外国馬「19連敗」でもカランダガン不気味…マスカレードボールに注目集まるジャパンCの展望
G1馬8頭が出走する注目のレース
東京12RジャパンC(G1)芝2400
アドマイヤテラ 牡4 川田将雅
[外]カランダガン セ4 バルザロ
クロワデュノール 牡3 北村友一
コスモキュランダ 牡4 丹内祐次
サンストックトン 牡6 松岡正海
サンライズアース 牡4 池添謙一
ジャスティンパレス 牡6 C・デム
シュトルーヴェ セ6 未定
シンエンペラー 牡4 坂井瑠星
セイウンハーデス 牡6 津村明秀
タスティエーラ 牡5 レーン
ダノンデサイル 牡4 戸崎圭太
ダノンベルーガ 牡6 未定
ディープモンスター 牡7 松山弘平
ドゥレッツァ 牡5 プーシャ
ブレイディヴェーグ 牝5 マーカン
ホウオウビスケッツ 牡5 岩田康誠
マスカレードボール 牡3 ルメール
ヨーホーレイク 牡7 岩田望来※フルゲート18頭
ついこの前、スプリンターズS(G1)が始まったと思いきや、今週末はもう東京開催最終週のジャパンC(G1)。翌週から12月中山に舞台が移り、あっという間に有馬記念(G1)と正月がやってくる。
季節は既に冬だが、ジャパンCは割と熱い。馬場造園課の魔改造も含め、外国馬からそっぽを向かれている状況に変わりはないが、キングジョージ6世&QES(英G1)を優勝したカランダガンの参戦は、最大の目玉といっていい。
カランダガンの成績
2006年のキングジョージは、ハーツクライが挑戦したことでも知られる。無敗の三冠馬ディープインパクトを破った本馬ですら、分厚い壁に跳ね返されて3着に敗れた。残り300mで先頭に立ったときは快挙を予感したものの、一度は交わしたはずのハリケーンランとエレクトロキューショニストに差し返されてしまった。
当時の日本最強馬と考えていただけに、欧州のタフな馬場が強烈なインパクトを残した。
そんな過酷なレースを制したカランダガンだが、イギリスのアスコットもまた凱旋門賞(G1)と同じく日本の馬場と別競技といわれる舞台設定。戦績に敬意を払っても高速馬場のジャパンCとは勝手が異なるだろう。こちらについては各馬の紹介で触れることにする。
まずは過去10年の結果から振り返る。
過去10年の結果
過去10年どころかもっと遡っとるやないか。
ということで突っ込みたいのは外国馬の悲惨な成績の方。2005年アルカセットの優勝を最後に19連敗中である。
これといった大物が参戦しなくなった背景もあるが、無視できないのは高速よりさらに速い超速馬場の影響。近年の競馬でおかしなタイムが出ていることは毎度のように指摘しているが、いつ頃からだろうと思い返してみると、18年のアーモンドアイくらいだったかもしれない。
前年の函館記念(G3)でサッカボーイがマークした芝2000mの1分57秒8も破格のタイムとして有名だが、東京芝2400mのレコードといえば、1989年のホーリックスが記録した2分22秒2。これを0秒1更新して優勝したのがアルカセットだ。
でもそれ日本馬じゃなく外国馬やないか!と突っ込みたくはなるが、もしかしたら水面下で高速化計画が進んでいたのかもねえ。翌年のウィジャボードが3着に好走したけれど、なんだかんだで18年も馬券に絡んでいない。
だからといって、超速馬場に守られ、海外の大物も来ない名ばかり国際G1で日本馬最強だぜと勘違いするのは違う。来年から報奨金を増額するようだが、そっぽを向かれている状況に大きな変化があるようにも思えない。
まあ、何もしないよりはするだけマシじゃないかな。例えばドバイワールドC(G1)やサウジC(G1)にブリーダーズCクラシック(G1)だって、芝優先の日本じゃ縁のないレースだったじゃないか。
ところが何度か挑戦をするたびに克服して勝ってしまったもの。これは日本のホースマンが立派だというよりない。もし自分が当事者なら、最初から無理と決めつけていたと思う。
ただ、海外の目線でジャパンCを見た場合、彼らにとって日本の関係者が凱旋門賞にかけるほど情熱を注ぎたいレースでもないはず。これは目をそらせない現実だ。ジャパンオリジナルのガラパゴス馬場で勝ったところで世界的な勲章とはならないよね。
そんな話をやり出したらキリがないので、日本のファンは日本のG1を楽しめばいい。さっさと本題に移ろうか。
例の如く某キチガイ掲示板の予想オッズを参考にすると、マスカレードボールが1番人気の想定で2番人気にクロワデュノール、3番人気にダノンデサイル、これにカランダガンが4番手で続く。馬場を考えれば上位3頭の争いが濃厚になりそう。
マスカレードボール(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)
G1を勝てるだけのポテンシャルを秘めながら、あと一歩で戴冠に届かなかったのは「鞍上」に恵まれなかったことも一因だ。
関羽、張飛、趙雲といった豪傑がいながら、曹操に負けてばかりの劉備に足りていなかった諸葛孔明のごとく現れた救世主がルメール。これまでの騎手と違って、完璧な手綱捌きでパートナーに悲願のG1タイトルをプレゼントした。
追い切りに乗っていたとはいえ、レースでは初騎乗。改めて騎手の重要さを証明した一方、今年の天皇賞秋は武豊メイショウタバルがペースを超スローにしてしまった関係で、全馬が実力を出し切れたといえない結果でもあった。
