モレイラとサトノレーヴで即決か…ノーマークの穴馬に驚いたスプリンターズSの展望
このために来日したモレイラ
中山11RスプリンターズS(G1)芝1200
アスクワンタイム 牡4 未定
ウインカーネリアン 牡8 三浦皇成
カピリナ 牝4 戸崎圭太
カンチェンジュンガ 牡5 坂井瑠星
サトノレーヴ 牡6 モレイラ
ジューンブレア 牝4 武豊
ダノンマッキンリー 牡4 横山典弘
トウシンマカオ 牡6 横山武史
ドロップオブライト 牝6 未定
ナムラクレア 牝6 ルメール
ピューロマジック 牝4 松山弘平
ペアポルックス 牡4 松若風馬
ママコチャ 牝6 岩田望来
ヤマニンアルリフラ 牡4 団野大成
ヨシノイースター 牡7 内田博幸
ラッキースワイネス セ7 リョン
ルガル 牡5 川田将雅※フルゲート16頭
9月に入って秋競馬が始まったと思ったら、もう秋G1開幕を告げるスプリンターズS(G1)の開催である。
スプリンターズって有馬記念(G1)の前の週にやってたっけな。そっちの方が面白かったなあという人はこちら側。JRAとしては、とっかかりの盛り上がりが欲しいのだろうけど、個人的には昔のスケジュールの方が面白かったなあ。
ちなみに昨年のスプリンターズS週はこんな結果。出だしから単勝1.2倍に支持されたルメールのエンブロイダリーが飛び、最後も9番人気ルガルの勝利と荒れに荒れた。
当方もエンブロイダリーは疑ったものの、クリノメイは抜け。ルガルもノーマークだったから手も足も出なかった。SNSでは誰だったか富豪買いしてた人が当ててたな。
それでも買い目を見たら最後をルガル1点で仕留めてて恐れ入った。ああいうのは単に金にモノをいわせて当てたとは言えない。ただ大金を使えばいいだけじゃないのも見えて面白いね。
勝ったルガルは、1番人気に推された昨春の高松宮記念(G1)を骨折の影響で10着に大敗し、スプリンターズSに直行。ファンも手のひらを返して9番人気まで急落したが、陣営の努力の甲斐もあって見事な復活勝利を挙げた。
馬のデキが素晴らしかったのはもちろんのこと、最大の立役者は鞍上の西村淳也で間違いない。
レースはピューロマジックが前半3F32秒1の超ハイペースで飛ばし、これにビビった後続は追い掛けない選択をした。
ところが中山の高速馬場の影響で前がそう簡単に止まらない。慌てた連中が追い出したときは時すでに遅し。「勝てる位置」で競馬をしていたルガルに勝利が舞い込んだ。超ハイペースのように見えて出走各馬の上がりは、16頭中10頭が33秒台、34秒台4頭、35秒台2頭の内訳だった。
大逃げを見せたピューロマジックにしても勝ち馬から0秒5差の8着。上位入線した馬の中でも唯一12番手の後方を走っていたナムラクレアは、横山武史の判断ミスといわれても仕方なかっただろう。
レースを掻き回したピューロマジックは今年も出走するが、前走のアイビスSD(G3)で控えて差し切るトライアルに見事成功。ここまでやったなら今年も逃げることはほぼない。つまり、昨年のような展開にはならないということだ。
昨年1番人気のサトノレーヴにしてもキャリアが浅く、不慣れなレース展開に戸惑った可能性がある。モレイラを起用する今年こそと陣営も力が入っている。
各馬については後述するとして、レースの傾向を振り返ろう。
過去10年の勝ち馬はこちら。
少し前までは、3番人気までの3頭を買っていれば勝てるレースだったが近4年から傾向が一変。高松宮記念(G1)は2番人気のサトノレーヴが優勝したものの、中京と中山でコースの異なることもあってか、春秋スプリントG1連覇を達成した馬は、2018年ファインニードルが最後。モレイラの信頼感はあっても、サトノレーヴで断然とまではいかなさそうである。
参考までに某キチガイ掲示板の予想オッズを見てみたところ、下馬評はサトノレーヴが他馬を大きくリード。以降はいつものメンバーといったところか。
1分ちょっとで終わるレースといっても、昨年のように騎手次第なところもあるのだから、枠順や道中の展開で勝ち馬も変わりそう。G1タイトルを手に入れ、キャリアも重ねたサトノレーヴと言えど、一歩間違えれば取りこぼす危険もあるはずだ。
サトノレーヴ(牡6、美浦・堀宣行厩舎)
昨年7着に敗れたスプリーンターズSから、香港スプリント(G1)に遠征してカーインライジングの3着。春の高松宮記念で初G1勝利の勢いで臨んだチェアマンズスプリント(G1)は、またしてもカーインライジングの2着に敗れた。前回の半馬身から2馬身半と決定的な差をつけられる完敗である。
