本当の夏競馬はこれから…まだまだ高配チャンスは残されているぞ【レース回顧】
配当はボチボチ…それでも外れるよりは当てたい
小倉10R九州スポーツ杯(2勝)芝2600
7頭立ての芝2600m戦。藤懸貴志の4番人気ウェイビーが果敢にハナを奪ってレースの主導権を握る。
1000m通過60秒1のラップを刻むが、2600m条件というのは割と差し気が決まる。向こう正面から勝負どころを前に手応えが悪くなり、2番手3番手に進出したサラトガチップスとベトルスの叩き合いになった。
速いラップが続いたことにより、力のない馬は脱落していく展開。併せ馬のような格好で争ったサラトガチップスとベトルスだが、直線半ばでベトルスが抜け出して5馬身差をつける圧勝となった。
当方が◎を打ったクルミナーレは、その勝負どころでついた行ったところで故障して競走中止。いや、こういうのは返金しろよなって感じ。
長距離が苦手の川田将雅も5馬身差をつけるほど力差があったなら鞍上の不安は関係なし。ちなみにWIN5における芝2500m以上のレースを川田が勝ったのは初めて。今回の勝利を足しても【1- 4- 4-47/56】で勝率1.8%という悲惨な数字が際立つ。
今回は馬が強くて運よく勝ったものの、2011年4月から始まったWIN5で2025年7月まで14年3ヶ月もの間、未勝利だったことには驚きだ。「長距離の川田はカス」という認識はWIN5だけじゃなく覚えておいて損はない競馬の定石となりそうである。
終わってみれば単勝1.9倍の断然人気。三つ巴の下馬評だったが、予想以上に被っていた。去勢してからレースぶりも安定してきたね。
コメント
1着ベトルス 川田将雅
「暑い中、全力で頑張ってくれました」2着サラトガチップス 坂井瑠星
「非常に乗りやすい馬。道中の雰囲気は良かった。勝ち馬は強かったですが、このクラスにメドの立つ内容」3着サイモンルモンド 松若風馬
「この子のペースで、いつも通り頑張ってくれました」
福島10R白河特別(2勝)芝1800
横山琉人の9番人気レッドバレンシアが1000m通過59秒1の大逃げ。福島の芝状態は把握し切れていないのだが、このペースでもバタバタになるのだから注意しておきたい。戸崎圭太の1番人気フォルラニーニは勝ちにいく積極策で直線2番手まで押し上げたものの、ガス欠して脚が鈍った。
満を持して外に持ち出したニシノティアモが力強く抜け出して3勝目を飾る。ゴール前で突っ込んできたダイシンアポロンが2着に入り、昨年の同レース2着ワザモノが3着に健闘した。
能力比較の物差しとなったアドミラルシップ相手の着差こそニシノティアモの2馬身半に対し、フォルラニーニは1馬身1/4差のアドバンテージはあったが、後者は超スローの上がり勝負で着差がつきにくいレースでもあった。
両馬の直接対決でフォルラニーニが先着し、後に重賞を勝ったアドマイヤマツリをクビ差まで追い詰めた実力ならフォルラニーニが上という計算も成り立つ。それがフォルラニーニを上に見た理由でもあったのだが、振り返ればこのときのフォルラニーニはルメールの騎乗。戸崎の分だけパワーダウンしたのかもしれない。
また、悲願のG1制覇を遂げて以降の津村はニシノエージェントくらいしか活躍しておらず、腑抜けな騎乗も増えていたので気乗りしなかった。ただ今回は落ち着いた好騎乗だったと思う。
ワザモノは典型的なリピーターであり、3着穴ならってところだった。
個人的に注目したいのはダイシンアポロンの復調気配だ。
山吹賞(1勝)で骨っぽい相手(3着ディマイザキッドは現OPで函館記念1番人気4着)に快勝しており、潜在能力は一番。しかし、その後のレースで精彩を欠き、警戒していた前走の東京も7番人気で12着に惨敗したばかり。肝心の追い切りもパッとしなかった(ブックの評価)ようでまだ様子見に留まった。
買わなかった最大の理由はWIN5で勝てない竜二の騎乗というのが大きかった訳だけど、この2着は次走で買える根拠としては十分。もしまたWIN5で見掛けるなら押さえたい。
