7日、東京競馬場で行われた春の最強マイラー決定戦・安田記念(G1)は、池添謙一騎乗の3番人気グランアレグリアが快勝。前走のヴィクトリアマイル(G1)を圧勝した「7冠馬」アーモンドアイは単勝1.3倍の圧倒的1番人気の支持を受けたが、後輩桜花賞馬の前に2馬身半差の完敗。史上初の8冠達成とはならなかった。
3週前の同舞台をノーステッキで2着馬を4馬身突き放す圧勝をしていたアーモンドアイ。あまりに楽勝過ぎたがゆえに手っ取り早く安田記念で8冠を狙ってきた。それまでの虚弱設定を放棄してなのだから油断もあったのだろう。レース後に負けることを想像していなかったと陣営がコメントしたことでも明らかだ。
当方も負ける可能性は多分に想定していたものの、明確な根拠は持てていなかった。ただ、単に使い分けで相手を選びつつの都合のいい使われ方に嫌悪感を募らせたやっかみに近い感情だ。やり方は気に入らないが、勝つ可能性が高いのもまた確か。とはいえ、こんなことがまかり通るようでは競馬が詰まらなくなる。誰かに鉄槌を下して欲しい、そういった負の感情と、VMより相手強化の安田を楽勝するイメージがわかなかったことである。
姑息な真似が予期せぬ誤算となった
ヴィクトリアマイルにしてもグランアレグリアを回避させての割り込みだった。同じノーザンの馬だけに序列が下のグランが割を食った格好である。インディチャンプら同じくノーザンの牡馬強豪とぶつかる安田よりも牝馬相手のVMの方が与しやすいという条件も当然あっただろう。
案の定、弱いものいじめで「7冠」を達成した。そして鮮やかな勝ち方を見せたが故に、だったらやっぱり安田も使ってしまえという傲慢さが窺えた参戦ではなかったか。
アーモンドアイ陣営としては負けたくない、負ける可能性の低いところを使いたいのが最優先。相手関係に一抹の不安のある安田よりVMを選択したことに残念さはあれど違法ではないことも確か。だが、とばっちりを食っていたのはグランアレグリア陣営だ。
ルメールとノーザンの都合で真相不明のグレーな熱発で回避させられた挙句、安田ではルメールではなく再び池添が回された。引退間近の藤沢師も長年の低迷からダービー勝利まで世話をされた得意先に抵抗するだけの力もなく受け入れたのだろう。
だが、結果的にはノーザン陣営の選択は見事に裏目に出た。VMから追いやったグランアレグリアに完敗したのだから。当初の予定通り、VMにグランで安田にアーモンドならこんな醜態を晒さなくて済んだはずである。
まさにノーザン独裁政治の弊害
天誅というのは表現が過激になり過ぎるが、自業自得には違いない。最強を名乗るなら大阪杯(G1)から宝塚記念(G1)のローテーションでも組めばよかったものの、そんなのは眼中になかっただろう。
あくまで勝てそうな相手と楽なレースを選ぶのが主目的に感じる。その上にVMなんて使ったのだから言い訳不可能な敗戦だ。
古い時代の人間の言いがかりに過ぎないかもしれないが、凱旋門賞から逃げ、挑戦を諦めた時点でアーモンドアイは最強馬論争から除外されるべき存在となってしまっている。一昔前の最強馬争いというのは強い馬同士がお互いを高め合う醍醐味があった。
それが、現在のノーザン1強の独占状態では共食いを避けて使い分けするのが一般的となってしまっている。これは競馬界の発展にとって大きな衰退を意味し、レースの格、および優勝馬の価値すら低下させてしまう要因ともなる。まさにノーザン独裁政治の弊害ともいうべきだろう。
秋の8冠達成はあるか
天皇賞・秋(G1)に全力案件だろう。ここを取り逃がせばコントレイルやデアリングタクトと走らなければならない。やってみないとわからないとはいえ、出来れば避けたい相手だろう。
サリオスやサートゥルナーリアの動向も気になるが、幸いこれらは同じくノーザンの馬だ。安田記念の二の轍は踏みたくないだろうから、ノーザンの強そうな馬は徹底的に回避させる可能性も考えられるか。
グランアレグリアとの再戦はほぼゼロ
秋のグランアレグリアは1200-1600のレースに使うと発表されている。距離適性は未知数なだけに安田でこれだけ強い勝ち方をした馬の可能性を狭めてしまうことについては否定しておきたい。
アーモンドアイへの忖度なのだろうが、毎日王冠辺りで距離適性を再度見極めて、問題なければ天皇賞かマイルCSというのが本来あるべき姿ではないか。
まあ勝ち逃げすることになるため、アーモンドアイに圧勝した馬という栄誉は残るか。
レース内容
ダノンスマッシュが外から飛び出して逃げ、ミスターメロディ、セイウンコウセイ、ダノンプレミアムがこれに続く。アドマイヤマーズも先行争いに加わり、前に行った馬には厳しい流れ。
インディチャンプ、グランアレグリアは中団やや後方。アーモンドアイはで負けしたもののすぐにリカバーして後方待機策を取る。ダノンキングリーは前に行くのか後ろに行くのかどっちつかずの中途半端な乗り方で5,6番手からの追走となった。
直線に入り、先行勢があっけなく脱落する中で外から力強く伸びたのがグランアレグリア。これに真ん中から馬群を抜けて来たインディチャンプが追い上げ、さらに外からアーモンドアイが猛追。
ゴール前でアーモンドアイはインディチャンプを何とか交わしたものの、はるか2馬身半前にグランアレグリアの背中があった。
