「最強4歳世代」に引け取らない強力援軍が後押し…新潟記念のエネルジコは足りるのか?

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「最強4歳世代」に引け取らない強力援軍が後押し…新潟記念のエネルジコは足りるのか?

調べてみると大健闘

猛暑の続く8月も今週末で終了。来週からの秋競馬は舞台も中山と阪神に切り替わる。夏の甲子園が終わると「あーもう夏も終わりかあ」なんて感じるのは例年のことだが、新潟記念(G3)と中京2歳S(G3)の控える今週末は、割と面白そうじゃないかと思う。

デビューしたばかりの2歳馬が走る中京2歳Sにそこまで興味はないが、新潟記念は近年稀に見る好メンバーが集まりそう。中京記念のときにも感じたが、どちらも今年からハンデ戦ではなく別定戦に条件が変更されたレースである。

いつもなら夏しか用のないような馬が多いけれど、別定戦で斤量を背負わされなくなることもあってかG1に出てくるような馬の出走が目立つ。だからこそ、それらの中から勝ち馬が出るんだろうと何となく考えていたわけだが、勝ったのはいずれも3歳馬。レース展開や状況を考えれば納得も行くのだが、気になったのは今年の3歳世代のレベルの方だ。

札幌11RキーンランドC(G3)芝1200

元々短距離を使われていたパンジャタワーなら距離は問題ないにしても、左回りが得意な印象もあったため、いったん様子見でもいいかと思ったキーンランドC。松山弘平のソツのない騎乗と冷静な判断が際立ったものの、負けずに勝ち切ったのは価値がある。

まず少し驚いたのは古馬との斤量差がない状況で勝った点。こうして長い間、お競馬を見続けていると上位人気で勝つより負けるケースの方が強いインパクトを残していたからだ。

古馬になって現役最強まで上り詰めたあのブエナビスタにしても、52キロという恵ハンデで敗れたほど。穴党ならまず、人気の3歳馬は疑っていいと考えたくなるものだ。

しかもキーンランドCは、王道路線の中距離ではなくスプリント重賞。NHKマイルC(G1)を勝つような馬は大抵一発屋で終わることも多く、パンジャタワーにしても9番人気で激走した程度の伏兵だった。仮に好走することはあっても、57キロでは掲示板くらいかなとタカをくくっていたのが本音だ。

それでも割と優等生の勝ち方をしたのだから、結果的にこちらの見立てが誤っていたということ。中京記念の違和感がそのまま現実のものになったという想いもある。

中京07R中京記念(G3)芝1600

G1馬の格を考えればパンジャタワーに関しては例外扱いも可能だが、誤算の度合いが大きかったのはマピュースの方。この馬だけでなく同じ3歳世代のシンフォーエバーまで2着に粘走してしまった。

この結果については当時のレース回顧でも触れたように、後ろにいた上位人気馬が超スローペースに持ち味を殺された挙句、高速馬場で前が残る中京コースで実力を発揮できなかったこともある。これは先週の新潟2歳S(G3)と似たような状況だ。

展開を甘く見た自省も込めて「人災のクソスロー」として扱っているものの、いくら行ったままで恵まれたとはいえ、勝ってしまったことは評価すべき。競馬情報会社にありがちな「特ダネのヤリ」と思えば、田辺が乗れない52キロに合わせてダイエットする覚悟で臨んだ横山武史、JRA全10場重賞制覇のかかっていた松山弘平の援護射撃も兼ねて札幌に使ったパンジャタワー陣営という読み方もできたのだろう。

かといってG1馬パンジャタワーはともかく、マピュースは一軍ではなかったはず。その分だけこちらの驚きも大きかったことは認めざるを得ない。

勝てれても不思議じゃないことはわかるよ。東京のマイルで好走していた馬だし、ハンデだって52キロだもんね。ホントのところの誤算は近2走で後ろからの競馬を続けていたから、今の勢いがなくなった武史が先行策を採る可能性を見落としていたミスかな。すっかり買いたくない側の騎手になっていたから、まだまだ「やるときはやるのね」とごめんなさいしとこう。