だからこそ、一部のファンからスムーズな競馬で制したマスカレードボールを疑う声も出ているが、大きな不利がなかっただけで展開に恵まれた勝利じゃない。何度か映像を見直したが、着差以上に余裕のある勝ち方だった。
距離は2F延長するが、東京優駿(G1)であれだけ走れば問題なし。勝つか負けるかより有馬記念(G1)にも出て来るのかどうかの方が気になる。
クロワデュノール(牡3、栗東・斉藤崇史厩舎)
マスカレードボールに直接対決で3戦全勝。相手はホープフルS(G1)でまともに走れる精神状態じゃないまま自滅、皐月賞(G1)は川田将雅エリキングが致命的な不利を与え、ダービーは内前馬場に替わった週で外枠を引いたマスカレードボールの前を外から武豊サトノシャイニングが遮って後方待機を強いられた。
当方もクロワデュノールの強さを認めているものの、マスカレードボールがまともに走っていれば優劣をつけがたい力関係だ。安定した先行力と操縦性の良さは、北村友一でもダービージョッキーになれたほど。皐月賞の敗戦はモレイラとの差が表れた結果だろう。器用さとセンスでは一日の長がある。
だが、懸念していたのは凱旋門賞への挑戦を表明した点。競馬ファンのひとりとしてはありだと思うのだが、馬券を考えると歓迎できない。ダービー馬ドウデュースと2着馬イクイノックスの関係が思い浮かぶからである。
ドウデュースに関しては「武豊信者と武豊の夢」という事情もあったため、結果がどうであれ外野がとやかく言えない。それでもラストイヤーの強さを見せられれば、「欧州遠征することなく国内で走り続けていれば……」という想いは残った。
奇しくも今年のクロワデュノールとマスカレードボールも似たような関係だ。フランスで2戦して前哨戦を勝って挑んだ本番で惨敗。中間の併せ馬で格下相手に遅れているように、まだ本調子には戻っていない感じ。
わざわざ間隔の詰まるジャパンCに使うより、じっくり立て直して有馬記念の方が無難な気もするが……。出否の行方は木曜の出馬確定まで待ちたい。
ダノンデサイル(牡4、栗東・安田翔伍厩舎)
「令和のうんこたれ蔵」ことダノンデサイルさんも出走を表明。2年前のダービーでは、戸崎圭太の騎乗した大本命ジャスティンミラノを撃破した。ダービー特有の内前馬場も影響したとはいえ、2馬身差をつける完勝で大金星を挙げている。
大ベテラン横山典弘の完璧な手綱捌きが光るレースではあったが、不完全燃焼に終わった菊花賞(G1)6着、意表を突く逃げで3着に敗れた有馬記念を挟んでまさかの乗り替わり。しかもスイッチした相手はジャスティンミラノの主戦を任されていた圭太ちゃんだったのだから驚いた。
ダノンキングリーのときにも感じたが、ダノックスって圭太ちゃんびいき。厩舎は横山典弘信者の翔伍君とこだから、これ完全にオーナー意向。まあ馬主さんが最も権力持ってるから仕方ないけどね。
圭太ちゃんも馬場の合わない英インターナショナルS(G1)は負けたが、ドバイシーマクラシック(G1)でカランダガンを負かしたなら上々。問題はそろそろ気になる「エピファタイマー」の方かもしれない。
何かの拍子にプツリと燃え尽きるんだよなあれ。ブローザホーンやステレンボッシュなんかもそう。ダービー馬の意地で復活するシーンに期待したい。
カランダガン(セ4、仏・F・グラファール厩舎)
招待された4頭(カランダガン、ゴリアット、ロスアンゼルス、クイーンズタウン)のうち、3頭が来日を取りやめてカランダガンのみ参戦。昨年出走したゴリアットの回避は残念だが、どうもこれ調教師が同じっぽいんだよなあ。
どちらもキングジョージ6世&QESを勝っているけれど、日本の馬場適性が怪しかったゴリアットよりはカランダガンを優先する考えは分かる。
というのもドバイシーマクラシック(G1)は、日本馬でも結果を残しているレースだからだ。
まだG2時代の2001年にステイゴールドが優勝し、G1に昇格した翌年以降も2006年にハーツクライ、14年にジェンティルドンナ、22年シャフリヤール、23年イクイノックス、そして今年のダノンデサイルと6勝を挙げる相性の良さを誇る。
日本の馬場ほど高速ではないにせよ、欧州との中間くらいに考えれば、ゴリアットより数段上の馬場適性。ドゥレッツァ、チェルヴィニア、シンエンペラーといった日本馬に先着した。
日本の馬場適性トライアルといえる舞台で好走したのは、近年のジャパンCに参戦したどの外国馬より不気味。いつもの調子で侮ると痛い目を見る可能性もありそう。
紙馬券を購入するファンは注意
ジャパンCはメインレースだけども、いつもと違って12R。PAT投票なら間違えないだろうが、マークシートを塗る際には注意したい。
祖母ビハインドザマスク、姉マスクトディーヴァから教えている当サイトは、マスカレードボールの勝利を信じて疑わないくらいに客観的ではないが、相手選びは多少悩みそう。
先週のマイルCS(G1)にしてもジャンタルマンタル、ソウルラッシュ、アスコリピチェーノの3頭すべてが飛ぶことはないと感じながら、馬券に絡んだのはジャンタルのみだった。
この手のレースが行われる際は、やはり不安材料の少ない馬、普通に上位人気に支持されている馬が優先でいいと思う。京都と違って東京は馬場の影響が特に出やすいコース。持ちタイムに上がり3ハロンの切れ、枠や血統に騎手と好走条件は複数ある。
あと、やっぱり追い切りの動きはチェックしたい。
※本記事はマスカレードボール信者が書いています。










