R.キング「また勝てて嬉しい」に脱帽…関屋記念で重賞連勝した最強助っ人に意外な過去
もうキング買っとけば当たるんじゃない?
新潟07R関屋記念(G3)芝1600
27日のWIN5最終関門となった日曜新潟メインの関屋記念(G3)は、R.キングの騎乗したカナテープ(牝6、美浦・堀宣行厩舎)がオフトレイル、ボンドガール(2着同着)をゴール前で差し切って勝利した。
1番人気の支持に応えたカナテープにしても単勝オッズは4.4倍もついていたように、決して抜けた存在ではなかった混戦のレース。2着馬とわずかクビ差だったとはいえ、惜敗止まりではなく勝ち切ってしまうところが「キング姐さん」の卓越した決定力の証明だ。
勿論、キングだけを手放しで褒めるわけにもいかない。相棒のカナテープにしても早くから素質を認められながら長らく3勝クラスで足踏みしていた馬。その間にモレイラが騎乗するタイミングもありながら勝てなかったのだから、実際に足りていなかった可能性もあるだろう。
だが、3勝クラスの嵯峨野S(芝1800m)を7番人気で6着に敗れた次走、初音S(3勝)の勝利をきっかけにまるで別馬のようなパワーアップ。12キロ減でガレていた体も12キロ増と戻し、後に福島牝馬S(G3)を快勝するアドマイヤマツリを破った。
そして前走の府中牝馬S(G3)でさらに馬体を12キロ増やして484キロ。これはデビュー最高の馬体重であり、6歳夏にして完成の域へと近づいたことも匂わせる。大野拓弥が騎乗したこのレースは結果的に2着と敗れたが、再び鞍上強化された関屋記念でキングが勝利へと導いている。
大野君には悪いが、キングならと思えるのも仕方がない。実際、彼女は先週に短期免許で再来日したばかりのタイミングに函館2歳S(G3)を9番人気エイシンディードとともに強烈なインパクトを残したばかり。さすがに2週連続でどうかと勘繰る中、穴馬でも1番人気でも勝ってしまったのだから、誰がどうこうよりキングが凄過ぎるとしか言いようがない。
先述したように現在のカナテープが充実していることを考慮しても、仮に戸崎圭太や三浦皇成が騎乗しても勝つイメージが湧くだろうかと言われると正直難しい。なんだかよくわからないけど、「キングだったから勝っちゃったんじゃないか」という感想だけ残るのだ。
これまでも来日当初のミルコやモレイラ、そしてレーンやムルザバエフなど、日本競馬にすぐ馴染んで結果を出す外国人騎手らを見てきたが、キングの適応力の高さは圧倒的。何しろメインで乗っている馬が堀宣行厩舎であり、ノーザン系クラブのG1級といってもコスタノヴァくらい。そのコスタノヴァも初コンビのフェブラリーS(G1)であっさり勝利してしまった。
馬質の差を考えれば、既にモレイラやレーンと遜色ないどころか、それ以上の快進撃といえるのではないか。
そこで思い浮かぶのは今後の身の振り方だ。関東の名門とはいえ、現在の堀厩舎はかつてほど層の厚さはなくなった。堀師としてはキングを囲い込みたいところだが、ここまで目立つとノーザンが黙ってない。
ファーストドライバーのルメールが悪い意味で日本慣れしたのか、モチベーション低下や仕事をこなすような騎乗も気になる昨今。キングのような期待以上の結果を出す助っ人外国人は引く手あまたとなっておかしくない。後のことは本人次第となるものの、場合によってはレーンより先にJRA所属の声がかかる可能性もありそうだ。
1着カナテープ キング
「重賞をまた勝てて嬉しいですし、乗ったことのある馬でもう一度勝つことができたのも嬉しいです。前走が1800mで今回1600mだったので、ペースが速いと感じましたが、リズム良く運べて手応えも良かった。道中は折り合いもついてリラックスしてくれて、それもあっていい脚を見せてくれた。全て出し切ってくれました。フレキシブルに競馬ができますし、タフな勝ち方でした」2着同着オフトレイル 菅原明良
「開幕週で1枠は良いと思ってましたし、後ろ過ぎず、出たところで出していきました。折り合いもそこまで力み過ぎず我慢がきいていました。本質は1400mのような感じはあるので、その分最後は甘くなりました。良い馬です。よく頑張ってくれました」2着同着ボンドガール ルメール
「本来のボンドガールの走りを見られたと思います。道中はリラックスできたことで脚がたまり、この馬らしい瞬発力でいい脚を使ってくれました。ただ、この馬はハンデ56キロで、勝った馬は54キロでしたからね」
R.キングの重賞勝利
■2024年
アメリカジョッキークラブC(G2) チャックネイト(3人気)
東京新聞杯(G3) サクラトゥジュール(7人気)
■2025年
京都金杯(G3) サクラトゥジュール(4人気)
フェブラリーS(G1) コスタノヴァ(2人気)
函館2歳S(G3) エイシンディード(9人気)
関屋記念(G3) カナテープ(1人気)←new!
不思議なことに過去の重賞勝ちで1番人気に騎乗した経験はなし。
今回カナテープが初めて1番人気に支持されたが、これは明らかに馬よりもキング人気で押し出されたものである。
人気だろうが穴だろうが、逃げだろうが追い込みだろうが関係なく1着を取ってしまう。彼女に任せれば、後ろから前からどうぞって感じ。
彼女が近年最も強烈なインパクトを残した外国人騎手で間違いない。今年のJRA重賞勝ちもモレイラや川田将雅と並ぶ4勝目。しかも2週連続の重賞勝ちだ。
来週の重賞は新潟のアイビスサマーダッシュ(G3)と札幌のクイーンS(G3)が開催予定。注目の最強助っ人は、どちらに参戦するだろうか。
キング以外で存在感を見せたのは菅原明良
キングが圧倒的過ぎるため、他騎手の扱いが軽くなるのはやむを得ないものの、菅原明良の活躍も覚えておきたい。
この日は06R豊栄特別(2勝)をコートアリシアンで勝利し、メインのオフトレイルも10番人気の人気薄ながら、あと一歩のところまで好走に導いて2着。近走の不振から明良以外に買い要素がないと思えた中で期待に応えた。彼も若手騎手で進境著しい注目株である。


