ママコチャ乗らない川田将雅の嬉しい誤算…お膳立て横山武史はフラグ回収【セントウルS回顧】
なんちゅうもんを見せてくれたんや
阪神11RセントウルS(G2)芝1200
日曜阪神11RセントウルS(G2)は、川田将雅の8番人気カンチェンジュンガが、G1級2頭を相手に大金星。スプリンターズS(G1)の有力候補として名乗りを上げた。
秋の開幕阪神は時計の速いレースが多発。しかもスピード勝負のスプリント重賞だけに、前半で好位を取り切ることがマストだった。
しかし、上位人気馬が教科書通りのレースをしていたのに対し、カンチェンジュンガは平常運転の後方待機策。まともにレースをしても間に合わない可能性が十分にあった上、ごちゃつく馬群をどう捌けるかも難題として立ちはだかっていた。
そんな難しい競馬を見事な手綱捌きで差し切ったのが川田将雅である。上半期の重賞では自身が捨てた馬が若手に乗り替わって初重賞制覇を遂げるシーンも散見。全国リーディングも5位だったように、ここまでけっして絶好調とはいえない状況でもあった。
実際、ママコチャの主戦を任されていたにもかかわらず、一介の穴馬に過ぎないカンチェンジュンガと初コンビ。それがいきなり120点の一発回答を出してしまったのだから恐れ入る。
レースの勝ちタイムは1分7秒4(良)で前後半3Fは33秒0-34秒4(前傾1秒4)と流れはしたが、絶好の馬場状態を思えば前にいないとどうしようもない高速馬場。それでも届いてしまったのは、パートナーの確かな成長もあったのだろう。
デビュー当時は鳴かず飛ばずだった馬が、WIN5対象レースに初めて顔を出したのは4歳2月小倉の下関S(3勝)。その後コンスタントに対象レースで見掛けるようになったものの、「重賞級ではない」印象は根強く残った。
もちろん、阪急杯(G3)の勝利はあっても相手関係が全く異なる。G1馬ママコチャやそれに先着するトウシンマカオとの力差は、春の京王杯スプリングC(G2)でも否定しきれない。
結果的に勝ちを意識しなかったことがハマった理由とも考えられるとはいえ、ここまでの大逆転を想像するのは難しかったというべきだろう。それは8番人気の評価に留めたファン心理にも表れている。
セントウルS全パト
ひとつ言えることがあるとすれば、川田将雅だからこそ勝てたレースということ。この「不可解な勝利」を確認するために全パトをチェックしていたが、インの後方を走りつつ勝負どころでモノのみごとに進路の確保に成功していたのだ。
ちょうど武史のトウシンマカオが外を走っているタイミングで一瞬だけ1頭分のスペースが出現していた。そこに迷わず突っ込んで事なきを得ていたわけだ。
もし判断が遅れたり、トウシンマカオの外に出そうとしていたら間に合ってなかっただろう。関西圏の横山武史が勝てない事実はともかく、両者の技術の差も何となく感じられたレースだったかもしれない。(おそらく川田が逆の立場なら締めていたのでは?)
そして展望や予想の記事でも触れていた「なぜママコチャに乗らなかったのか」という話は、フォロワーさんの情報によるとジャンタルマンタルが、欧州のジャックルマロワ賞(G1)やムーランドロンシャン賞(G1)を視野に入れていたかららしい。
これは当方も情弱を反省すべきだ。無理をしないで秋に備える決断をした陣営の脳裏に「アスコリピチェーノやダノンデサイルの凡走」が浮かんでいたことは容易に想像できる。で、ダメージ残る欧州を使うより自重したと。
その結果、本来乗れない日程だったセントウルSで岩田望来が代打となり、川田はカンチェンジュンガが開いていたという裏事情ってところか。
「降ろされたり捨てた」の可能性は低いとは思っていたのも事実。何しろ秋華賞(G1)のカムニャック(川田が捨ててシュタルケでオークス優勝)に乗せてくれるのだから、同じ馬主の金子オーナーの強権が発動したとも考えにくいよね。
当方としても、さすがにカンチェンジュンガの勝利は読めなかったけれど、この結果時代は納得の敗戦というよりない。
前残り狙いのカルチャーデイの逃げもガシマンが乗るなら想定内。テイエムスパーダが引いたのを見た時点でチャンスがあるようにも感じた。それを底力で差してきたママコチャも強かったし、ほぼ完璧な騎乗を見せた岩田望来もケチのつけようがない。武史のトウシンマカオはまあ、武史だしなあという想いもなくはない。
◎エコロジーク 最下位惨敗は故障でも発生?
○テイエムスパーダ 4着
▲トウシンマカオ 3着
△ママコチャ 2着
×カルチャーデイ 9着 逃げてくれただけでいい
こちらの前残り予想も正しかったはずだろうから、誰がどうとか文句を言うこともない。人災レベルのクソ騎乗もなかったなら素直に敗戦を受け入れるだけだ。
少し悩ましいのはカンチェンジュンガの扱いかなあ。中山芝1200もまた典型的な逃げ馬天国の馬場とコース。さすがにハマり過ぎた今回と同じような追い込みが決まるとも思えないよなあ。
ジョッキーコメント
1着 カンチェンジュンガ 川田将雅
「前半はどうしても忙しくて位置を取れなかったが、道中はいい雰囲気で回ってこれた。1回乗っただけですべてを把握できたわけではないが、とてもいい内容で走れました」
2着 ママコチャ 岩田望来
「ちょっと前半が速かった分、差しの決まる展開に。それでも2着に踏ん張ってくれたし、改めてこの馬の能力を感じた。本番は次なのでこれを生かしたい」
※望来は継続騎乗っぽいね。これなら川田もコンビ継続か?
3着 トウシンマカオ 横山武史
「パドックでアクシデントがあっただけに、まずは無事に終えられて良かった。状態はあまりいいとは思えなかったが、先生とも目標は次と話していましたからね。本番前のひと叩きとしては良かったと思います」
※戦前の厩舎コメントでは自信満々だったはずだが、レース後にこれは詐欺に近い