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1着ニシノティアモ 津村明秀
「完勝でした。競馬も上手くなって来ているので、こちらのやりたいように走ってくれます。終いまでしっかりしていました。秋が楽しみ」2着ダイシンアポロン 和田竜二
「前半は折り合いに専念。ロスなくもう少し直線を上手く捌けていたら良かったが、最後までしっかり伸びた。広いコースでさらに良くなりそう」3着ワザモノ 菅原明良
「流れに乗っていましたし、馬の雰囲気も良かったです。終いも良い脚を使ってくれました」4着フォルラニーニ 戸崎圭太
「少しムキになって走っていたし、左に流れるような感じ。早めに自分で動いていきましたが、そう甘くなかった」
函館11R大沼S(L)ダ1700
騎手の巧拙が明暗を分けたレース展開。レース展開としてはジャスパーゴールドがスローでもハイでも逃げて、あわよくば前残りするか番手くらいから抜け出した馬が残るイメージだった。
まあ実際ハイペースになって番手の馬ペリエールが抜け出す結果となった訳だが、思うてたんと違うって感想しかない。
各馬の力量的にダンテバローズ、ジャスティンアース、テーオードレフォン、サンライズアリオンのどれかという見立てだったものの、得意の東京でも苦戦の続いたペリエールは早熟だと考えていたからだ。
だからこそ、実力は認めても展開がハマったときのジャスパーゴールドの方が気持ち悪いなと考え、穴候補にこちらを抜擢したが空振りに終わった。
また、逃げてこそのサンライズアリオンも出遅れ、途中からマクったペプチドソレイユ古川吉洋の奇襲にも面食らった。このところ覇気のない競馬をしてしたから、気合を入れ直す意味での作戦なら悪くない結果だろうが、あれで一気に激流へと転じ、展開もおかしくなってしまった。
そういう意味での被害馬ならスタミナを要する流れに末脚を鈍らせたジャスティンアースかもしれないね。豊さんはまあそれなりにうまく乗っていたと思う。
誰が一番下手糞に乗っていたかとなると間違いなく丹内祐次だろう。好位抜け出しタイプのダンテバローズで後方に下げ、レースが終わってから突っ込んできた2着に意味はない。
勝ちタイム1分43秒3は昨夏にシゲルショウグンがマークした1分43秒2と0秒1差。手応え十分に2着に10馬身差をつけた本馬のポテンシャルの高さも証明している。
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1着ペリエール 佐々木大輔
「レース前からイメージしていた競馬ができた。小回りが合いそうなフットワークだったので、そのあたりをうまく照らし合わせながらレースの組み立てができました。強かったです」2着ダンテバローズ 丹内祐次
「出入りの厳しい競馬になり、4コーナーまでに一列下がってしまいましたが、確実に脚を使える馬です」3着ジャスティンアース 武豊
「道中の雰囲気は悪くなかったが、4コーナーで手応えが怪しくなり、追い出してから反応がありませんでした。距離が微妙に長いのかも」4着ペプチドソレイユ 古川吉洋
「思い切った競馬で良さを出してくれました。最後まで辛抱してくれています」
小倉11R北九州記念(G3)芝1200
休み明けの14キロ増でどうかと怪しんだヤマニンアルリフラが快勝。やはりイスラボニータ産駒の活躍は注目に値する。本サイトでもちょくちょく褒めているが、イスラボニータ産駒ってWIN5で絶好の狙いどころとなっているのだ。
個人的にはこれまで芝1200mで1分7秒台の時計がなかったため、高速決着の小倉に不安を感じていたのだが、まったくお構いなしの勝利だった。
既に複数のお競馬カウントでも紹介されているが、母ヤマニンパピオネの馬主孝行なところは素晴らしい。