そこからイギリス遠征したクイーンエリザベス2世ジュビリーS(G1)でラザットの2着。異国の地でも通用する実力を見せた一方、現在の日本は世界に通用するほど短距離界のレベルが高くないことも実感した。
ロードカナロアのような傑物は滅多に出現しないのだから、それはそれでという気もするし、どん欲に挑戦する陣営の姿勢にリスペクトしても、とやかくいうものでもない。
海外の一流どころに負けたからといっても国内トップを名乗っていい成績。そこへきて頼れるモレイラが騎乗するなら最有力といえる。実際、モレイラの短期免許もこの馬のために来日したようなものなのだから。
ナムラクレア(牝6、栗東・長谷川浩大厩舎)
3年前の桜花賞(G1)で◎を打った馬。このときの浜中はこちらの希望通りの乗り方をしてくれて完璧なエスコート。確かに文句のつけようもなかったはずだ。
ただ、その後のG1戦線では浜中の足りていない部分がちょくちょく目立ち始めた。北九州記念(G3)は川須の被害に遭ったとはいえ、スプリンターズSや高松宮記念で「そうじゃないだろ」という位置取りが勝利を遠ざけたように映る。
特に去年の高松宮記念なんかは絶望的に酷かった。前残り展開のレースで後方待機策を採り、ゴールでも後ろにいた分だけ届かずマッドクールに負けた。さすがにオーナーもしびれを切らしたのかスプリンターズSで横山武史を起用したが、G1を勝ちたいなら今の武史を乗せても期待薄。位置取りを間違えて3着が精一杯だった。
そしてついにはルメールまで引っ張り出したのが高松宮記念。だが、そのルメールもモレイラの前では赤子同然のようにおもちゃにされて勝てなかった。馬は足りても騎手が足りない成績が長引いたとはいえ、さすがに「切り替えが遅過ぎた」のではないかとも感じる。どうせならもっと早くルメールを乗せていれば、チャンスがあったかもしれない。
特別得意ではない芝1200mでも重賞に限っては圧倒的な好成績を誇るルメール。定着し始めたモレイラ>>>ルメールの図式を否定するためにも勝ちたいところだ。
トウシンマカオ(牡6、美浦・高橋瑞樹厩舎)
鮫島克駿から紆余曲折を経て横山武史に手綱が回った。本をただせば戸崎圭太が乗り捨てた馬。圭太ちゃんが降ろされた馬は出世するというジンクスはあれど、この馬も惜しいところ止まりが続いている。
本馬の魅力は祖父サクラバクシンオー譲りの成長力か。対ナムラクレアでは分が悪いものの、ママコチャ相手には騎手がミスした以外のレースは先着する。相手がG1馬という意味でも、力は足りているけど運が悪かったと同情する部分もある。
前走のセントウルS(G2)は、ママコチャどころかカンチェンジュンガにも敗れて3着だったが、戦前の状態に自信満々のコメントを出していた陣営から、レース後に「状態はあまりいいとは思えなかった」「先生とも目標は次と話していました」「本番前のひと叩きとしては良かった」という競馬ファンを馬鹿にしたような裏切りコメントも出た。
実力上位の馬であることは間違いないが、こういうことをしてくる陣営は推したくない。まあメディアの方が悪いのかもしれないけどね。
ママコチャ(牝6、栗東・池江泰寿厩舎)
安土城S(L)からトントン拍子でトップに上り詰めたシンデレラガール。ジャンタルマンタルと同じく川田将雅の強奪に遭った鮫島克駿に同情したくなるが、その克駿も降ろされても仕方ないような言動や騎乗もなくはない。
そうはいっても、セントウルSであっさり乗り捨てた川田も正直好きにはなれない。どうやらジャンタルマンタルの欧州遠征の兼ね合いで都合がつかなかったようだが、それだけなら本番には乗れるはず。
にもかかわらず、本番は代打騎乗した岩田望来の継続で、自身は西村淳也から奪ったルガルに乗る模様。ケガによる戦線離脱の長引いた西村だが既に復帰の目途が立っていたタイミング。ハッキリとした裏事情はわからないが、やはり好意的に見られるものでもない。
というのも、春の重賞戦線や他レースで川田以上に西村の好騎乗が多かったからだ。川田→西村が好成績で西村→川田は成績が下がったケースも目にした。先述したように昨年のルガルがスプリンターズSを勝てたのは、退かなかった西村淳也の勝利である。
この手の「馬より騎手の手柄」だった人馬のコンビは、乗り替わりがプラスとはいえなさそう。
ルガル(牡5、栗東・杉山晴紀厩舎)
