の重賞は、どうにもならない消し条件。セリフォスにしてもドバイターフ(G1)の残り1ハロンで笑ってしまうほど脚が止まった記憶がある。だからもうこの馬に勝たれたらゴメンナサイでいいという結論だ。
その点、アルマヴェローチェの母父ダイワメジャーは引っ掛かるが、こちらは父ハービンジャーが距離を苦にしていないという圧倒的な強みがある。
また、岩田望来の騎乗を不安視する声もあるだろうが、そちらについてはオークスだから大丈夫と考える。東京優駿(G1)の場合はそれまでの積み重ねや騎手としての格、決断力判断力を兼ね備えていないと勝てない。浜中にしても、あの年の内前残り超速馬場やディープ産駒、そして本人がひるまずにハイペースを2番手につけたことなどもハマった。
同じタイプでも戸崎圭太にはそういうのがない。だから勝てない。それは今年のダービーでクロワデュノールに騎乗する北村友一にもいえるだろう。あいつに勝てるようなレースではない。
あとはよりによってアルマヴェローチェが最内の1枠1番を引いていることか。翌週のダービーでは1枠1番を歓迎されるにもかかわらずだ。まあダービーはCコースに切り替わる関係で内しか伸びないグリーンベルトを通れるバックアップがあってという理由もついてくるが……。
ただもうここまで来たら信じる。悩ましいのが雨予報なんだよな。それでも渋った馬場は得意だし、東京の馬場は内から乾く。水捌けを考えると、そこまで苦にしないと思う。少なくともリンクスティップには負けないのではないか。昔のミルコなら本命級だったけどね。
これを見ても分かるように過去10年の勝ち馬は、すべて3番人気以内、かつ上がり最速が8頭。そして現在の差し馬天国である東京の芝。スピードの勝ったエリカエクスプレスの復活も期待薄だ。むしろ消す。
ということで上位3頭の消去法で1頭しか残らない。
馬券に関しては穴っぽいところの切れるタイプを押さえておく。
フローラS(G2)のマズい騎乗でタイセイプランセスとタガノアビーに注目しているが、まああれはスムーズに乗れたらカムニャックを負かせたのではないかというレベルでの話。比較対象がカムニャックということは覚えておきたい。あくまでどさくさに紛れて3着に入ればいいなってところ。
◎アルマヴェローチェ
○リンクスティップ
▲エンブロイダリー
△ブラウンラチェット
△パラディレーヌ
△タイセイプランセス
★タガノアビー
※あ、忘れてたわ。ルメカスさんは確かエンブロイダリーで東京の1勝クラスを勝ったとき「1400mはぴったりです」って話してたっけな。