こんな話はとっくの前からやってるけどね俺。母の現役時代から見ている血統だもの。こういうのは競馬歴の長い人間の方が楽しめる。にしてもヤマニンアルリフラって最後の未勝利戦も勝てないまま、格上挑戦で覚醒した晩成タイプ。そんな逸材が3連勝で重賞まで勝つのだから夢がある。
かといって、どちらかというとまだヤマニンアンフィルの方が舞台設定が向くとすら考えていただけに誤算でもある。この勝ちは馬もよかったけれどスプリンター団野大成の存在も大きい。団野君じゃなければ勝ってないといっても過言ではないだろう。
ご覧の通り、団野大成は典型的なスプリンターなのである。ホンの1F延びる芝1400mになった途端勝てなくなるところなんか、おまえさてはバクシンオーだろと言いたくなるほど。マイルから少しだけ持ち直すのも謎だ。
しかしやはりこの勝率の高さは侮れない。「芝1200の団野は騎手買いしてOK」これはまだまだ使えそう。※ダートは違うので気をつけよう。
レースの話に戻ると、外から伸びたヨシノイースターが2着に入り、3着追い込んだアブキールベイのガシマン。ヤマニンアンフィルも4着に善戦している。
前が速くなって外差しが決まると考えていたのは合っていたはず。34567着みんな差し追込みだものね。合ってるよね。不可解だったのはアブキールベイが狙えるのはまだしも、クラスペディアが6番人気だったのはなぜって感じ。
レースラップは前後半3F:32秒5-35秒3の前傾2秒8となかなかの激流。馬場がよかった割にかつての北九州記念に近い結果だったのではないか。追い切りよかったモズメイメイは15着に大敗したが、こういう馬こそアイビスサマーダッシュ(G3)で絶好の狙い目になりそう。
コメント
1着ヤマニンアルリフラ 団野大成
「嬉しい気持ちでいっぱい。年末からの成長力にはとても驚かされています。スペースがあいた時には突き抜けるだろうという手応えでした。期待以上のパフォーマンスをしてくれました」2着ヨシノイースター 内田博幸
「外を回ったとしても、リズム良く走って、前を見つつ進めました。この斤量であそこまでよく走ってくれました。力があると思います」4着ヤマニンアンフィル 亀田温心
「ゲートで頭を振っていて、安定しませんでした。内枠で、斤量が軽く、内を突きました。脚は使っています」5着キタノエクスプレス 国分優作
「脚が溜まっていたので、待つより動かしていきましたが、最後は脚いろが一緒になりました」6着ドロップオブライト 小沢大仁
「前半はとてもペースが速く、ポジションが下がりました。ペースのわりには馬群が固まって、動きたいときに動けませんでした」9着ロードフォアエース 川田将雅
「自分の競馬に徹しました。きょうできる精一杯の走りでした」※相変わらずの川田節
10着レッドヒルシューズ 高倉稜
「3コーナー過ぎに接触があって、ひるんでしまいました。それがなければ、いいポジションにいただけに、不完全燃焼な感じでした」12着エイシンワンド 吉村誠之助
「直線を向いていいポジションを取ることができず、エンジンがかかる前に馬のやる気が無くなってしまいました」16着シロン 国分恭介
「外を回りたくなかったので、逃げか番手で進めようと思いました。ただ、内の馬が主張してきてペースが速くなってしまいました。仕方ありません。よく頑張ったと思います」17着クラスペディア 小崎綾也
「前残りの馬場でないことは分かっていましたが、メンバーと枠順を見て、逃げるつもりでした。前に行くまでにかなり脚を使っています」
※1番人気の勝てないレースだが、2008年スリープレスナイト以来となる17年ぶりの勝利。前売りのロードフォアエースを見て継続すると思ったが、最終的に2番人気に後退した。
福島11RジュライS(OP)ダ1700
今回の対象レースで最も思い通りにシナリオが進んだレース。自信があり過ぎて予想記事でも1点宣言したくらいだ。
同日函館メインのペリエールの勝ちタイムより、函館で速かったのがこのシゲルショウグン様である。根拠の詳細については先述の予想記事にて確認していただければ幸いだ。
