はい、関西のメインが京都のシルクロードS(G3)なら関東のメインは東京の根岸S(G3)であります。同時期のステップレースということもあってか、根岸S組も本番のフェブラリーS(G1)でボチボチ好成績を残しているのが過去10年の傾向にも表れている。
過去10年で根岸SをステップにフェブラリーSを優勝した馬
2016年 モーニン(2人気)
2017年 ノンコノユメ(4人気)
2020年 モズアスコット(1人気)
2023年 レモンポップ(1人気)
根岸Sの場合は1着馬のみ通用する感じであり、この辺はシルクロードSと異なることを覚えておきたい。根岸Sの勝ち方も好位抜け出しか差し。本番の高松宮記念も1200mのシルクロードと違い、1ハロン延びる1600mのフェブラリーSだからと考えれば腑に落ちる。
いずれにせよこのレースを強い内容で差し切るようなら本番でも上位人気が確実ということだ。性別的にはパワーを求められるダートのレースということもあり、牝馬の出番はない。斤量も57.0キロが8勝で58.0キロが2勝。勝率もそれぞれ7.0%程度と差はない。
前走距離に関しては根岸Sだと中山ダ1200条件であるカペラS(G3)の健闘もある。2019年のコパノキッキング(2人気1着)、2021年のレッドルゼル(1人気1着)のようなケースだ。
ただご覧の通り、どちらも1人気か2人気と勝って不思議ではないタイプ。今年の登録馬ではカペラSで2着のクロジシジョー、同12着のスズカコテキタイだが、これらが1番人気や2番人気に推される可能性は非常に低い。
例外的な存在としてクラスターCのコスタノヴァ、ブリーダーズCのドンフランキーがいるものの、データとしてはイレギュラー。しかし、今年のカペラS組よりは実績も実力も上である。いずれもダートの1400m条件で勝ち鞍があるため、勝たれたからといって文句は言えないか。
諸々踏まえた上で、その他の有力どころを吟味してみる。
過去1年根岸Sの人気別成績
1番人気 6- 2- 0- 2/ 10 60.0% エアハリファ、モーニン、カフジテイク、レッドルゼル、レモンポップ、エンペラーワケア
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2番人気 1- 2- 4- 3/ 10 10.0% コパノキッキング
3番人気 1- 2- 0- 7/ 10 10.0% モズアスコット
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4番人気 0- 1- 2- 7/ 10 0.0%
5番人気 0- 0- 1- 9/ 10 0.0%
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6番人気 2- 2- 0- 6/ 10 20.0% ノンコノユメ、テイエムサウスダン
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7番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0%
8番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0%
9番人気 0- 0- 1- 9/ 10 0.0%
10番人気 0- 1- 1- 8/ 10 0.0%
11番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0%
12番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0%
13番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0%
14番人気 0- 0- 0- 9/ 9 0.0%
15番人気 0- 0- 1- 8/ 9 0.0%
16番人気 0- 0- 0- 9/ 9 0.0%
1番人気が断然。これもう脳死で買っとけばいい。と考えると罠に陥りそうなのが、これまで1番人気で期待に応えていた馬の戦績。彼らは底力のいる武蔵野S(G3)を1番人気で惜敗した、もしくはチャンピオンズC(G1)で好走していた馬たちだ。カペラS組にしても連対&1番人気or2番人気という条件をクリアしている。残念ながら今年の登録馬で該当する馬はいなかった。
かといってだったら荒れると決めつけるのも危険かもしれない。6番人気の2勝で穴を開けたノンコノユメはG1馬であり、テイエムサウスダンもヤスがモデルチェンジしていた馬であり、ダートの1400mは滅法得意としていた馬だった。
では改めて某サイトの予想オッズを確認してみようか。
1番人気 フリームファクシ
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2番人気 サンライズフレイム
3番人気 コスタノヴァ
4番人気 タガノビューティー
5番人気 ロードフォンス
6番人気 ドンフランキー
7番人気 ペリエール
8番人気 アームズレイン
だいたいこんな感じ。それでは独断と偏見で各馬の分析をしてみたい。
フリームファクシ
