ヴィクトリアマイルでも「ヤツらの罠」に注意が必要…ガラパゴス競馬の実態を暴け【WIN5】
異常馬場を把握せずに的中は出来ない?
東京11Rヴィクトリアマイル(G1)芝1600
今週末の日曜東京は牝馬限定のヴィクトリアマイル(G1)が開催。先週のNHKマイルC(G1)は前日土曜のエプソムC(G3)が稍重でレコードを更新したこともあり、こりゃ日曜もレコードだろうなあと予想していたものの、勝ちタイムは1分31秒7(良)に留まった。
そりゃイクイノックスが1分55秒2なんて馬鹿なタイムを出した2年前の秋天も酷かったが、ここまでおかしな高速馬場は珍しい。一応、ダノンシャンティの1分31秒4、シュネルマイスターの1分31秒6に次ぐ歴代3位なら悪くないといったところか。
Twitterでも頻繁に馬場造園課のことを批判している当方だが、なぜここまで彼らのことを嫌っているのか説明も必要だろう。
箇条書きでまとめると以下のような理由である。
・競走馬の脚元への負荷が大きくなる(G1勝ち馬がレース後に故障をするケースもよく見掛ける)。
・不良馬場と同じく疲労が抜けにくい。
・そもそも馬の強さに比例しないレコードに価値がない。
・凱旋門賞(G1)を勝ちたいなら真逆の馬場。
・日本の硬くて速過ぎる馬場を嫌って欧州のトップクラスが敬遠する。
これが間違いなく正しいのかどうかは明言できないものの、国際レースに海外の強豪が参戦してくれないのは、単純に日本馬が強くなったからというだけではあるまい。
本当に気をつけなければならないのは?
だがここまでは、お競馬の将来を見据える一般論の範囲での話。当方が最も忌み嫌っているのは、馬場造園課のさじ加減次第でレース結果に直接的な影響を及ぼしていることだ。
馬場読みやトラックバイアスといった表現もされているが、内しか伸びない外しか伸びないとか、前残り天国や差し馬天国などが、レースの予想を狂わせる大きなファクターである。昨今の競馬において、馬場状態をいかに正確に見抜けるか否かが、馬券の的中に直結しているのだ。
この手の話は以前にもしたことがあるが、レースにおいてオーソドックスな展開とは、ハイペースなら差し馬に有利でスローペースなら逃げ先行馬に有利。これが常識的な傾向。
しかし、ここに造園課のカラクリが絡むと、ハイペースでも前残りしたり、スローペースでも差し馬が台頭するという逆パターンが発生する。そうなると、まともな予想をしても当たらない。なにしろレースの前提が狂ってしまっているのだから。
こういった罠が続いた結果、日本ダービー(G1)で1枠が突出した好走率を残したり、秋天やジャパンC(G1)でも似たような内前馬場になりもする。
あまりに露骨すぎる作為的な馬場を目にした際、「超速うんこ馬場」じゃねえかよとクレームを入れている。
造園課のテコ入れが最速のケースを生み出した事例
例えば今週末のヴィクトリアマイルにしてもJRA・G1歴代最高配当を出したことがある。
この年は5番人気ストレイトガールが制し、2着に12番人気ケイアイエレガント、3着に18番人気ミナレットが粘り込んで、3連単の払戻しは2070万5810円というとんでもない大波乱となった。
レースの前後半3Fは34秒3-35秒0(前傾0秒7)、4Fは45秒5-46秒4(前傾0秒9)と流れていたにもかかわらず、典型的な行ったままの前残り決着。上がり最速32秒8をマークした2番人気ディアデラマドレは7着、1番人気ヌーヴォレコルトは33秒5で6着に敗れた。
高速馬場でも32秒台の末脚を使えば、勝てはしなくとも馬券に絡めそうだが、少なくともこのレースでは32秒台では物理的に届かない馬場だった。
このハイペースに見えて実はスローという認識の相違が大波乱を引き起こしたカラクリ。当時はこちらもまだピュアで、競馬はもっと公正に行われていると信じていた。すっかり警戒心が強くなっている今なら、逆手に取って前残り馬券を組んだと思う。
WIN5でもこの手のトラップは割と見掛けるようになり、そういうレースで逃げ馬がまんまと残って数々の波乱を演出してきた。一介の競馬民がどうこうできる問題もなく、最終結論は「郷に入りては郷に従え」のスタンス。むしろこれを逆手に取って逃げ馬を真っ先にマークする作戦に切り替えた訳である。
とまあ造園課の悪行を弾劾したい気持ちはこの辺にして、今の馬場はどうなのよというのが本記事の主題。結論から話せば「おかしな馬場」ではない。
あくまでおかしいのは勝ちタイムだけであって、タイムこそ「超速」だが「うんこ八百長馬場」ではないというのが当方の見立てだ。
現在の東京は異常でも普通
つまり、普通の予想をしていいはず。その証拠にいわゆる「超速うんこ馬場」なら時計も速く前も止まらないのだが、しっかりと差し馬が届いている。時計だけ速いと考えればイメージしやすいか。そういう意味では公正競馬が成立していると思う。
念のため、最近の東京で芝のレースを振り返ってみようか。
直線の長い東京なら差し馬に有利という普通の馬場。これを上がり最速で抽出したものがこちら。
32秒台が出るのが高速馬場として判定可能なライン。ただ後ろで楽をしていたsだけの最速に価値はないが、馬券に絡んだ馬はほぼ速い脚を使っていることが分かる。
ということは必要以上に馬場造園課を気にしなくてもいいかもしれないという仮説は成立する。
一応、今週からBコースに切り替わるため、多少内を通れる馬が有利になるかもしれないが、外を回しても切れる脚があるなら間に合いそう。
今のところ、春天のあった京都も似たような傾向であり、前残りにシフトしているのは新潟のみ。それはそれで新潟の馬場を見越して前残りの狙えるベガリスに◎を打って成功した。
少なくとも東京に関しては、時計こそ異常であるが、カラクリ馬場に泣かされる馬は出なさそうな雰囲気。憶測の域を出ないことは重々承知しているけれど、これを見抜けなければ当たらない。
さてさて、今週の土曜はどうだろうか。