脆くも崩れ去った共同通信杯(G3)武豊マイラプソディへの過度の期待と厳しい現実

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 共同通信杯もまた、京都記念同様に人気馬がアテにならない傾向の強いレースだ。過去10年で6頭もの単勝1倍台だった馬たちが、その期待を裏切ってきた歴史がある。19年は1.7倍のアドマイヤマーズ、15年は1.8倍のドゥラメンテ、12年は1.4倍のディープブリランテが2着に敗れた。

 これについては過去のエントリでも触れているので詳細はそちらに任せたい。

 そんなレース傾向とは相反して勝ち馬にG1馬が多数いることも大きな特徴である。2着に敗れた単勝1倍台の馬はすべて後にG1を勝っていれば、1倍台の支持を受けていなくともスワーヴリチャード、ディーマジェスティ、リアルスティール、イスラボニータ、ゴールドシップなど多数のG1馬を輩出している。

 それ以外でもサトノアラジン、スピルバーグ、ベルシャザール、ダノンシャンティと書くのも面倒になって来るほど多い。

 で、最大公約数として見えたのは3着以内、または0.3秒差以内という目安。これは名前をあげた馬すべてがクリアしている。これらを加味すると今年のマイラプソディの4着、0.7差の敗戦は、前向きに考えるにはあまりに厳しい結果だったといえるかもしれない。

 同じ敗戦でも少なからず負けてなお強しと感じられる走りをしていたのかと考えたときに浮かぶのは、G1級の能力への疑問しか残らなかったのが正直なところだ。

◆共同通信杯のラップタイム構成
13.2-11.9-12.5-12.9-12.7-12.1-11.2-11.4-11.7

前後半3Fと1000m
37.6-63.2-34.3

 1200mまでスローペースで流れ、直線に入った残り600mからの急加速。この段階で後方にいると前で楽をしている馬との差を詰めるのが精いっぱいでとても届かない。L1ですら11.7でまとまっているのだから当然差し追込みは絶望。

 ではレースの中身を振り返ってみたい。

 このスローの上がり勝負で最も展開に恵まれたのはビターエンダーで間違いない。まんまとマイペースで逃げて上がりも34.3でまとめているのだから、これは勝ったダーリントンホールが強い競馬をしたが故の敗戦で仕方なし。

 3着フィリオアレグロは外から好スタートを決め、そのまま先行押し切りを期待に反してミルコはまさかの外目の後方に下げてしまったのはもったいない。にもかかわらず、1,2着馬に上がりで後れを取ったのはプラス18キロの馬体にも原因があったのかもしれない。

 4着に敗れたマイラプソディの評価は少々難しくなる。なぜならば、途中までの位置取りは内の斜め前にルメールのダーリントンホールを見る形で追走し、それほどの差はなかった。勝敗に大きく影響したと考えられるのが、ラップが緩んだタイミングを見逃さずにすかさず仕掛け気味にポジションを押し上げたルメールに対し、何もしないでただ、外を回し続けたことだろう。

 直線にかけても内へ内へ切れ込みながらコーナリングも活かしたダーリントンホールとは直線に入ったときにはすでに3馬身程度の差がついてしまっていた。これは無策だったミルコもそうだが、かつては甘かったルメールがなぜ、現在のポジションまで上り詰めたのか納得できるソツのなさだった。

 仮に騎手が逆であったなら勝っていたのはビターエンダーだったかもしれないし、マイラプソディだったかもしれない。それほどルメールの巧さばかりが目立ったレース内容に思えた。たまにやる気のない乗り方をするため、気に入らないところはあれどやっぱりルメールが巧いのは認めざるを得ない。

 とはいえ、それ以前に勝ったダーリントンホールは500万の葉牡丹賞3着からの臨戦、ビターエンダーにしても京成杯(G3)で4着に敗れていた馬ということだ。

 言葉は悪いが、この程度の相手に乗り方を工夫しないと勝てなかったレベルで論じている時点でもう絶望的ではないか。確かに雨の東京競馬場の芝は内から乾いていくだけに今回のような馬場は圧倒的に内前が有利。

 だが、本当に強い馬というのは、騎手が少々ヘマをやらかしたところで馬の能力でチャラにしてしまうくらいのポテンシャルがある。馬が強いからこそミスが目立たないのはよくあるし、だからこそそういうときは余計に強く映るわけだ。

 残念ながら今回のマイラプソディにはそれだけの力がなかった。

共同通信杯(G3)のコメント ※ラジオNIKKEIより

1着 ダーリントンホール(C.ルメール騎手)
「最後は2着馬との争いになりました。一生懸命走ってくれました。跳びが大きくパワーのある馬で、道中はリラックスさせることを考えて走らせました。長い直線で長く脚を使いました。まだ身体が緩く子供っぽいところがあります。レースを使うごとに良くなりそうです」

 しれっと馬を褒めているが、今日の内容は馬ではなく実質ルメールの勝利といっていい。

2着 ビターエンダー(F.ミナリク騎手)
「調教に乗った時の感触とレースのVTRのイメージから、スタートは出ないかなと思っていましたが、好スタートを切ってハナに行けました。折り合いがついて、ペースもコントロールできて、手応えも良かったです。最後までファイトしてくれました」

 最高の展開と最高のレース。重賞級ではないが、いい線までは行きそう。

3着 フィリオアレグロ(M.デムーロ騎手)
「まだ幼いですね。今日は2戦目だったので、スタートは出てくれました。レースを教えながら中団を進み、4コーナーでは良い感じでしたが、反応が鈍かったです。馬場が原因なのか、伸びてくれませんでした」

 大幅な馬体増と半兄サトノクラウンという血統から将来性はあるかもしれない。まだキャリア1戦からの出走なら収穫はあったといえそう。いきなり勝ち負けは期待が大き過ぎたかもしれないし、それで勝ったらG1級なのだからそうではなかったということ。

4着 マイラプソディ(武豊騎手)
「残念です。具合は良さそうで、ゲートに入るまでも何も問題ありませんでした。展開が向かなかったにしても、全く伸びませんでした。馬場をそこまで気にしているような感じもありませんでしたし、(敗因は)わかりません」

 抜けた存在である対コントレイルを思えば、クラシックを盛り上げてもらうためにもこれくらいはクリアして欲しかった。ただ、今回の走りがすべてとも思わない。周りの期待が大き過ぎただけで、G3の一つや二つはまだまだ勝てそう。

5着 ココロノトウダイ(丸山元気騎手)
「休み明けだったので、次はもっと良くなるでしょう。ただ、もう少し粘ってほしかったです」

 言い訳の出来ない完全な力負け。

残念ながらコントレイルVSクリスタルブラックの下馬評に変化なし

 マイラプソディには一角崩しを期待していたのだが・・・。

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