随分と前振りが長くなってしまったが、本稿のテーマは3歳世代の評価について主題。本物のG1馬が出現する可能性の低いNHKマイルC優勝馬、クラシックで通用しなかった二軍の牝馬が古馬相手に勝ったなら、これはもう「強いんじゃないか」ということになる。

ただ何となくではデータ理論派としての説得力を欠くから裏取りをしてみたい。

あと、前提条件として当方が現4歳世代を近年最高クラスにハイレベルと見ていること、また3歳世代のトップクラスは、突き抜けた馬が不在でも全体的にレベルが高いと説明していたことは事前に話しておきたい。

では早速、判定の指標となる年長馬相手の成績を抽出してみよう。8月開催がもう1週残っているから、本来なら来週の方が良さそうなんだけど、今週末に新潟記念(G3)があるでしょ?だからそういうことです。

全体成績(6~8月)

年齢 着別度数 勝率
3歳 208- 142- 139- 934/1423 14.6%
4歳 118- 155- 143-1299/1715 6.9%
5歳 62- 77- 70-1032/1241 5.0%
6歳 21- 29- 42- 519/ 611 3.4%
7歳 8- 9- 13- 188/ 218 3.7%
8歳 0- 5- 7- 50/ 62 0.0%

芝のみ

年齢 着別度数 勝率
3歳 116- 66- 73- 468/ 723 16.0%
4歳 57- 88- 79- 640/ 864 6.6%
5歳 35- 48- 35- 563/ 681 5.1%
6歳 9- 14- 22- 246/ 291 3.1%
7歳 2- 2- 5- 95/ 104 1.9%
8歳 0- 1- 4- 15/ 20 0.0%

ダートのみ

年齢 着別度数 勝率
3歳 92- 76- 66- 462/ 696 13.2%
4歳 54- 60- 57- 600/ 771 7.0%
5歳 22- 27- 32- 424/ 505 4.4%
6歳 5- 6- 13- 224/ 248 2.0%
7歳 0- 4- 5- 58/ 67 0.0%
8歳 0- 0- 0- 21/ 21 0.0%

クラス上位の成績

クラス 着別度数 勝率
” 1勝” 161- 123- 119- 818/1221 13.2%
” 2勝” 42- 18- 18- 88/ 166 25.3%
” 3勝” 3- 0- 0- 9/ 12 25.0%
OPEN非L 0- 0- 0- 2/ 2 0.0%
OPEN(L) 0- 0- 0- 1/ 1 0.0%
” G3” 2- 1- 2- 12/ 17 11.8%

2勝クラスで優秀だし3勝クラスも勝っている上に重賞勝利も出た。十分に健闘しているね。

詳細に比較するなら近5年くらいのデータも使いたいところだが、手っ取り早く強い4歳世代だけを引っ張ってくる。

全体成績(6~8月)

年齢 着別度数 勝率
3歳 228- 166- 124-1121/1639 13.9%
4歳 132- 148- 168-1514/1962 6.7%
5歳 57- 97- 97-1114/1365 4.2%
6歳 24- 25- 40- 524/ 613 3.9%
7歳 6- 9- 15- 207/ 237 2.5%
8歳 2- 4- 3- 59/ 68 2.9%

芝のみ

年齢 着別度数 勝率
3歳 117- 87- 68- 562/ 834 14.0%
4歳 66- 79- 92- 786/1023 6.5%
5歳 30- 50- 47- 562/ 689 4.4%
6歳 14- 8- 19- 266/ 307 4.6%
7歳 0- 4- 1- 90/ 95 0.0%
8歳 1- 1- 0- 29/ 31 3.2%