「近年最弱」と揶揄される現5歳世代。確かにソールオリエンス、タスティエーラ、ドゥレッツァといったクラシック勝ち馬が年長馬や下の世代相手に苦戦した。
ただ短距離路線に関しては別。実際にルガルがG1を勝って低評価に抗った。
とはいえ、今回は西村→川田なので応援する気はあまりない。ドゥラメンテ信者として温かく見守る。ん?え?そういやドゥラメンテだったのかこの馬。がんばれ。
カピリナ
秋の中山みたいな超速レコードがマークされた函館スプリントS(G3)で重賞初制覇。典型的な行ったもの勝ちのレースとなり、スタートで後手を踏んだナムラクレアは8着と凡走したほど。そりゃ16頭立ての直線14番手では、ルメールが悪いとしか言えないけれど、こんなレースがG1で直結するようにも思えない(個人の感想です)。
カピリナにしても牝馬限定戦の愛知杯(G3)で3着、2着ジューンブレアもCBC賞(G3)で2着、5着馬インビンシブルパパが優勝したくらい。度外視していいレースではなかろうか。
ジューンブレア、カピリナとも中山芝1200で好走実績のある馬だが、そのレースレベルは決して高くもなかった。底力勝負では明らかに分が悪そう。
ラッキースワイネス
今でこそカーインライジングが香港最強の名をほしいままにしているが、その前までは本馬が最強スプリンターだったといって過言ではない。
世界に通用するようになった日本馬だが、香港のスプリント路線は世界最強クラス。出てくるからにはノーマークに出来ない存在である。
かといって、ホームのチェアマンズスプリントですら、日本から遠征したアウェーのサトノレーヴ、ルガルに負けているようでは恐るるに足らずだ。
ピューロマジック
予想オッズをチェックして最も驚いたのは、ピューロマジックの評価が予想外に低かったことだ。
なにしろアイビスSDを見たときの衝撃はなかなか。こんな競馬ができるようなら秋のスプリントでこの馬に敵う馬はいなくなるかもしれないと予感したほど。どこが推しポイントかというと、その気になればいつでも逃げられるスピードを持っているだけではなく、全く想像もしていなかった恐るべき切れ味まで兼ね備えていたことだ。
これだとテイエムスパーダを負かした程度に見えて中身は相当に濃い。スタートからルメールは出す気がなく、道中もスムーズさを欠いて右へ行ったり左へ行ったり。結局、外へ出すのを諦めてコースの真ん中から差し切ってしまった。
ゴール後もまだ余裕があり、全力で走っていないため、実際の実力差はクビどころじゃなかったはず。このインパクトは相当であり、スプリンターズSはこの馬かもなと感じた。
今回はナムラクレアの先約でルメールは乗れず、誰が乗るのかと心配していたのだが松山弘平に白羽の矢が立った。別に典ちゃんに戻したっていいんだけどなあ。
牝馬相手なら当たりが柔らかい騎手という意味でも弘平ならいいか。たった1回しか成功していないとはいえ、控える競馬で強い勝ち方をした意味は大きい。
あえて懸念材料を挙げるとすれば、割と自信のあったオールアットワンスを◎にした当方が、見事に空ぶった過去を持つこと。
いまだに納得いってないけど、骨折した馬だけに何かあったんじゃないかと思ってる。ラストランのカペラS(G3)にしても全く競馬してなかったもんな。
モレイラ信じて1点にするか…それとも?
そもそもがここを目的で来日したモレイラなのだから、イエローキャブの堀宣行厩舎も全力仕上げで挑むだろう。
トウシンマカオ、ママコチャにしても近走は馬券に絡んでも1着はどうかという成績。セントウルSにしても伏兵カンチェンジュンガにあっさり差し切られてしまったのは情けない。
ナムラクレアもルメール起用はいいけど遅きに失した気がする。G1を勝てない一因となった浜中俊の名誉のためにも、今更勝たれては可哀想。だったらもうノーマークの伏兵という意味でルガルが昨年勝利した。
だが、そのルガルも今年は順調さを欠いた上に西村ではなく川田。少なくとも個人的には西村の方が買いだ。
日ごと存在感を増している強い3歳世代からの刺客もいないなら、割といつメンのスプリンターズSではないだろうか。
あとは当日の中山の馬場状態次第かな。今週末の天気は雨予報も出ておりまだ不鮮明。ルージュラナキラも1分7秒0で走破したなら相変わらず馬場は良好である。
Cコース継続でもG1前なら馬場造園課が裏でまた何かやってきそうな気配もある。
当たり前だけど後ろからの競馬で間に合う状況ではない。
最終的な結論はいつもの予想記事で。



















