2016第46回高松宮記念(G1)の結果分析

香港馬対策かどうかはさておき、JRAが突発的に行った馬場のテコ入れで最終週にもかかわらずレコードが連発するといった異例の馬場状態となった。

スプリントG1ともあって近年の重い馬場での開催は懸念事項であったが、何も急に今頃やったのは胡散臭い何かがあるのかと勘繰りたくもなる。

前日の土曜の岡崎特別(1000万下)で1.07.4のレコードが出たようにG1ともなるとすぐに更新されるであろうことは誰の目にも明らかだった。

公正競馬と対極に位置することを平然とやってのけるJRAにはうんざりするもレースそのものは実力馬が揃って不利なく能力を発揮する白熱の争い。

テンの32.7は中山のオーシャンSでハクサンムーンが刻んだラップだが、ローレルベローチェと競り合ったためか意外と早くに脱落。

馬場そのものは中山より良好だっただけにG1特有のプレッシャーや単騎でいけなかったこともあるのだろう。

レースはローレルベローチェが主張してハクサンムーンはやむなく番手に控える。

ミッキーアイル松山弘平はスタートから出してあわよくば逃げる構え。

その直後で虎視眈々とマークしていたのが勝ったビッグアーサー。

内前残りの超高速馬場といえば年始の京都が有名。

その京都のオパールステークスで同じく1.06.7で突き抜けて楽勝したのがビッグアーサーだった。

ロードカナロアの引退以降、長らく停滞していたスプリント路線にも世代交代の波がようやく。

ただ、気に入らないのは隼人とゴールドアクターのような応援したいコンビではなく、運がいいだけの祐一が勝ったこと。

■初重賞制覇がG1となったビッグアーサー

※エアロヴェロシティとダンスディレクターの回避は非常に残念。

■ラップ構成

■2016第46回高松宮記念(G1)レース映像

■各馬のコメント

1着ビッグアーサー

思い起せば昨年の岡崎特別をメインの高松宮記念と0.1差で勝ったのがビッグアーサー。

1年後には自身が勝ち馬になるのだからなかなかのシンデレラストーリー。

そしていまやディープインパクトの独裁政権になりつつあるなかで内国産のサクラバクシンオー産駒が勝つというドラマもある。

とにかく今回はすべてがうまく嵌まった。

エアロヴェロシティ、ダンスディレクターも回避して4番の絶好枠にJRAの馬場操作で高速化。

ここを勝ったからといって中山のスプリンターズSでも大本命といかないのが難しいところ。

2着ミッキーアイル

音無師が自らの非を認めていまになって逃げにGOサイン。

弘平の迷いのない逃げは頼もしかったが、無理に逃げる必要もなかったかもしれない。

あくまで馬が行きたいときに邪魔をしない【手綱を引かない】のが推奨。

まあそれでもこの展開はどうしようもなかったか。

それほど勝ち馬は強かった。

3着アルビアーノ

元は逃げていたようにけしてスピードのない馬ではない。

前が止まらない展開はある程度想定できたがクリストフにしては位置取りも後ろ過ぎた感。

ただ、強い馬なのは確かだが牡馬相手にG1を勝つようなタイプでもない。

ヴィクトリアマイルで牝馬相手に戦った方が期待も高くなる。

4着アクティブミノル

逃げてセントウルSを勝った馬だけに差してくるとは思っていなかった。

勝ち馬のビッグアーサーは康太自身が結果を出せずに降ろされた馬。

ずっと乗ってきていていきなりとんびに油揚げで美味しいところだけ持っていかれた心中はいかに。

近走二桁着順が続いていた馬を一変させたのは評価。

5着エイシンブルズアイ

普通に1200mで逃げ先行していた馬だが、前走のオーシャンSであまりにも鮮やかに差し切ったばかりに石橋脩が余計な色気を持ってしまったのに付き合わされたのは可哀想。

それに外の13番枠を引いたのも不運が重なった。

スプリンターズSではリベンジを狙いたいが、鞍上はぜひとも替えて欲しい。

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