「使い分け」気になるクロワデュノール参戦…カランダガンの扱い決まったジャパンC【WIN5】

スポンサーリンク
更新をメールで通知(無料)

メールアドレスを記入して登録すれば、更新をメールで受信できます。

241人の購読者に加わりましょう

「使い分け」気になるクロワデュノール参戦…カランダガンの扱い決まったジャパンC【WIN5】

凱旋門賞の逆バージョン

東京12RジャパンC(G1)芝2400

クロワデュノール

26日、出否に注目を集めたクロワデュノールの追い切りが栗東の坂路で行われた。C.デムーロ(レースは北村友一)を背に栗東CWを6F82秒4-11秒1(馬なり)で駆け抜け、テルヴィセクス(二歳未勝)一杯の内から0.7秒追走してアタマ差の先着。陣営は追い切り次第と話していたため、時計や動きに関しては及第点のジャッジということだろう。

ただ、入り口の敷居の低さは少々気になるところ。これだけのメンバーが揃った舞台を前に、絶好調とはいかないまま、最後の最後まで結論を先延ばしにした。

ホープフルS(G1)から皐月賞(G1)に直行した馬が、フランスに遠征してプランスドランジュ賞(G3・9月14日、1着)、凱旋門賞(G1・10月5日、14着)と連戦して帰国。慣れないアウェーの地で”日本より重い重馬場”を激走した疲れは、そう簡単に抜けないかもしれない。

状態が戻らない場合、ジャパンCをパスして有馬記念(G1)への参戦も視野に入れていたようだが、クロワデュノールを所有するサンデーレーシングは、既にレガレイラとミュージアムマイルの出走を表明している。

見方によっては使い分けしたい「オーナーサイドの意向」も含まれているとも考えられ、「斉藤崇史調教師なりの抵抗」だった可能性もありそうだ。いずれにせよ、「参戦を正式表明したからには戦える状態にある」と思いたい。

シンエンペラー

その一方、競馬ファンが気になるクロワデュノールの過密ローテに関しては、シンエンペラーがちょうどいいサンプルになるか。

同馬は昨年アイリッシュチャンピオンS(G1・9月14日、3着)、凱旋門賞(10月6日、12着)とほぼ同じ日程で連戦してジャパンCに出走。8番人気の評価を覆してドウデュースの2着に好走している。これを前向きに受け取れば、クロワデュノールについても心配し過ぎの可能性もなくはない。

とはいえ、欧州血統のシンエンペラーは本質的にタフな上、海外遠征を熟知した世界のYAHAGIが管理する馬。同じ馬ではないのだから楽観視するのは危険か。今年の臨戦過程は、中間の追い切りも最終の坂路も好タイムで状態面の心配はなさそう。マークが必要だ。

ダノンデサイル

ダノンデサイルは4月のドバイシーマクラシック(G1)を制した勢いで参戦した英インターナショナルS(G1)で6頭立ての5着に惨敗。8月20日のレースからゆとりのあるローテーションでジャパンCに出走する。

1週前に戸崎圭太を背に栗東CWで6F78秒2-11秒8、最終も同コースで6F81秒3-11秒4と順調な調整過程を進んだ。横山典弘イズムの強い安田翔伍厩舎なら、好調キープを信頼していい。

重箱の隅をつつく意味で懸念するのは、やはりエピファネイア産駒である点。何かの拍子にやる気スイッチがプツリと切れ、状態は悪くないにもかかわらず突然走らなくなる馬を散見する。

気のせいと思いたくもなるが、エフフォーリアを筆頭にアリストテレス、ブローザホーン、ステレンボッシュらが似たような症状に感じられたため、「あまりにも走らなさ過ぎた前走の敗戦」が引っ掛からない訳でもない。

カランダガン

最後に「近年のジャパンCに出走した外国馬で最強の刺客」と目されるカランダガンについても触れておきたい。

過去の外国馬との大きな違いは、ドバイシーマクラシックを好走したことだ。ダノンデサイルの0秒2差2着に敗れはしたものの、ドゥレッツァ、チェルヴィニア、シンエンペラーに先着した。

日本馬にとって鬼門といえる欧州と異なり、過去に好走例の多いドバイで互角の走りを演じた意味は大きい。馬場適性を考えれば、ドバイで好走イコール日本でも好走の図式が成り立つ。それならジャパンCで不気味に映る理屈は通る。

とはいえ、こちらについては当サイト以外でも同様の仮説を立てている記事も出ているはず。だからといって「安易に飛びつくのも話がうま過ぎる」と感じた。少し冷静になれば、英仏でG1を3連勝しているような馬でも、「ドバイの馬場では負けてしまう」と考える方がしっくりくるからである。

正直、この先もキングジョージ6世&QES(G1)を勝てるような日本馬が登場する可能性は相当に低い。それほど欧州色の色濃い舞台だ。あくまでフルパワーを発揮するのはホームの競馬場であり、ドバイで通用したのも元々のポテンシャルが高かったからだろう。

ではそのドバイと秋の東京開催を比較してみてどうか。超スローペースだったとはいえ、天皇賞・秋(G1)では4着シランケドが上がり3F31秒7の末脚を使った馬場なのだ。ドバイの敗戦にしても先に抜け出したダノンデサイルを追い詰めたというより、置いて行かれたようにも映る。

タフな欧州なら日本馬のそんな脚は最後まで持たないのだが、トップギアへの切り替えの早さ、加速と末脚の爆発力で欧州馬が見劣ることは否定できない。となると前に行っても交わされ、後ろから行っても届かないシーンの方がイメージに近い。

今度こそ怖い今度こそ怖いの歴史を繰り返して19年。もういい加減にそういうのはなしにしてもいいのではないか。「日本馬の凱旋門賞の対義語が欧州馬のジャパンC」の図式は変わらず。違いがあるとすれば、まだ馬場造園課が魔改造する前のジャパンCは欧州馬が勝利していることだ。

その間に日本の馬場は年々高速化が進み、今となっては条件戦ですら過去の名馬たちが刻んだレコードと遜色ないタイムが出る有様。一昔前ならいざしらず、現在の超速馬場でドバイの好走を過大評価するのは怖い。

凱旋門賞にしてもそう。前哨戦で好走してもしかしたらと期待してもやっぱり厳しかった。天候に恵まれなかったことは大きかったにしても、それは外国馬にとっての日本の馬場と同じこと。週末の天気も崩れなさそうな雰囲気でもあり、「買いか消しか」で問われると「消し」の結論だ。