大きな不利もなかったことからこれは決定的な着差だったといえる。
グランアレグリアは朝日杯FS、NHKマイルと長い直線で伸びあぐねて人気を裏切った前科もあっただけに安田の舞台も懐疑的な見方はあったが、これまで敗れたときの不甲斐なさとはまるで別馬のような突き抜け方だった。
阪神Cの圧勝から馬が変わったのかもしれない。
安田記念のラップ構成
勝ち時計 1.31.6/勝ち馬3F:33.7
前後半
3F34.2-34.30.1差イーブン
4F45.7-45.90.2差イーブン
※土曜夜に降った雨で時計が掛かるようになり、VMやNHKマイルのようなグリーンベルトは消滅。上滑りする馬場になっていた。
レース後のコメント ※ラジオNIKKEIより
1着 グランアレグリア(池添謙一騎手)
「道中は折り合いに気を付けて進めていこうと思っていました。良いリズムの中で、あの位置になり、あとはタイミング一つだと思っていました。有力馬が後ろにいると感じていましたが、自信を持って動かして行き、そこからしっかり反応して、直線抜け出してからもしっかり踏ん張ってくれました。藤沢調教師の馬でGIを勝てて良かったです。今日GIを勝つことができて僕の仕事はしっかりできたと思いますし、これからチャンスがあるなら、この馬にずっと乗っていたいと思います」(藤沢和雄調教師)
「アーモンドアイを含めてたくさんGIを勝っている馬がいて大変だと思っていましたが、スタートも良く、上手にレースをして頑張ってくれました。中団あたりから手応え良く進めて、4コーナーでは安心して見ていられました。ただ、穏やかになっているとはいえ、難しいところもあるので間隔を空けつつ使っていくことになると思います。夏場は適当なレースがないので、様子を見ながら考えていこうと思います」
藤沢調教師はハッキリ言ってそれほど好きではないが、VM回避の心中を思えば胸がすくような勝利だったのではないか。秋もまたアーモンドアイに忖度させられるだろうが、一矢報いたことに変わりはない。
2着 アーモンドアイ(C.ルメール騎手)
「スタートは良くなかったのですが、道中はスムーズでした。勝ち馬の後ろから行って、直線追い出しましたが、いつものような脚ではありませんでした。コンディションは良かったのですが...」
いつものようなというのがルメールも国枝師の論調だが、力負けした事実は受け入れた方がいい。グランがいなければ実質の勝利だった訳であり、力は出し切っている。
3着 インディチャンプ(福永祐一騎手)
「ゲート内で隣の馬が突進した影響もあってスタートは良くありませんでした。その後はリズム良くいい形でレースができました。勝ち馬に並ぶところまで行ったのですが、勝ち馬は最後まで止まりませんでした。緩い馬場でしたが、気にせず上手く立ち回っています」
落鉄云々の影響はほぼなかったと思える好走。これだけ走れば、アーモンドアイに不利があったときには先着しても不思議ではない力も証明した。
4着 ノームコア(横山典弘騎手)
「馬はよく頑張っていると思います。まだまだこの先良くなりそうな馬です」
内枠を引きながら下げてから外をぶん回した騎乗に不満はあれど、馬場が荒れていたことを考えれば上々か。叩き3戦目で状態がよかっただけに4着は惜しい。
5着 ケイアイノーテック(津村明秀騎手)
「やりたいレースはできました。前半はゆっくり進めて、後半一気にスピードアップして長く脚を使いました。一旦勝ち馬に並んで見せ場を作れました。久々にこの馬の良い競馬をしてくれました」
今回状態が大幅に戻ってきていたという噂があったが本当らしい。
6着 アドマイヤマーズ(川田将雅騎手)
「スムーズに3番手を進んで行けました。勝負どころで動きづらかったのは、久々の分という印象です。これだけのメンバーで、よく頑張っています」
この敗戦で川田がどうこうというつもりはない。富士Sがだらしなかったようにこの馬は叩き良化型だろう。
7着 ダノンキングリー(戸崎圭太騎手)
「いいポジションで、リラックスしていけた。ただ、3コーナーでペースが落ち着いた時にのめって、ハミを執ってしまった。それで伸び切れなかった」
何がしたかったのかわからない乗り方だった。相変わらず戸崎らしいというか。
8着 ダノンスマッシュ(三浦皇成騎手)
「リズム良くレースを進めることができました。最後の300mで甘くなりましたが、距離が少し長い分もあったかもしれません」
ラビットの役目は果たした。それ以上でもそれ以下でもない。
13着 ダノンプレミアム(D.レーン騎手)
「馬場の内側が傷んでいて、そこを気にしていました。チークピーシーズを付けて、手応えは良かったのですが、残り500mぐらいのところで、馬場に脚を取られてしまいました。昨日の雨がこの馬には痛かったです」
前走で不良を59キロで3着していた馬とは思えないコメント。
ただ、今年のレーンは無能感が凄い。
14着 クルーガー(石橋脩騎手)
「(隣のアーモンドアイに)つられる形でスタートをあおってしまいました。その後も馬と離れてしまって気持ちが乗っていませんでした。馬群に入っていれば違ったのでしょうけど、今日は集中していない感じでした」
馬は頑張ってるよ。
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