ダートのみ

年齢 着別度数 勝率
3歳 111- 79- 56- 555/ 801 13.9%
4歳 58- 64- 72- 691/ 885 6.6%
5歳 17- 37- 42- 491/ 587 2.9%
6歳 4- 10- 12- 208/ 234 1.7%
7歳 1- 0- 8- 81/ 90 1.1%
8歳 0- 1- 1- 18/ 20 0.0%

クラス上位の成績

クラス 着別度数 勝率
” 1勝” 88- 70- 51-509/718 12.3%
” 2勝” 22- 9- 4- 43/ 78 28.2%
” 3勝” 1- 0- 1- 1/ 3 33.3%
OPEN非L 0- 0- 0- 1/ 1 0.0%
OPEN(L) 0- 0- 0- 0/ 0
” G3” 0- 0- 0- 1/ 1 0.0%

なんかおかしくない?

集計対象が678月の段階なので結論を出すには時期尚早だが、少なくとも数字的には最強4歳世代と遜色ない感じ。3勝クラスの勝利もあれば重賞勝ちもある。

現時点では現4歳世代の3歳夏よりも中身はない。まあ個人的に天皇賞・秋(G1)はマスカレードボールが勝つだろうと考えている立場だが、その裏付けにもなった気がする。

あ、そうそう。新潟記念があるから気になるって話もしてたよね。

新潟記念に出走した3歳馬の成績(2000年以降)

勝利したのは2018年ブラストワンピース、23年ノッキングポイントの2例。斤量はどちらも54キロでの出走だった。

両馬の共通点はダービーで5着に入っていたこと。これは展望記事でも触れた。

この年のダービーで◎を打ったのがブラストワンピース。直線入り口まで抜群の手応えで進んでいたが、祐一君のワグネリアンがそれに気づいてブロックして内へ押し込めた。それで前が壁になって進路をなくした結果、脚を余す格好で負けている。

祐一君としては悲願のダービー制覇であり、それまで前が壁をやられる側だった人間が、他人をハメてまで勝利にこだわったのは印象的だった。まさに執念の勝利だよね。

ただ、不利のせいで負けたブラストワンピースが弱かった訳でもない。それは同年暮れの有馬記念(G1)を優勝したことで証明された。だからこそ当方も引き続き◎を打って的中したのだ。

ノッキングポイントの場合は、勝ち負けを期待されていたブラストワンピースと違って15番人気での激走。少ないキャリアの中で最も輝いたシーンだった。

対する今年のエネルジコはどうだろう。既に展望記事で話したようにダービー5着以内の条件には引っ掛からない。

馬券おじさんだから疑わざるを得ないんだけど、ドゥラメンテ信者としてはいい意味で裏切って欲しい馬でもある。

菊花賞のドゥレッツァみたいに「イクときは教えてね」と言いたいルメールさんだが、今回はおそらくイカない、というかイケないんじゃないか。元からで脚のいい馬でもないし、毎回上がり最速を使える末脚に期待したいだろう。

ほぼタイム差なしのファイアンクランツがダービーに出走して9着。力不足を露呈したのは逃げ先行有利の馬場と展開で絶好位につけながら伸びなかったこと。ほら、上位入線馬って前残りばかりでしょ。ツキがなかったっていっていいのは、マスカレードボール、エリキング、ミュージアムマイルくらいだね。

晴れてダービージョッキーとなった北村友一だが、差しが決まる正反対の馬場だったオークスの週ならアロマヴェローチェと同じで勝てなかったかもしれない。

ということで、3歳世代のレベルは4歳世代に匹敵するかもしれないという仮説は成立しても、エネルジコに関しては危なそうな匂いがする。

勝利した先輩2頭は54キロ、ダービー5着の条件をクリア。エネルジコはそれより2キロ重い56キロ、青葉賞(G2)で差のなかったファイアンクランツがダービーで力負けの9着。シンプルな比較では勝ち負けに足りていない。

心情的には勝って欲しいし、ここを勝ったら天皇賞・秋やジャパンC(G1)も視野に入る。3歳世代の健闘も背中を押してくれるか。