”幻の三冠馬”フジキセキ逝く

非常に残念なニュースだった。

競馬を長くやっていると好きだった馬の子や孫の活躍に胸を躍らせる一方でその死にも対峙しないとならない。

アドマイヤベガ、エアグルーヴ、エルコンドルパサーなど数多くの好きだった馬が亡くなったが、フジキセキは競馬に最も嵌まっていた当時の馬だけに尚更感慨深いものである。

テイオーやブルボン、BNW世代、ブライアンの頃だ。

この頃はまだ今のような社台独占状態ではなく個人馬主も元気な時代。

鳴り物入りで日本で繋養されたサンデーサイレンスの初年度産駒の代表がフジキセキ。

その鮮烈なデビュー勝ちから無敗で朝日杯3歳S(当時)を制し、弥生賞でもプラス16キロ増とあのルドルフと同じ体重増での復帰。

キャリアの浅かった自分としては既に3冠馬となっていたナリタブライアンをミスターシービーに例え、フジキセキにはシンボリルドルフのポジションを勝手に期待していた。

結局は夢破れて引退となったのだが、弥生賞での急激なギアチェンジが原因となったのではないかと思った。

このときは逃げるくらいの勢いで早め先頭に立ったのはいいが、後方から蛯名のホッカイルソーが矢のような伸びで追い上げた。

流しに掛かっていたフジキセキは驚いたように最加速をして残り50m程度で2馬身半もの大差をつけたのである。

正しいか間違っているかは分からないが当時は騎乗していた角田の慢心が引き起こした事故のようにすら感じたものの、それもまた馬の持つ運命だったのだろう。

引退が早かったが故に父サンデーサイレンスの壁が厚く、厳しい中で優秀な産駒を多数輩出。

個人的にはG1を勝てなかったが、産駒ではダイタクリーヴァが一番好きな馬。

亮くんからアンカツさんに乗り替わって急に1番人気になり、マイルCSでも勝利寸前のところで的場さんのアグネスデジタルに出し抜けを食らって2着。

この馬連持ってたなあ（笑）

後継種牡馬として最後にイスラボニータを出せたのはよかったし、ストレイトガールも最後に存在感を出せた。

キンシャサノキセキはシュウジ、ダノンシャンティはスマートオーディンとフジキセキの血は脈々と次世代へと引き継がれていく。

■フジキセキ号代表産駒（G1勝ち）

■WINSや競馬場売店でされていたテレホンカード

※当時はまだテレカだったが、馬券を取るたびにお礼代わりに購入していた。

これまだうちにあるんだよねえ。

■フジキセキ号の全成績

※幻のダービー馬ではなく、あえて幻の三冠馬と言いたい。

確かに菊花賞のマヤノトップガンは難関かもしれないが、ダンスパートナーが5着したような年。

ジェニュインやタヤスツヨシを問題にしなかったポテンシャルから菊も普通に勝てたと考える。

何気にここでも豊さんは朝日杯勝てない歴史。

■フジキセキ号の全レース動画

※出遅れて8馬身馬なり楽勝の新馬戦が強烈な印象。

■JRA公式ページの特集

フジキセキ号が死亡

ＳＳ一族の長兄　フジキセキ

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