この馬は典型的なピンかパーのタイプで、相手はライバルというより自分自身。いかに気分良く逃げられるかが好走と凡走の分かれ目となる。メンバーを見渡して単騎逃げが可能だと読めたならゴーサインだった。
二桁増で出てくると勝率100%でもあり、パドックの14キロ増でもうガッツポーズといったところ。距離に関してはハッキリと2000mは長い。力のいるダートも得意ではなく、前走の大敗なんて人気を下げてくれる追い風とすら考えていたほどだ。
再び強い勝ち方をしたため、次走も狙いたくなるような馬ではあるものの、今回はダート1700mに短縮される点、大箱よりローカルの小回りの方が持ち味を生かせる点なども吟味。かといってこれで次も確勝なんて考えてはいけない。あくまでこの条件なら負けないだろうという程度だ。
そもそも逃げ馬なんてのは女の気まぐれと大差ない。この後の札幌ならともかく、チャンピオンズCなんかで買ってはいけない馬だと思う。
なんかあれだよね、メイショウタバルみたいな感じ。ファンは気まぐれに付き合わされるよきっと。
前日の前売りで4番人気くらいだったから笑いが止まらなかったのだけど、最終的には2番人気で単勝も4.7倍まで下がった。それでも確勝級の馬でこれだけオッズがつくならぜんりょくでもよかったねえ。
WIN5やるよりここで数万入れた方が楽勝だったのではないか。
コメント
1着シゲルショウグン 田辺裕信
「ガムシャラに走っているわけではなく心肺能力の高い馬。前走はらしくないと思いましたが、それ以外は強い競馬をしていましたからね。小回りや行きたい馬との兼ね合いがどうかと思いましたが、スタートが速かったですし、大丈夫でした」2着サトノフェニックス 和田竜二
「外の3頭に被されてしまい、切り替えるのにモタモタしてしまいました。2、3番手につけたかったです。揉まれ弱さのせいでワンパンチ足りません」3着ソニックスター 三浦皇成
「テンからしっかりと良いところで流れに乗れました。最後も苦しくなりながら走り切ってくれました。これが良いきっかけになればと思います」4着ザイツィンガー 原優介
「3着まではきつかったですが、脚を使ってくれるところがありました。100m延びるだけで変わると思いますし、1800mの方が良いと思います。右回り、左回りは不問です」5着キタノリューオー 横山琉人
「調教に乗せてもらって、悪いイメージはありませんでした。前残りの競馬でしたが、終いは脚を使ってくれました。元々走っていたので、また復活してくれば良いですね」
WIN5の結果
今週は小倉遠征していたため、更新が遅くなりました。小倉は初めてだったけど小さくてかわいい競馬場って感じ。いつも府中ばかりだから半分くらいの大きさだった。
桜井日奈子ちゃんがゲストに来ていたのはよかった。知ってる人は知ってるだろうけど、割と好きなんだよね岡山の奇跡。笑った顔がキュート。
おじさんの買い目
手堅くてもまあ拾えればいいし、穴を期待できそうなところは少し色気を持ってワンチャン3桁超え配当を!というテーマで予想を組んだ。
ラストも1点勝負しているし、それなりに工夫して考えたつもり。でもまあペリエールを取り逃がして、1番人気が来ないはずの北九州記念も勝たれたのでは残念賞。外れたレースはどちらも2着だったが、滅びの美学としては悔いは残していない。
少額で当たったって人も見掛けたけど、少額ならではの強気な買い方もできるわけで、何が正解だったのかは何とも言えないかなあ。みんなあくまで結果論に過ぎないんだもの。
どっちかってえとラスト1点を確信できたことの方が意味を持つ回だった。そりゃ当たるに越したことはないけど24万5000円程度は、全盛期の自分ならこれじゃWIN5やる意味ねえよって言ってたような配当だしね。
気を取り直して今週の予想に切り替えたい。夏競馬ってのはクソ荒れもしないから比較的手ごろな配当圏で落ち着きやすいのが特徴。高配トリガー引くならやっぱり危険な人気馬探しが最優先かもね。