デビュー戦2着の後、未勝利からきさらぎ賞まで3連勝を決め、皐月賞(G1)でも4番人気に推された元クラシック候補。だが、初G1で9着に敗れると続くダービーでも10着に敗戦。その後は芝のマイルに使われたが重賞では力不足を露呈した。転機となったのは鞍上の進言でダートに転向した3走前のコールドムーンSだ。ファンも半信半疑で3番人気の評価だったものの、直線入り口から楽な手応えであっさりと突き抜けてしまった。
このインパクトが強かったため、ダート2戦目のベテルギウスS(L)で1番人気の支持を受けるも勝負どころで伸びを欠いて7着と人気を裏切った。ペースが流れた割に積極策を採った馬がワンツースリー。バテて大敗したのはミトノオーのみであり、結果的に前残りの決着となった。
ただ単純に前残りで片付けるには怖いレースという側面も持ち、同レースを2番手から完勝したサンデーファンデーは続くプロキオンS(G2)でもサンライズジパングやドゥラエレーデといったG1級の強敵相手に逃げ切り勝ちを決めている。
また、前半からハイラップが連続して刻まれ、スタミナとしぶとさを求められるレースだったことを思えば、悪くないポジションから脚が鈍ったフリームファクシには距離が長かったという見方も可能だ。現在の同馬が本質的にマイラーという見立てなら、中京ダート1400に戻ったすばるS(L)であっさり巻き返したことにも合点がいく。
レース内容もほぼコールドストーンSの再現VTRといっていい勝ち方。ダートに転じた3戦すべてを59.0キロを背負ったことも、2キロ減る57.0キロで走れる根岸Sで不安より期待が上回る。東京の場合、スタートが芝ではなくダートで始まるがそれは杞憂だろう。むしろここで好走してフェブラリーSに挑戦するようなら、本番で芝スタートという強みを最大限に利用可能だ。
懸念があるとすれば少々過密なローテーションか。須貝厩舎はレース内容に納得がいかないと、比較的短期間で追試をする傾向もあり、賞金不足による除外を避ける意味でも根岸Sに使ったはず。前走勝ち後に即、次はどうせ根岸だろうと話したが、やはりそうだった。問題はここを勝っていざ本番というタイミングでガス欠を起こしていないかだ。いずれにしても勝負度合いは強いと考える。
勝ちタイムに関しては良で1分22秒9と1分23秒0。これは昨年の中京ダート1400において、9月のエニフS(L)を制したエンペラーワケアの1分22秒4に次ぐタイム。ゴール前で余裕があったことを思えば時計の短縮は可能だろう。比較対象のエンペラーワケアが昨年の根岸Sと武蔵野S(G3)を勝った馬なら悪くない。
ちなみに登録馬の中で東京ダート1400mの持ちタイムを並べると以下(過去1年以内)。
1分21秒9 コスタノヴァ
1分22秒7 ロードフォンス
1分23秒0 バトゥーキ
1分23秒1 サトノルフィアン
1分23秒3 ナスティウェザー
1分23秒4 アームズレイン
これに東京コースの条件を外すとエンペラーワケアが制したエニフSで3着のサンライズフレイムが入ってくる。
後はここで名前の上がった馬をどう扱うか。
アームズレインに関しては前走のペルセウスS(東京ダート1400m)を制し、昨年の根岸Sで2着に入った実績は評価したい。サンライズフレイムは扱いが難しいところ。本馬も昨年の根岸Sで3着に入った実績はあるのだが、重賞で1着を取るにはもうワンパンチ欲しい印象もある。
バトゥーキは対フリームファクシで完敗。それならまだ上り調子のロードフォンスが面白いか。サトノルフィアンその他はすばるSで完敗しているように分が悪い。ペリエールにしても近走は善戦マン止まりでかつての勢いがない。

ちょっと待った!!!
どうやらフリームファクシで足りそうな雰囲気でも、コスタノヴァやタガノビューティーにドンフランキーは気になるよ。
仰る通り。馬鹿でもハゲでもDVでも逃げてしまえば展開に紛れが発生するのが競馬。行くだけ行けば何とかなってしまう可能性を考えれば、ドンフランキーは不気味な存在。週間予報で日曜の東京地方は雨の可能性もある。ひと雨降れば前残りに拍車がかかるため、気になる1頭となりそう。
え?タガノビューティーですか?石橋脩の紋所が目に入らぬか!逆張りしたくなる馬ではあるものの、JBCスプリント(Jpn1)から連勝するような腕の持ち主じゃないでしょう。基本的にWIN5では間違えて勝ったら事故レベルの成績なので、ビビるだけ損だと思う。
素材としてはコスタノヴァに不気味さがある。前しか残らない盛岡で後ろにいては届かないのも当然。クラスターCなんてなかったと同じでいい。むしろ出遅れながらリカバーしてエンペラーワケアに先着した欅S(OP)を評価すべきだろう。良で1分21秒9は秀逸で通用の余地は十分にある。
問題があるとすれば騎乗予定がルメカスではなく武史となっている点。ルメカスの信頼度が芝より劣るダートといえども武史よりはうまい。
◆場所別集計
札幌 1- 2- 0- 7/10 10.0%
函館 0- 2- 1- 3/ 6 0.0%
福島 0- 0- 0- 0/ 0
新潟 0- 0- 0- 0/ 0
東京 1- 1- 2-22/26 3.8%
中山 5- 4- 6-31/46 10.9%
中京 0- 1- 0- 3/ 4 0.0%
京都 0- 1- 0- 3/ 4 0.0%
阪神 0- 1- 0- 5/ 6 0.0%
昨年のWIN5対象レースを見ても伝わるが、中山以外ではもはや用なしレベルまで成績が下がってしまった。エフフォーリアのダービーでも騎乗ミスをやらかしたように、東京は鬼門と見る。


